294 / 300
【完結】頭が痛いと言ってくれ!【閲覧注意/催眠】
11*
しおりを挟む頭がおかしくなりそうだった。
いや、おかしくなってるのかもしれない。
だって、こんなに身体が熱くてもどかしくて、何度も何度も射精を試みて腹を強張らせているというのに、何も出てこない。
「5…からだったかな?…4…」
ちがうちがうっ、もう、あと少しだったのに…!!
訂正したいのに、涎の海でぬるぬるになっている脳みそじゃまともな言葉なんて紡げなかった。
「…3…」
込み上げてくる射精感。いつもなら勢いをもって一気に放出されて尿道を気持ち良く擦ってくれるはずの熱は、カウントダウンにあわせて確実に込み上げてくるくせに、じりじり、じとじととしか性器を刺激してくれない。
「2…」
「あうぅ゙ゔ…っ!はっ、はっ、はふ…ッ、はぅう…!」
つらいっ、出したい、イきたいッ
どんどん膨張する熱は際限なく膨らんで、どろどろと性器の中で流動している。
鈴口がひくひくと痙攣する刺激ですら拾ってしまくらい敏感になっている性器は、鼓動にあわせて跳ねては先走りを散らしていた。
「…1……」
その先が欲しくて欲しくて、堪らなくて、声も出せずに期待の籠った吐息を「はぁっ、はぁっ」と荒く漏らす。溢れる涎の温度がどんどん上がって、ひたひたになった脳みそは湯だったようになっていた。
「…高坂くん、深呼吸だよ。…大きく息をして…」
極限の空腹状態に舌を伸ばせば届くような距離にご褒美をぶら下げておいて、佐倉さんは低く、ゆったりとした口調で言う。
「は、はあぁぁ…ッ、はァあ…!!は、はうぅう…っ」
中々貰えないご褒美に焦れに焦れた俺は媚びるように必死で大きな呼吸を繰り返した。酸素が巡って全身がじんじんと痺れる。
性器の先端からは絶えず薄い粘液がだらだらと溢れて、ワイシャツに向かって糸を引いていた。
頭の中が射精のことで一杯になって、何度も何度もその姿を思い浮かべる。イメージで射精する度に脳がちかっと弾けて、ぶわぶわと波のような快感が広がった。
はや、はやく、はやくはやくっ、はやく言って…!!
「…っ、もっ」
「0」
懇願より早く、びゅくりと精液が迸った。
「は…ぇ…?」
必死で求めていた解放は思いの外呆気なく訪れて、ぱたぱたと飛沫が腹に散るのをワイシャツ越しに感じる。
え、イッた…?今の、で…?
しかし、意識する暇もなかった射精を遅れて脳が認識した瞬間、ばちんっと目の奥が眩んだ。
「イッちゃったね」
佐倉さんの声がやけにはっきりと耳に届いて、イメージがちかちか明滅する。
「────────ッ」
脳みそに白濁した液体がどろりと注がれて、思考が真っ白になった。反面、腹から込み上げる濁流のような快感と開放感に全身はざわざわと小刻みに痙攣しはじめる。
「は、あ゙っ…、ああ゙あ゙…、ゔぁああッ」
無意識の射精から数歩遅れてようやく嬌声が溢れ出た。どろどろに溶けたようになっている無防備な脳は次から次へと込み上げてくる快感に抗う術なんて持ってなくて、1度零れ出たあられもない声を抑えることが出来ない。
「ひぁあ゙あ゙あ゙…ッ!あぁあ゙あ゙あ゙、いッ、あぅゔう…っ!!」
ぐったりと脱力しているはずの身体が、快感で不随意にびくんっと跳ねる度に脳がぱちんっと白んで、その度に脳みそにどっぷりと白濁が浴びせかけられる。どろどろとした白い人形達が俺の脳みそを取り囲んで手を取り合ってくるくる回っている。
「ひっ!イッ…!!ゔぁあ゙…!!」
イくのって、こするのがきもちいいんじゃないの?外がわしこしこして、びゅっびゅって中がこすれるのがきもちいいんじゃなかったっけ?
必死に混乱を治めようとするが、すっかり知能指数の下がってしまった思考では馬鹿みたいなことしか考えられない。
結局俺は奥から吹き出してくる快感に身体を跳ねさせることしか出来なかった。
「あ、ひ…っ、イ…、…っ」
やがて、狂乱と混乱がほんの少し落ち着いた頃、白濁の海にぷかぷかと揺蕩う脳に「5」という数字がこつんとぶつかった。
100
あなたにおすすめの小説
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる