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呪詛
泥濘
浪月との思いがけない交歓の後、禊を済ませた真霧が案内されたのは、社殿の奥から直接つながる岩窟だった。
折り重なる巨石の隙間が細い道を形作っており、その道をくぐり抜けた先が広間のように大きく開けていた。
中央には台座が置かれ、水を湛えた角盥が据えられている。
その角盥を用いて占いを行うとのことだった。
朗々と唱えられる呪が岩壁に響き渡る。
真霧は角盥の前に神子装束の紗の単衣をまとって着座し、傍らに立つ浪月が唱える呪を聞いていた。
此度は祭祀ではないため、他の信徒はいない。
だが、例のごとく、どの淫妖が現れるかはわからないらしい。
(一体、どのような妖が現れるだろう……)
知らず、はあ、と熱い吐息がこぼれ落ちた。
浪月の愛撫で昂った体はまだ熱いままなのに、今から妖の贄になるのだ。
半月に渡る奉納祭で、数多の淫妖と交わった。
いずれも妖の名にふさわしく、人知の及ばぬ淫らな技で真霧は散々に翻弄された。
せめて、あれらを超えるような妖ではないといいのだけれど────
そう祈りながら、篝火に照らされて、真霧の足元まで伸びる角盥の影を見つめていた。
影は時折、吹き込む微かな風で揺らめく。
不意に、影が大きく震えたかと思うと、みるみるうちに大きく広がる。
そして次の瞬間、影に覆われた岩床がぐにゃりと泥のようにぬかるんだ。
唖然として目を瞠る真霧の眼前で、突如、そのぬかるみから何本もの肉色の触手がぬらぬらと現れた。
「ひ……っ、や────っ」
慌てて後ずさろうとした時には、もう遅かった。
真霧は蛇のようにのたうつ触手たちに一斉に絡みつかれ、岩床の中へ引き摺り込まれてしまったのである。
折り重なる巨石の隙間が細い道を形作っており、その道をくぐり抜けた先が広間のように大きく開けていた。
中央には台座が置かれ、水を湛えた角盥が据えられている。
その角盥を用いて占いを行うとのことだった。
朗々と唱えられる呪が岩壁に響き渡る。
真霧は角盥の前に神子装束の紗の単衣をまとって着座し、傍らに立つ浪月が唱える呪を聞いていた。
此度は祭祀ではないため、他の信徒はいない。
だが、例のごとく、どの淫妖が現れるかはわからないらしい。
(一体、どのような妖が現れるだろう……)
知らず、はあ、と熱い吐息がこぼれ落ちた。
浪月の愛撫で昂った体はまだ熱いままなのに、今から妖の贄になるのだ。
半月に渡る奉納祭で、数多の淫妖と交わった。
いずれも妖の名にふさわしく、人知の及ばぬ淫らな技で真霧は散々に翻弄された。
せめて、あれらを超えるような妖ではないといいのだけれど────
そう祈りながら、篝火に照らされて、真霧の足元まで伸びる角盥の影を見つめていた。
影は時折、吹き込む微かな風で揺らめく。
不意に、影が大きく震えたかと思うと、みるみるうちに大きく広がる。
そして次の瞬間、影に覆われた岩床がぐにゃりと泥のようにぬかるんだ。
唖然として目を瞠る真霧の眼前で、突如、そのぬかるみから何本もの肉色の触手がぬらぬらと現れた。
「ひ……っ、や────っ」
慌てて後ずさろうとした時には、もう遅かった。
真霧は蛇のようにのたうつ触手たちに一斉に絡みつかれ、岩床の中へ引き摺り込まれてしまったのである。
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