15 / 20
本拠突入
しおりを挟む
結論から言う。
敵の本拠、想像の三倍は嫌な場所やった。
なんやねんこれ。
湿ってて、暗くて、寒くて、
空気が「帰れ」って言うてくる。
「なあエドウィン」
「なんだ」
「ここ、絶対ろくな思い出作られへん場所やで」
「同意する」
即答やめて。
⸻
影の傭兵団の本拠は、
山の腹をくり抜いた地下要塞。
入口一つ。
逃げ道なし。
「……ほんま、覚悟決めさせに来てるな」
「そういう場所だ」
せやろな。
⸻
燕の傭兵団、総員二十名弱。
全員、無言。
笑顔なし。
軽口なし。
あ、これ本気のやつや。
⸻
「突入後、散開」
エドウィンの指示は短い。
「俺が前に出る」
「はいはい、また主人公ムーブ」
「……任せる」
あ、今一瞬、
ちょっとだけ笑ったやろ。
⸻
合図。
扉、破壊。
ドンッ!!!!
音、でかすぎ。
もう隠密とかない。
⸻
中、戦場。
松明の火。
剣の反射。
怒号。
「敵だ!!」
「侵入者!!」
はい始まりました。
⸻
影の傭兵団、
数が多い。
そして、
強い。
「くっ……!」
前衛が押される。
「レミ!」
「了解!!」
魔術展開。
床、凍結。
「うわああ!?」
滑る敵。
転ぶ敵。
最高。
⸻
でも。
奥から出てきた。
黒い外套。
仮面。
……さっきのやつより、圧が違う。
「直属、また来たで!!」
「ちっ……」
エドウィンが前に出る。
剣、交錯。
金属音。
速い。
重い。
「……強いな」
「そっちもな」
仮面の男、笑った。
嫌な予感しかしない。
⸻
その瞬間。
奥の扉が、
ゆっくりと開いた。
ギィ……。
空気、変わる。
本気で。
⸻
出てきた男。
仮面なし。
白髪交じり。
立ってるだけで、重い。
「……やっと来たか」
低い声。
ぞわっとした。
⸻
エドウィンの動きが、止まる。
「……団長」
その一言で、確信。
影の傭兵団団長。
元・英雄。
元・王国騎士団長。
全部の元凶。
⸻
「久しいな、副団長」
……え。
え?
ちょ、今なんて???
「副団長……?」
団長、口角上げる。
「まだ、生きていたとはな」
エドウィン、答えない。
剣、構えたまま。
空気、張り詰める。
⸻
「……話は後だ」
エドウィンが言う。
「ここで終わらせる」
団長、笑った。
「それは――こちらの台詞だ」
⸻
その瞬間。
影の傭兵団、
全軍動いた。
「総力戦や!!」
誰かの叫び。
はい来た。
最悪イベント確定。
⸻
剣。
魔術。
血。
全部が、ぶつかる。
後退なし。
逃げ道なし。
⸻
そして私は思う。
……これ。
絶対、
誰か死ぬ流れやん。
嫌な予感が、
胸に貼り付いて離れへん。
敵の本拠、想像の三倍は嫌な場所やった。
なんやねんこれ。
湿ってて、暗くて、寒くて、
空気が「帰れ」って言うてくる。
「なあエドウィン」
「なんだ」
「ここ、絶対ろくな思い出作られへん場所やで」
「同意する」
即答やめて。
⸻
影の傭兵団の本拠は、
山の腹をくり抜いた地下要塞。
入口一つ。
逃げ道なし。
「……ほんま、覚悟決めさせに来てるな」
「そういう場所だ」
せやろな。
⸻
燕の傭兵団、総員二十名弱。
全員、無言。
笑顔なし。
軽口なし。
あ、これ本気のやつや。
⸻
「突入後、散開」
エドウィンの指示は短い。
「俺が前に出る」
「はいはい、また主人公ムーブ」
「……任せる」
あ、今一瞬、
ちょっとだけ笑ったやろ。
⸻
合図。
扉、破壊。
ドンッ!!!!
音、でかすぎ。
もう隠密とかない。
⸻
中、戦場。
松明の火。
剣の反射。
怒号。
「敵だ!!」
「侵入者!!」
はい始まりました。
⸻
影の傭兵団、
数が多い。
そして、
強い。
「くっ……!」
前衛が押される。
「レミ!」
「了解!!」
魔術展開。
床、凍結。
「うわああ!?」
滑る敵。
転ぶ敵。
最高。
⸻
でも。
奥から出てきた。
黒い外套。
仮面。
……さっきのやつより、圧が違う。
「直属、また来たで!!」
「ちっ……」
エドウィンが前に出る。
剣、交錯。
金属音。
速い。
重い。
「……強いな」
「そっちもな」
仮面の男、笑った。
嫌な予感しかしない。
⸻
その瞬間。
奥の扉が、
ゆっくりと開いた。
ギィ……。
空気、変わる。
本気で。
⸻
出てきた男。
仮面なし。
白髪交じり。
立ってるだけで、重い。
「……やっと来たか」
低い声。
ぞわっとした。
⸻
エドウィンの動きが、止まる。
「……団長」
その一言で、確信。
影の傭兵団団長。
元・英雄。
元・王国騎士団長。
全部の元凶。
⸻
「久しいな、副団長」
……え。
え?
ちょ、今なんて???
「副団長……?」
団長、口角上げる。
「まだ、生きていたとはな」
エドウィン、答えない。
剣、構えたまま。
空気、張り詰める。
⸻
「……話は後だ」
エドウィンが言う。
「ここで終わらせる」
団長、笑った。
「それは――こちらの台詞だ」
⸻
その瞬間。
影の傭兵団、
全軍動いた。
「総力戦や!!」
誰かの叫び。
はい来た。
最悪イベント確定。
⸻
剣。
魔術。
血。
全部が、ぶつかる。
後退なし。
逃げ道なし。
⸻
そして私は思う。
……これ。
絶対、
誰か死ぬ流れやん。
嫌な予感が、
胸に貼り付いて離れへん。
0
あなたにおすすめの小説
ご褒美人生~転生した私の溺愛な?日常~
紅子
恋愛
魂の修行を終えた私は、ご褒美に神様から丈夫な身体をもらい最後の転生しました。公爵令嬢に生まれ落ち、素敵な仮婚約者もできました。家族や仮婚約者から溺愛されて、幸せです。ですけど、神様。私、お願いしましたよね?寿命をベッドの上で迎えるような普通の目立たない人生を送りたいと。やりすぎですよ💢神様。
毎週火・金曜日00:00に更新します。→完結済みです。毎日更新に変更します。
R15は、念のため。
自己満足の世界に付き、合わないと感じた方は読むのをお止めください。設定ゆるゆるの思い付き、ご都合主義で書いているため、深い内容ではありません。さらっと読みたい方向けです。矛盾点などあったらごめんなさい(>_<)
ハイスぺ幼馴染の執着過剰愛~30までに相手がいなかったら、結婚しようと言ったから~
cheeery
恋愛
パイロットのエリート幼馴染とワケあって同棲することになった私。
同棲はかれこれもう7年目。
お互いにいい人がいたら解消しようと約束しているのだけど……。
合コンは撃沈。連絡さえ来ない始末。
焦るものの、幼なじみ隼人との生活は、なんの不満もなく……っというよりも、至極の生活だった。
何かあったら話も聞いてくれるし、なぐさめてくれる。
美味しい料理に、髪を乾かしてくれたり、買い物に連れ出してくれたり……しかも家賃はいらないと受け取ってもくれない。
私……こんなに甘えっぱなしでいいのかな?
そしてわたしの30歳の誕生日。
「美羽、お誕生日おめでとう。結婚しようか」
「なに言ってるの?」
優しかったはずの隼人が豹変。
「30になってお互いに相手がいなかったら、結婚しようって美羽が言ったんだよね?」
彼の秘密を知ったら、もう逃げることは出来ない。
「絶対に逃がさないよ?」
俺を振ったはずの腐れ縁幼馴染が、俺に告白してきました。
true177
恋愛
一年前、伊藤 健介(いとう けんすけ)は幼馴染の多田 悠奈(ただ ゆうな)に振られた。それも、心無い手紙を下駄箱に入れられて。
それ以来悠奈を避けるようになっていた健介だが、二年生に進級した春になって悠奈がいきなり告白を仕掛けてきた。
これはハニートラップか、一年前の出来事を忘れてしまっているのか……。ともかく、健介は断った。
日常が一変したのは、それからである。やたらと悠奈が絡んでくるようになったのだ。
彼女の狙いは、いったい何なのだろうか……。
※小説家になろう、ハーメルンにも同一作品を投稿しています。
※内部進行完結済みです。毎日連載です。
うちの幼馴染がデレすぎてて俺の理性はもう限界。でも毎日が最高に甘いからもうどうでもいいや
静内燕
恋愛
相沢悠太の日常は、規格外の美少女である幼馴染、白石葵によって完全に支配されている。
朝のモーニングコール(ベッドへのダイブ付き)から始まり、登校中の腕組み、そして「あーん」が義務付けられた手作り弁当。誰もが羨むラブラブっぷりだが、悠太はこれを「家族愛」だと頑なに誤解(無視)している。
「ゆーたは私の運命の相手なんだもん!」と、葵のデレデレは今日も過剰の一途。周囲の冷やかしや、葵を狙う男子生徒のプレッシャーが高まる中、悠太の**「幼馴染フィルター」**はついに限界を迎える。
この溺愛っぷり、いつまで「家族」で通せるのか?
甘すぎる日常が、悠太の鈍感な理性を溶かし尽くす――最初からクライマックスの、超高濃度イチャイチャ・ラブコメ、開幕!
【R18】幼馴染がイケメン過ぎる
ケセラセラ
恋愛
双子の兄弟、陽介と宗介は一卵性の双子でイケメンのお隣さん一つ上。真斗もお隣さんの同級生でイケメン。
幼稚園の頃からずっと仲良しで4人で遊んでいたけど、大学生にもなり他にもお友達や彼氏が欲しいと思うようになった主人公の吉本 華。
幼馴染の関係は壊したくないのに、3人はそうは思ってないようで。
関係が変わる時、歯車が大きく動き出す。
敵に貞操を奪われて癒しの力を失うはずだった聖女ですが、なぜか前より漲っています
藤谷 要
恋愛
サルサン国の聖女たちは、隣国に征服される際に自国の王の命で殺されそうになった。ところが、侵略軍将帥のマトルヘル侯爵に助けられた。それから聖女たちは侵略国に仕えるようになったが、一か月後に筆頭聖女だったルミネラは命の恩人の侯爵へ嫁ぐように国王から命じられる。
結婚披露宴では、陛下に側妃として嫁いだ旧サルサン国王女が出席していたが、彼女は侯爵に腕を絡めて「陛下の手がつかなかったら一年後に妻にしてほしい」と頼んでいた。しかも、侯爵はその手を振り払いもしない。
聖女は愛のない交わりで神の加護を失うとされているので、当然白い結婚だと思っていたが、初夜に侯爵のメイアスから体の関係を迫られる。彼は命の恩人だったので、ルミネラはそのまま彼を受け入れた。
侯爵がかつての恋人に似ていたとはいえ、侯爵と孤児だった彼は全く別人。愛のない交わりだったので、当然力を失うと思っていたが、なぜか以前よりも力が漲っていた。
※全11話 2万字程度の話です。
次期国王様の寵愛を受けるいじめられっこの私と没落していくいじめっこの貴族令嬢
さら
恋愛
名門公爵家の娘・レティシアは、幼い頃から“地味で鈍くさい”と同級生たちに嘲られ、社交界では笑い者にされてきた。中でも、侯爵令嬢セリーヌによる陰湿ないじめは日常茶飯事。誰も彼女を助けず、婚約の話も破談となり、レティシアは「無能な令嬢」として居場所を失っていく。
しかし、そんな彼女に運命の転機が訪れた。
王立学園での舞踏会の夜、次期国王アレクシス殿下が突然、レティシアの手を取り――「君が、私の隣にふさわしい」と告げたのだ。
戸惑う彼女をよそに、殿下は一途な想いを示し続け、やがてレティシアは“王妃教育”を受けながら、自らの力で未来を切り開いていく。いじめられっこだった少女は、人々の声に耳を傾け、改革を導く“知恵ある王妃”へと成長していくのだった。
一方、他人を見下し続けてきたセリーヌは、過去の行いが明るみに出て家の地位を失い、婚約者にも見放されて没落していく――。
【完結】人前で話せない陰キャな僕がVtuberを始めた結果、クラスにいる国民的美少女のアイドルにガチ恋されてた件
中島健一
恋愛
織原朔真16歳は人前で話せない。息が詰まり、頭が真っ白になる。そんな悩みを抱えていたある日、妹の織原萌にVチューバーになって喋る練習をしたらどうかと持ち掛けられた。
織原朔真の扮するキャラクター、エドヴァルド・ブレインは次第に人気を博していく。そんな中、チャンネル登録者数が1桁の時から応援してくれていた視聴者が、織原朔真と同じ高校に通う国民的アイドル、椎名町45に属する音咲華多莉だったことに気が付く。
彼女に自分がエドヴァルドだとバレたら落胆させてしまうかもしれない。彼女には勿論、学校の生徒達や視聴者達に自分の正体がバレないよう、Vチューバー活動をするのだが、織原朔真は自分の中に異変を感じる。
ネットの中だけの人格であるエドヴァルドが現実世界にも顔を覗かせ始めたのだ。
学校とアルバイトだけの生活から一変、視聴者や同じVチューバー達との交流、eスポーツを経て変わっていく自分の心情や価値観。
これは織原朔真や彼に関わる者達が成長していく物語である。
カクヨム、小説家になろうにも掲載しております。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる