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【完結】頭が痛いと言ってくれ!【閲覧注意/催眠】
14*
しおりを挟む頭の中で、陽気な歌が流れ始めた。
7人の白い人形たちが俺の腹の上で歌にあわせて足踏みをしながら踊っている。
「あっ、あッ、ア゙ッ!だめ…ッ!でちゃうでちゃう…ッ」
追い立てるように込み上げてくる射精感…を超えた排尿感に、つま先がきゅぅっと丸まった。
踊らないで!揺らさないで!
たかだかイメージのはずなのに、本当に腹を揺さぶられているような錯覚に脳がちかちかと危険信号を送ってくる。
「うん、出していいんだよ?…我慢しても駄目。分かってるよね?出ちゃうよね?」
「ひぐ…ッ」
改めてわからされて、きゅうぅっと下腹部が収縮するように疼いた。
分かってる。どんなに我慢しても佐倉さんが一言囁くだけでこの堰は簡単に決壊させられてしまう。
…それなら、我慢なんてするだけ無駄じゃないか。
頭の片隅にそんな考えが過ぎる。
それでも本能的に身体が堪えようとして、下腹がビクビクと痙攣した。
「ひっ…!!ぅう…ッ!!」
ぎりぎりの所で波打っている排尿感に焦燥が募る。
しかしその焦燥感の影にどこか諦めている自分もいた。絶対だめだと思うのに、いっそのこと早くとどめを刺して欲しいとも思ってしまう。
だって、仕方ないじゃないか。今この身体は佐倉さんの声に逆らえないんだから。
緊張と快感と羞恥と諦観と。色々なものが脳をぐるぐるとかき混ぜる。身体の奥から込み上げてくる熱に犯されて乱れる吐息が熱く湿った。
「は…っ、あふ、…はっ、はぅ…ッ」
堪えきれない液体がとぷとぷと溢れて腹に滴る。湿地帯みたいになっているワイシャツの上で白い人形たちが陽気な歌に合わせてぴちゃぴちゃ躍る。
「…っ、ふッ…ぅ…ッ」
詰め込まれて、揺すられて、諦めという名の覚悟が決まってしまうと、じわじわと身体が勝手に期待しはじめた。
散々味わわされた解放感と快感への期待が、羞恥心と焦燥を脳の隅へ押しやる。
「ぁ、ぁ…でちゃ、う…ッ、やぁ、だ…ッ」
だからこそ、真っ先に体裁が口をついて出てしまった。
俺のせいじゃない。佐倉さんのせい。
こんな恥ずかしいことになってて、これからもっと恥ずかしいことになるのは、全部…
「いやなの?」
そんな俺の思考を読んだみたいに、佐倉さんが低い声で言った。
「ぁ…ッ」
腹の上で踊る小人たちが怒ったように足踏みをする。
こいつらは頭の中で勝手に再生されるイメージ達だ。わかってる。
わかってるのに、揺すられたら焦燥感が込み上げてきて、こいつらは俺の本心を知っているということをわからされた。
「高坂くん、いやなの?」
重ねて掛けられた低い声に追い詰められて、ぽろ、と涙が零れるのがわかった。
いやじゃない。いやじゃなくて。
あれほど警笛を鳴らしていた脳はすっかり大人しくなってしまって、白濁の海でとどめを待つようにゆらゆらと揺蕩っている。
ともすれば、はっ、はっ、と浅い呼吸になってしまうのを叱咤して出来る限り深い呼吸を繰り返す。
込み上げてくるもどかしさで、下腹が、睾丸が、性器全部がきゅうきゅうと悲鳴を上げている。
とどめがほしい。
溺れそうなくらいひたひたに快感を詰め込まれた全身はざわざわと痺れて、むず痒いようなもどかしさで一杯だった。
「素直にならないと、ずっとこのままだよ?」
その一言が、とどめだった。
「も、イかせて…ッ、…出したいぃ…ッ」
叫ぶように言い訳のしようもないわがままを言ってしまった俺が羞恥心と罪悪感に苛まれるよりも早く、佐倉さんが「いい子だね」と微笑み混じりに囁いて、それから、ちょっと熱っぽい色を孕んで湿った声で「ゼロ」と続けた。
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