貴公子、淫獄に堕つ

桃山夜舟

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呪詛

苗床※

「あっ、く……っ、うう、んん……っ」

 ずちゅずちゅと音を立てて、触手が腹の中を出入りする。
 狭い肉壁をくびれが擦り上げるのがたまらない。

(ああ、また妖に犯されてしまった……)

 人ならざるものに犯されているのに、淫らな真霧の体は喜悦し、極太の触手を締め付けてしまう。

「あぁあっ」

 激しく突き上げられ、耐えきれず喉を反らす。
 すると仰いた先にいた太い触手に唇をこじ開けられ、口内にも侵入された。

「あ、ふ、ぐ……っ」

 深く突かれると反射で喉が絞られ、触手を締め付けてしまう。
 三つの孔を犯されながら、両の胸の尖りも嬲られ、凄まじい快楽の嵐にもはや正気を保つのも難しいほどだ。

「ひん……っ!」

 腹の中の触手が更に深く入り込み、最奥をこじ開けた。
 はまり込んだそこで、大きく膨れ上がる。

「んんうぅっ」

 圧迫感に目を剥いた刹那、奥深くに熱いものがぶちまけられた。

「ああ……や、なに……っ」

 それはただの粘液ではなかった。
 ぷちぷちとした、今まで味わったことのない奇妙な感触の何かが注ぎ込まれたのだ。

「あ、熱いっ」

 腹の奥が熱を持っている。
 いや、注ぎ込まれたその何かが熱を発している。

「ま、まさか……」

 ────卵を産み付けられた……?

(触手の卵を……?)

 ひっと掠れた悲鳴が漏れた。
 あまりのおぞましさに、おこりのように全身が震え始める。
 すると、まとわりつく触手たちの先からまた粘液が溢れ出した。

「う、くぅ、んんっ」

 粘液を口内に注がれ、全身を愛撫されながら塗り込まれているうちに、意識がどろりと濁り出す。
 そして、何を恐れていたのかわからなくなる。


「んん……っ」

 全てを吐き出し切った触手がずるりと抜ける。
 すかさず別の触手が後孔に潜り込む。

「あ、ああっ」

 最奥を優しく突かれ、甘い愉悦にきゅうきゅうと下腹が疼く。
 やがて触手は真霧の中に湯のように熱い体液を吐き出した。
 体液を吸収した腹の奥が更に熱くなる。
 今の感触は、卵ではなかった。

(もしや……、卵に精を与えた……のか……?)

 ひくつく媚肉に、また次の触手が埋め込まれた。
 触手は粘膜を擦り上げ、何度も真霧を絶頂させては、そして最奥に粘液を吐き出す。
 何本もの触手が代わる代わる真霧の腹の中に入り込んだ。
 どれほど時が経っただろうか。
 気付けば、真霧の腹はぽっこりと膨らんでいた。


 ずるりと、全ての穴から触手たちが出て行く。
 刹那、差し込んだように腹が痛み、朦朧としていた意識が覚醒する。

「う…ん……っ」

 腹の奥が収縮し、真霧は眉を寄せた。
 額に冷や汗がにじむ。
 何かが体内を降りてくるのを感じる。

「……っ、は、あ……っ、なに、これ、やああ……っ!」

 弾力のある何かが、狭い肉筒を押し開きながら降りてくる。
 粘膜全体をこそげるように擦られるのがたまらなく気持ちがよくて、震えが止まらない。

「あっ、あ、あぁ~~っ!」

 赤く充血した肉輪をこじ開け、鶏の卵程に育った触手の卵が産み落とされた。
 卵は落下する前に、すかさず触手に受け止められる。

「はひ……っ、あ、ぁあ……ッ!」

 休む間もなく次々と卵が降りてきた。
 卵が肉筒を通り抜ける強烈な快楽に真霧は連続で極め続け、十数個程の卵全てを産み落とした時には、触手の床の上にぐったりと倒れ込んでいた。

 はぁはぁと荒い息を吐きながら、一箇所に集められた卵を見遣る。
 すると、見る間にぱちりと音を立てて、卵の殻が次々と割れ始めた。

 現れたのは、ほとんどはみみず程度の大きさの触手たちだった。
 だが、驚いたことに、中には掌に乗るくらいの小鬼らしきものもいるではないか。

 小鬼は二匹おり、どちらもなめし革のような黒い肌に二本の角を生やしている。
 よく見ればちろちろと見え隠れする舌は奇妙に長く、そこは触手のようだ。

 生まれたてにも関わらず、小鬼はもう四つ足で這い始めた。
 気味が悪いはずなのに、自分の腹で孵したからなのだろうか、なぜかかわいらしくも見えてきて、そんな己に戸惑う。
 生みの親だとわかるのか、それとも乳の匂いに惹かれるのか、小鬼と触手たちは真霧に群がり、体の上に乗り上げてきた。

「あ……っ、待って、そんな一斉に……っ」

 いち早く左右の胸に吸いついたのは小鬼たちだった。

「あぁんっ、だめ、強いぃっ」

 体に見合わぬ力強さで吸い上げられ、ぞくぞくと背筋が戦慄く。
 なまじ見た目は至極小さな赤子のため、まるで我が子に乳をやる母になったような妙な気分になってしまう。

「ん……っ、くぅ、んんっ」

 びくびくと小刻みに震える肢体を、生まれたての触手たちがぬるぬると這い回る。
 全身を弄られ、恍惚としながら胸を吸わせ続けていた真霧は、ふと気付いた。
 先程より小鬼が大きくなっていることに。

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