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第一章 異世界アニマルーンの目覚め
第四話 アンエクスペクテッド・イベント!
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「このまま、ギルドのご利用方法についても説明いたしましょうか?」
――やめてくれ。
もう、私の頭の中はいっぱいいっぱいだから。
「ありがとう。
だが、次の利用者も待っているだろ。リリーの手をこれ以上煩わせるのは申し訳ない。
アミには後で、オラから説明する。ありがとな、リリー」
カクトさん、ナイス判断です!
「かしこまりました。
お気を遣わせてしまい、申し訳ありません。
カクトさん、アミちゃん、またのご利用をお待ちしています」
リリーさんは、私たちの後ろの列を見て、すまなそうに頭を下げた。
そんなに気にすることないのに。
私たちは、また長椅子のところまで戻った。
振り返ると、リリーさんの前には、依頼書を持ったアニマたちが列をなして並んでいる。
ほんの少しのタッチの差だった。
「アミ、どうする?
今から、ギルドについての説明をしようか?」
「……手短にお願いします」
私の顔を見て、カクトさんが愉快そうに笑う。
「わかった、わかった。
ザックリと、手短にな」
カクトさんは、少し考えるようにしてから話し始めた。
「ギルドは……そうだな、みんなの活動の場なんだ。
冒険者にとっては、主にクエストを受注したり、解決した報酬を貰う場だな。
商人や一般のアニマは、ギルド内の設備を使う目的で来ることが多い」
「ほかにも、クエストの依頼書を出したり、だな。
ちなみにこのギルドには、食堂や酒場、図書室といった設備があるぞ。
これらは、ギルドカードを持っていれば誰でも利用できる」
「ここまでは、いいか?」
こくりと頷く。
「じゃあ次は、ギルドカードについてだ。
これもザックリ説明するぞ」
「カードは無料で作れる。
だが、失くしたりして再発行になると――銀貨三枚、必要だ」
結構な額だ。
「だからカードは、大切に管理するようにな。
それから、カードには利用期限がある。
作成日から、冒険者用と商業用は五年。
それ以外は一年ごとに一回、更新が必要だ」
「……あ、更新料は無料だぞ」
カクトさんは、そこで一度息を継いだ。
「ギルドカードがないと、入れなかったり、金を取られる施設や村、町は多い。
それというのも――」
「カードには、犯罪歴も登録されているからだ」
悪いことをした場合、その記録が残る。
ひどいと、カードの永久剥奪なんて処分も下るらしい。
「それを調べる道具が、どの町の入り口にも、ギルドにもある。
悪さをしようなんて考える奴が、減るようにな」
「ちなみに、職歴も登録されるぞ」
なるほど……悪いことはできない、と。
いや、絶対しないけどね!
万能なカードってわけだ。
……うん?
「ギルドカードを、偽造されたらどうするの?」
疑問が、口からついて出た。
「難しい言葉をよく知っているな。
だが、それは大丈夫だ。カードの裏を見てみろ」
言われた通り、ギルドカードを取り出して裏を見る。
すると、そこには変な文字や紋様がびっしりと書かれていた。
素材も、人間だった頃の知識にはないものだ。
表の顔写真も、立体フルカラー。
もしかしたら、アニマルーンは、
私が知る人間の文明みたいに、高度な文明が築かれているのかもしれない。
それでも、このトルトゥール村は、世界のほんの一部分。
世界の中枢は、どうなっているんだろう。
疑問は、さらに増えるばかりだ。
「裏に書いてあるものは、ギルドカードの識別番号だ。
特殊な構造だから、偽造できる者はそうそういない。
素材も希少で、特別な加工がされている」
「だから、偽造カードなんてまず作れない」
へぇー。
そんなにすごいのね、このカード。
「さて、説明は以上だ。
最後まで、しっかり聞けて偉いぞ!」
「そんな、偉いアミには――ギルドの中を案内しよう」
おおっ!
待ってました!!
ここまで、長かった……。
カクトさんに連れられて、ギルドの中を見てまわる。
ギルド内は三つのエリアに分かれていて、中央エリアには、ギルドボードや受付カウンター、食堂がある。
左のエリアには、議事堂や応接室がある。
そして、右のエリア一体は図書室となっている。
ちなみに、中央エリアの地下は酒場となっているらしい。
一通り案内がすむと、カクトさんは図書室の幼児コーナーで、私に絵本を読んでくれた。
ハーピーの郵便屋さんが、みんなに幸せを届けるお話。
ユニコーンが森の中を探検して、綺麗なお花畑を見つけるお話。
フェニックスが、暴走したサラマンダーの群れを鎮めるお話。
どれも、素敵で面白いお話だった。
なんせ、カクトさんが感情をたっぷりこめて話すので、聞いてきて飽きるということがない。
トイレ休憩を挟み、更に絵本を読んでもらおうとした時ーー
「カクトさん!!」
必死な形相のゴブリンが駆け寄ってきた。
「どうした、ハサウェイ?」
カクトさんの纏う空気が変わる。
「報告します。森の主と思われるマニアが、村に接近中。
東の街道で、バーバリーが応戦しております。
至急、援助が必要です」
ゴブリンーーハサウェイさんも戦っていたのだろうか。
よく見れば、彼は身体のあちらこちらに傷を負っていた。
「わかった。
すぐに、現場に向かう。
ハサウェイ。お前はハーマンを呼んで、彼と一緒に村の警護にあたれ。
……アミ。
そういうわけだから、しばらくここで、大人しく待っていてくれ」
私が頷くの確認するなり、カクトさんはハサウェイさんと共に行ってしまった。
森の主のマニア。
どんなマニアかは、わからない。
が、聞くからに、とても危険で強そうだ。
カクトさんは、強い。
なんせ、この村の自警団団長だし。
……でも、心配だな。
「あー!!
やっぱり、いた!!!」
突然、子どもの高い声が響く。
声がした方を振り向けば、
そこにはくるりんとした目が可愛らしいーー白いドラゴンの男の子がいた。
……びっくりした~。
この子は一体、何なのだろう?
「じいちゃんから聞いた通りだ。
君、カクトさんが連れてきた子でしょう??」
カクトさんを知っている?
いや、この村の自警団団長なんだから当たり前か。
みんなに慕われているようだし。
「ねえ!! ねえ!!
君、なんて名前??
僕はジェイド!!
じいちゃんと一緒に暮らしているんだ~。
あ! もうこの村の中は見た??
良かったら、僕が案内して上げる!
さあ、こっちだよ!!」
ジェイドは、私をギルドの出口の方へと押していく。
何……この展開!?
強制イベントみたいだな!?
「ねえ! ねえ!
君、歳は幾つ?
僕と同じくらいかな?
僕、ギルドにはよく遊びに来るんだ!」
……うん、この子ーージェイドはよく喋る子だな。
「あっ!
うるさい?
今、うるさいって思った??
そんなこと、言わないでヨー。
妖狐もヨー」
……うーん。
今のは、ひょっとしてギャグ??
「あっ! わかった?
今のギャグ、わかった?
いいギャグでしょ!」
そんなこんなで、気づけば広場まで来てしまった。
……カクトさんに怒られること確定。
「あのねー、あそこがーーあっ!
ティルのお父さんだ!」
ジェイドがノームに駆け寄っていく。
……あれ? あの、ノーム……険しい顔をしている……。
慌てて、ジェイドの後を追いかける。
「おっ!
ジェイド君か。
今は仕事中だよ。
また、後でな」
ノームはすぐに踵を返して、東の方へ行ってしまった。
「今、ティルのお父さんが言った方向ね。
あそこを行くと、村の東の入り口があるんだ。
東の街道で何かあったのかな?」
……カクトさん、大丈夫かな。
また、不安になってきた。
「あれ? どうしたの?」
ジェイドが心配そうに、私の顔を覗きこんでくる。
「ううん。
何でもないよ」
ジェイドまで不安にさせて、どうする私。
「そう? なら、いいけど……。
こっちにあるのは……」
「コラ! ジェイド!
こんなとこで何をしている!?」
いつの間にか、アリババじいさんが私たちの近くまで来ていた。
「……じいちゃん」
ってことは、ジェイドはアリババじいさんのお孫さん。
……に、似てない。
「家の手伝いもせず、こんなところでフラフラしおって……。
それはそうと、ジェイド。
お前、わしがジャムを作るために大切にとっておいた、ウォルの実をつまみ食いしたじゃろ?」
「してないよ!」
「いいや、した!」
「だから、してないって!」
「…………本当は?」
「したよ! めちゃくちゃ美味しかった!」
したんじゃないか!!!
と、心の中で全力でツッコンだ私は悪くない。
「わっ! わっ!
アミ! 一緒に逃げるよ!!」
ジェイドは、ぐいぐいと私を押して、逃げだす。
えっ!?
私も!?
私は無関係でしょ!!?
「あー! コラっ!!
またんか!! ジェイド!!」
アリババじいさんが般若の形相で追ってきた。
こっ、怖い!!
アリババじいさん、怒ると、ものすっごく怖い!!
無関係なはずなのに、つられて私もジェイドと一緒に逃げる。
「アミ!! こっち!!」
ジェイドは村の出口の方へ駆けていく。
ええー……いいのか?
村の外に出ていいのか??
…………でも。
何か楽しいかも…………ほんのちょっぴりだけど。
私はジェイドと一緒にトルトゥール村の外へ出た。
――やめてくれ。
もう、私の頭の中はいっぱいいっぱいだから。
「ありがとう。
だが、次の利用者も待っているだろ。リリーの手をこれ以上煩わせるのは申し訳ない。
アミには後で、オラから説明する。ありがとな、リリー」
カクトさん、ナイス判断です!
「かしこまりました。
お気を遣わせてしまい、申し訳ありません。
カクトさん、アミちゃん、またのご利用をお待ちしています」
リリーさんは、私たちの後ろの列を見て、すまなそうに頭を下げた。
そんなに気にすることないのに。
私たちは、また長椅子のところまで戻った。
振り返ると、リリーさんの前には、依頼書を持ったアニマたちが列をなして並んでいる。
ほんの少しのタッチの差だった。
「アミ、どうする?
今から、ギルドについての説明をしようか?」
「……手短にお願いします」
私の顔を見て、カクトさんが愉快そうに笑う。
「わかった、わかった。
ザックリと、手短にな」
カクトさんは、少し考えるようにしてから話し始めた。
「ギルドは……そうだな、みんなの活動の場なんだ。
冒険者にとっては、主にクエストを受注したり、解決した報酬を貰う場だな。
商人や一般のアニマは、ギルド内の設備を使う目的で来ることが多い」
「ほかにも、クエストの依頼書を出したり、だな。
ちなみにこのギルドには、食堂や酒場、図書室といった設備があるぞ。
これらは、ギルドカードを持っていれば誰でも利用できる」
「ここまでは、いいか?」
こくりと頷く。
「じゃあ次は、ギルドカードについてだ。
これもザックリ説明するぞ」
「カードは無料で作れる。
だが、失くしたりして再発行になると――銀貨三枚、必要だ」
結構な額だ。
「だからカードは、大切に管理するようにな。
それから、カードには利用期限がある。
作成日から、冒険者用と商業用は五年。
それ以外は一年ごとに一回、更新が必要だ」
「……あ、更新料は無料だぞ」
カクトさんは、そこで一度息を継いだ。
「ギルドカードがないと、入れなかったり、金を取られる施設や村、町は多い。
それというのも――」
「カードには、犯罪歴も登録されているからだ」
悪いことをした場合、その記録が残る。
ひどいと、カードの永久剥奪なんて処分も下るらしい。
「それを調べる道具が、どの町の入り口にも、ギルドにもある。
悪さをしようなんて考える奴が、減るようにな」
「ちなみに、職歴も登録されるぞ」
なるほど……悪いことはできない、と。
いや、絶対しないけどね!
万能なカードってわけだ。
……うん?
「ギルドカードを、偽造されたらどうするの?」
疑問が、口からついて出た。
「難しい言葉をよく知っているな。
だが、それは大丈夫だ。カードの裏を見てみろ」
言われた通り、ギルドカードを取り出して裏を見る。
すると、そこには変な文字や紋様がびっしりと書かれていた。
素材も、人間だった頃の知識にはないものだ。
表の顔写真も、立体フルカラー。
もしかしたら、アニマルーンは、
私が知る人間の文明みたいに、高度な文明が築かれているのかもしれない。
それでも、このトルトゥール村は、世界のほんの一部分。
世界の中枢は、どうなっているんだろう。
疑問は、さらに増えるばかりだ。
「裏に書いてあるものは、ギルドカードの識別番号だ。
特殊な構造だから、偽造できる者はそうそういない。
素材も希少で、特別な加工がされている」
「だから、偽造カードなんてまず作れない」
へぇー。
そんなにすごいのね、このカード。
「さて、説明は以上だ。
最後まで、しっかり聞けて偉いぞ!」
「そんな、偉いアミには――ギルドの中を案内しよう」
おおっ!
待ってました!!
ここまで、長かった……。
カクトさんに連れられて、ギルドの中を見てまわる。
ギルド内は三つのエリアに分かれていて、中央エリアには、ギルドボードや受付カウンター、食堂がある。
左のエリアには、議事堂や応接室がある。
そして、右のエリア一体は図書室となっている。
ちなみに、中央エリアの地下は酒場となっているらしい。
一通り案内がすむと、カクトさんは図書室の幼児コーナーで、私に絵本を読んでくれた。
ハーピーの郵便屋さんが、みんなに幸せを届けるお話。
ユニコーンが森の中を探検して、綺麗なお花畑を見つけるお話。
フェニックスが、暴走したサラマンダーの群れを鎮めるお話。
どれも、素敵で面白いお話だった。
なんせ、カクトさんが感情をたっぷりこめて話すので、聞いてきて飽きるということがない。
トイレ休憩を挟み、更に絵本を読んでもらおうとした時ーー
「カクトさん!!」
必死な形相のゴブリンが駆け寄ってきた。
「どうした、ハサウェイ?」
カクトさんの纏う空気が変わる。
「報告します。森の主と思われるマニアが、村に接近中。
東の街道で、バーバリーが応戦しております。
至急、援助が必要です」
ゴブリンーーハサウェイさんも戦っていたのだろうか。
よく見れば、彼は身体のあちらこちらに傷を負っていた。
「わかった。
すぐに、現場に向かう。
ハサウェイ。お前はハーマンを呼んで、彼と一緒に村の警護にあたれ。
……アミ。
そういうわけだから、しばらくここで、大人しく待っていてくれ」
私が頷くの確認するなり、カクトさんはハサウェイさんと共に行ってしまった。
森の主のマニア。
どんなマニアかは、わからない。
が、聞くからに、とても危険で強そうだ。
カクトさんは、強い。
なんせ、この村の自警団団長だし。
……でも、心配だな。
「あー!!
やっぱり、いた!!!」
突然、子どもの高い声が響く。
声がした方を振り向けば、
そこにはくるりんとした目が可愛らしいーー白いドラゴンの男の子がいた。
……びっくりした~。
この子は一体、何なのだろう?
「じいちゃんから聞いた通りだ。
君、カクトさんが連れてきた子でしょう??」
カクトさんを知っている?
いや、この村の自警団団長なんだから当たり前か。
みんなに慕われているようだし。
「ねえ!! ねえ!!
君、なんて名前??
僕はジェイド!!
じいちゃんと一緒に暮らしているんだ~。
あ! もうこの村の中は見た??
良かったら、僕が案内して上げる!
さあ、こっちだよ!!」
ジェイドは、私をギルドの出口の方へと押していく。
何……この展開!?
強制イベントみたいだな!?
「ねえ! ねえ!
君、歳は幾つ?
僕と同じくらいかな?
僕、ギルドにはよく遊びに来るんだ!」
……うん、この子ーージェイドはよく喋る子だな。
「あっ!
うるさい?
今、うるさいって思った??
そんなこと、言わないでヨー。
妖狐もヨー」
……うーん。
今のは、ひょっとしてギャグ??
「あっ! わかった?
今のギャグ、わかった?
いいギャグでしょ!」
そんなこんなで、気づけば広場まで来てしまった。
……カクトさんに怒られること確定。
「あのねー、あそこがーーあっ!
ティルのお父さんだ!」
ジェイドがノームに駆け寄っていく。
……あれ? あの、ノーム……険しい顔をしている……。
慌てて、ジェイドの後を追いかける。
「おっ!
ジェイド君か。
今は仕事中だよ。
また、後でな」
ノームはすぐに踵を返して、東の方へ行ってしまった。
「今、ティルのお父さんが言った方向ね。
あそこを行くと、村の東の入り口があるんだ。
東の街道で何かあったのかな?」
……カクトさん、大丈夫かな。
また、不安になってきた。
「あれ? どうしたの?」
ジェイドが心配そうに、私の顔を覗きこんでくる。
「ううん。
何でもないよ」
ジェイドまで不安にさせて、どうする私。
「そう? なら、いいけど……。
こっちにあるのは……」
「コラ! ジェイド!
こんなとこで何をしている!?」
いつの間にか、アリババじいさんが私たちの近くまで来ていた。
「……じいちゃん」
ってことは、ジェイドはアリババじいさんのお孫さん。
……に、似てない。
「家の手伝いもせず、こんなところでフラフラしおって……。
それはそうと、ジェイド。
お前、わしがジャムを作るために大切にとっておいた、ウォルの実をつまみ食いしたじゃろ?」
「してないよ!」
「いいや、した!」
「だから、してないって!」
「…………本当は?」
「したよ! めちゃくちゃ美味しかった!」
したんじゃないか!!!
と、心の中で全力でツッコンだ私は悪くない。
「わっ! わっ!
アミ! 一緒に逃げるよ!!」
ジェイドは、ぐいぐいと私を押して、逃げだす。
えっ!?
私も!?
私は無関係でしょ!!?
「あー! コラっ!!
またんか!! ジェイド!!」
アリババじいさんが般若の形相で追ってきた。
こっ、怖い!!
アリババじいさん、怒ると、ものすっごく怖い!!
無関係なはずなのに、つられて私もジェイドと一緒に逃げる。
「アミ!! こっち!!」
ジェイドは村の出口の方へ駆けていく。
ええー……いいのか?
村の外に出ていいのか??
…………でも。
何か楽しいかも…………ほんのちょっぴりだけど。
私はジェイドと一緒にトルトゥール村の外へ出た。
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