銀髪美少女を探してたらようやく見つかったので守ろうかと思います。

忍原富臣

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第一話「銀髪美少女と銀髪美女に出会った日」

1-3 彩香side

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 ――銀治と別れた二人は本館の隣にある東門から帰ろうとしていた。学内を出て一車線しかない道路の端を銀髪美少女の姉妹が歩く。夕暮れの太陽に照らされる二人は一枚の絵のようである。

「ねー彩芽ー」
「……」

 むぅっと頬を膨らませている彩芽の顔を覗き込む。

「拗ねてる顔も可愛いよっ」
「……」

 一生懸命の爽やかウインクをしてみたけど彩芽はやっぱりイライラしていた。
 大学内でパンツとかぺたんことか言っていたのが恥ずかしかったのかな。私は気にしないんだけどなぁ。

 うーん。今なら周りに人気もないし……よし。

「でー、そろそろ教えてくれてもいいじゃんかー」

 妹に抱きつきながら頬をこすり付けておく。サラサラの髪もほんのり漂う良い香りも素晴らしい……至福の時だぁ。

「家に着くまで話したくない……」

 ハァハァ……頬を膨らませて拗ねる彩芽もまた可愛いけど、さすがに気になるなぁ。

「なんでそんなに怒ってるの?」
「別に怒ってないし……」
「そっかそっかー」

 抱きついても嫌がらないからそんなには怒ってないのは分かってるんだけど、ちょっと心配かなぁ。

「……元はと言えば彩香のせいだもん」
「え、私?」
「うん」

 胸元で彩芽の頭をホールドしていたにも関わらず頷かれた。

「私のこと嫌いになっちゃった?」
「うん」
「え……」

 ――銀髪美女のハートが粉々に砕かれた立ち尽くした瞬間であった。

「ん?」
「……うぅ」
「え、待って待って!」
「うわぁああああああん……」

 嫌われたぁああああ……。

「彩香! ちょっと泣かないで!」
「だって……だってぇ……嫌いって……」
「嘘、嘘だから! 嫌いじゃない! 嫌いじゃないから!」
「ぐすんっ……ほんと……?」
「もー、ほんとだってば……」

 めんどくさそうに彩芽が呟いた。か、可愛い……じゃなくてっ。

「分かった!」

 ――銀髪美女、彩香の顔に笑顔が戻る。

 フッフッフ……こうなれば、私の勝ちだな。もう一回後ろから抱きついてっと……。

「はぁ……極楽……」

 いっそのことお姫様抱っことか持ち上げたりしたいけど、前にやろうとしたら怒られたし我慢だ我慢……。

「意味わかんないし……ほら、家着いたよ」
「はーい」

 大学から徒歩五分、高校から彩芽と二人きりの二階建てのアパートがもう目の前に……。

「彩芽との楽しい散歩が終わっちゃうなぁ」
「もう、さっきから何言ってんの……」

 彩芽は呆れたような声で呟いた。が、それすら可愛い。

「あ、そうだ! 家帰ったらゲームしよ!」
「……うん」

 デレに回った妹が可愛すぎておもわず万歳っ!

「やたー!」
「でも、その前にオムライス作ってね」

 振り返り見上げてくる彩芽の上目遣いがマブ可愛いー!

「もちろんさっ」

 満面の笑みで彩芽と見つめ合う。

「……なら、良いよ」

 このツンデレがたまらん。

「え、ちょ、ちょっと彩香?」

 妹の顔を胸に埋めてぎゅっと抱きしめる。

「あーやっぱり可愛いわー最高だわー堪らないわー……なんでこんなに可愛いのか研究したいよー」
「うっ……息がっ……あ、彩香……死ぬ……乳圧で死ぬ……」
「ハッ! ごめんね、あまりにも可愛くてつい……」
「はぁはぁ……そんなに可愛くないって……」

 口に手を当てながら妹の息が荒い。

「可愛いよ! 今はちょっとエッチだけどね! だが、それもいい!」
「エッt……ってもう! 知らない! ふんっ」
「あ、彩芽」

 アパートの敷地に入った瞬間、彩芽がダッシュして逃げた。

「鍵とチェーンかけてやるから……」

 振り向きざまに彩芽が捨て台詞を吐きながら走っていく

「えっ?」

 彩芽に締め出される!

「待ってー!」

 二階へと上がる階段を上り始める彩芽を追いかける。
 運動してない彩芽が高校バレー部全国優勝の私に勝てるはずがないのだよ!

「私に勝てると思っているのかな!?」

 階段を後数段上がれば二階の彩芽と階段下に勢いよく辿り着いた私。

「え、ちょ、早っ! こわっ!」
「フッフッフー、バレーで鍛えた運動神経舐めてくれるなー」

 捕まえて抱きつき攻撃だ!

「ひぃっ……」

 二階へ辿り着いた彩芽はこっちを振り向いて怯えていた。

「フッフッフ、大人しく観念しなさ……」

 階段を数段上がった所で私は動きを止めて彩芽のスカートの中を凝視していた。

「……ん?」
「白パン、グッジョブ!」
「なっ……!」

 頬を赤く染めてスカートを押さえる彩芽。

「あーあ……残念……」
「残念がるな! ばーか!」

 彩芽がそのまま二階の一番端にある部屋へと逃走する。

「ハッ!」

 早く行かなきゃ締め出されちゃう!

 階段を数段飛ばしで駆け上がり、階段の手すりを掴んでコーナリングをかましてターン。彩芽は既に中に入って玄関を閉めようとしている!

「待ってー!」

 ドアが閉まりガチャン……。鍵をかけられガチャッ……。シャッ……。

「シャッ!? 最後のシャッって何!?」

 もしかして……。

「え、ほんとにチェーンかけた!?」

 急いでリュックサックから鍵を取り出して差し込む。鍵を回してからドアノブに手を……。

「ごくり……」

 ガシャン。

 チェーンのせいで扉が五センチくらいしか開かない!

「彩芽ー、お願いだから開けてよー……」

 五センチの隙間に顔を挟んで命乞いに近い頼みをする。

「……」
「彩芽?」

 耳を隙間に突っ込み耳を澄ませてみる。水の音、シャワーだな……って、まさかの!?

「え、まさかの姉を放置でお風呂ですか!」
「ふんふふーん……♪」

 妹の楽し気な鼻歌が聞こえる。

「うぅ……一緒に入ろうと思ってたのにぃ……」

 あのスベスベの柔肌が……。

「今日はお預けなんて……」


 ――姉、崩れ落ち玄関前にて一時間待たされるのであった。
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