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【完結】頭が痛いと言ってくれ!【閲覧注意/催眠】
13*
しおりを挟むどぷどぷっ、と、今度は溢れたのが分かった。
ようやく解放された性器がはしゃぎ回るみたいに大きく跳ねて、信じられない量の精液が迸った。
表面張力が限界を迎えたグラスから白濁がどろりと溢れ、表面を伝って脳みそに滴る。
「あァアあ゙ッ…!!」
叫ぼうと大きく吸っていた息はそのまま嬌声になって、ぞぞぞっ!と快感が脊椎を這いあがって思考を焼くのに合わせて零れ出た。
射精の快感とは何なのか、認識が上書きされる。
擦って出して気持ちいい、なんて浅い快感じゃない。腹の底から込み上げてくる開放感と、それに浸ることのできる特別な多幸感。毛穴が全部開いてそこから幸せが溢れ出してくるような錯覚に頭の中がちかちかと瞬いた。
気持ちよくて、幸せ…。
「あ、…あ、…はふ…、あァア゙…」
酩酊している時にも似たふわふわとした感覚にぶるるっと全身が震えて、その小さな震えすら心地いい。全身を撫で回されているような擽ったさに思わず「うふっ」と笑みが零れた。
「ふふ、幸せだね。…可愛い」
佐倉さんの嬉しそうな声も胸を満たしてくれて堪らない気持ちになる。
ふわふわ、とろとろ。白濁の海は暖かくて柔らかくて…
「…0」
「…はぅ…ッ!?」
睾丸がきゅんっ!と竦んで、気付けばとろりと溢れるだけの欠陥じみた射精をしていた。
遅れて全身を擽るような甘い快感がざわざわと広がって、ぞくんと脳が痺れる。白濁の海にさざ波がたつ。
「あ、ふ…ぅ…?」
何が起きたのか、思考が追い付かない。
あれ、でちゃった…?
なんの下準備もできていないのに、なんの前段階も踏まずにただ射精させられた。
ぞくんっ、ぞくんっ、と鼓動にあわせて背筋が痺れて、快感にひたひたにされている脳がじんわりと疼く。
「まだだよ。脳みそ溶けちゃうくらいイかせてあげる」
じわじわと痺れている脳みそが夏場のアイスクリームのようにとろりと溶ける。
あれ、もう半分溶けてる…?
混乱して状況の把握ができないままでいる俺を他所に、クスクス笑いながら佐倉さんが言う。
「言ったでしょ?「0」って言ったら、出ちゃうよ。イっちゃうよ。って」
その言葉でまたぞくんっと下腹部が疼いて、性器が締め付けられるような快感に包まれた。
「あっ、はぅうう…ッ!」
込み上げてきた快感が首筋を擽りながら駆け上がって蕩けた脳をとろとろにかき混ぜる。空がちかちか白んで、その度にショートしたみたいに甘い絶頂に包まれた。
「あッ…、ゔ…ッ…!!」
これ…、やばい…っ
ようやく状況を把握して、頭の芯がしん…っと冷える。冷や汗が吹き出すような感覚にざぁっと血の気が引いたのが分かった。
「さぁ、沢山イこう。0」
「あ゙ぅ゙!!」
まるで絞られるように睾丸が疼いて、性器がひくんと跳ねる。
射精の快感は最初から殆ど無い。多分、今となってはもう殆ど何も出てない。
それより、「イった」と認識させられた脳がふわんっと膨らんだように緩んで、さざ波のたつ白濁の海でちゃぷちゃぷと擽られる快感が恐ろしい。小波がちゃぷんと脳壁を洗うたびに、緩い電流のような絶頂が全身に込み上げてくる。
「ひっ、…だめっ…!」
「大丈夫。…0。ほら、イって。0」
声を掛けられた性器がびくんっと慌てたように首を振って、立て続けにつめこまれた絶頂に下腹部がきゅうっと疼いた。
腹の底から、急激に込み上げてくるものを感じる。
「あ゙ァ!!や゙ッ、あ、へ…ん…ッ、あっ、ア゙ッ!だめ…、だめだめ…ッ!」
睾丸とその周りで白い人形たちがせっせとなにかを準備している。
ちゃぷちゃぷと白濁遊びをしていた脳も流石に危機感を感じて警鐘を鳴らし始めた。
きゅんっ、きゅんっ、と下腹が痺れて、枯れたはずの性器からとろとろと薄い液体が溢れてくる。
「だめ?…ふふ、駄目。全部出しちゃおうね」
佐倉さんの意地悪気な声。
なんの数字も含まれていないはずなのに、それは耳から滑り込んできてこしょこしょと脳を擽った。
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