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第六話「彩香のバレーサークル入部問題」彩香side story
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急に覗き込まれると焦ってしまう……!
「いえ、顔が赤いままなので体調でも悪いのかなと」
「だ、大丈夫! 大丈夫だよ!」
「そんなに慌てられると余計に心配なのですが……」
「だ、大丈夫って言ってるでしょ! ほら、行こっ!」
思わず体が逃げるように走り出してしまった。
銀治君はもしかしたら天然の銀髪キラーなのかもしれない……。
「あ、彩香さん、待ってください」
う、後ろから走ってきたっ……!
「ちょっと彩香さん、なんでスピード上げるんですか」
「こ、これはその、逃走本能ってやつだよきっと!」
「ならば……」
「ん?」
「俺も全力で追いかけます」
「へ……ふぁぁあっ⁉」
銀治君が速度上げてきたぁああああ!
「いやぁー!」
「ちょっと彩香さ――」
彩芽は私に追いかけられていた時、こんな気持ちだったのかと思うと申し訳ない……。
気付いたら全力で部室の前まで逃げてた。
「はぁ……はぁ……、銀治君早いね……」
「あ、彩香さんこそ……」
全力で逃げたせいで息が……。
「先輩たち、中に……居るんですか?」
「た、多分……まだ、居ると思う……」
銀治君も珍しく汗をかいている……。
「ふぅ……んじゃ銀治君、彼氏役頼みます……」
「お任せください」
「あ、あはは……」
頭を下げて執事みたいに振る舞う銀治君に自然と愛想笑いしてしまった……。
「では」
ごくり……。
ドアノブ握る手が震える。緊張する……けど、行くしかない!
ガチャ……。
「先輩! お待たせしました!」
「あっ、彩香さんおかえりなさい!」
「柊さん、おかえりなさい」
「……」
入口から一番近いベンチで城川先輩に膝枕されて寝転んでいる百合先輩が居た。
これは気にしちゃ負け、だよね……。
「か、彼氏を連れてきました!」
「あら、早かったのね」
「こ、この人です!」
私が先に中に入ったあと、後ろからひょっこり顔を覗かせる銀治君。
「こんにちは」
「「こ、こんにちは……」」
きゅうにしおらしく振る舞う先輩たち……。
私の時の勢いどこに行ったのかなっ⁉
「お、お名前は……?」
「彩香さんとお付き合いさせて頂いております、芥川銀治と申します」
銀治君が言い終えたあと、先輩たちに一礼。
て、丁寧過ぎて逆に怪しくないかな……。なんだか両親に挨拶しに来た彼氏みたいな……って、私は何を考えているんだっ。
「ご丁寧にありがとうございます。わたくし、城川紗月と申します」
「私は早瀬百合です」
寝転んだまま顔だけこっちに向けてキリっとした表情をされても困るんだけどな……。
「芥川さん、早速ですが、貴方に質問があります」
「何でしょうか?」
城川先輩が立ち上がり銀治君の目の前に。そして、なぜか私の目の前には胸をじっと見つめてくる百合先輩が……。
「私たちは彩香さんにバレーサークルに入って欲しいの。でも、彩香さんは貴方が居るからと、バレーの道を諦めようとしているわ」
諦めようとしている訳じゃないんだけどー……先輩たちがちょっと変なのと彩芽が心配だからなんだけどなぁ……。
「つまり、彩香さんはバレーよりも俺を選んでくれたということですか?」
「ええ、そういうことになるわね」
な、なんか、とても恥ずかしい会話が始まってしまったような気が……。こんな会話聞いてられないよっ。
「あ、あの城川先輩――」
「彩香さんは黙ってて、今は芥川さんと話をしているの」
「は、はい……」
城川先輩の底知れぬ圧が怖くて怖気てしまった……。
「芥川さん、貴方は彩香さんのことを本気で好きなのかしら、今後もずっとそばに居て、大切にし続けるということなのかしら?」
なっ……! いくらなんでもその質問は――
「ええ、本気です。彩香さんが望んでくれるのなら、俺は一生、彩香さんの傍に居させて欲しい。」
なぁあああぁあああ!
銀治君も役に成りきってるのか、すごいペラペラと恥ずかしいこと言うじゃんかぁ……。
城川先輩と銀治君が見つめ合ってる……。
「……その屈託のない目つき……、どうやら本気で彩香さんのことを想っているようね……」
「分かって頂けましたか」
「ええ……その想いは信じましょう」
「なら、これで帰らせて頂き――
「いいえ、まだよ」
「ん?」
あ、城川先輩がこっち見てきた……。
「彩香さん」
「は、はいっ」
「貴方は本気で彼のことが好きなの?」
「え……」
「え、じゃなくて。こうして貴方のことが好きな芥川さんの想いをちゃんと受け止められるの?」
「え、いや、それは……」
な、なんでこんなことに……? っていうか、こんなの神父の前で誓い合うカップルみたいになっちゃうじゃないか……。
「彩香さん」
「うぅ……それは……」
う、嘘は良くないし、でも本当のこと言ったらバレちゃうし……。
と、とりあえず銀治君を彩芽と思って答えればいいかな……!
「彩香さん、どうなの?」
「せ、世界で一番好き!」
なのが妹です!
「……ッ!」
先輩が固まっちゃった。隣に居る銀治君ももしかして照れている……?
城川先輩が黙ったまま背中を向けて離れていく。
「そこまで言われたら、もう私には止められないわ……」
ベンチにゆっくり腰掛けながら微笑みかけてくれる城川先輩。
ということはつまり!
「バレーの入部はなしということで――」
「いいえ、まだダメよ!」
「えっ?」
終わるかと思いきやもう一人面倒臭そうなのが立ちふさがってきた!
「いえ、顔が赤いままなので体調でも悪いのかなと」
「だ、大丈夫! 大丈夫だよ!」
「そんなに慌てられると余計に心配なのですが……」
「だ、大丈夫って言ってるでしょ! ほら、行こっ!」
思わず体が逃げるように走り出してしまった。
銀治君はもしかしたら天然の銀髪キラーなのかもしれない……。
「あ、彩香さん、待ってください」
う、後ろから走ってきたっ……!
「ちょっと彩香さん、なんでスピード上げるんですか」
「こ、これはその、逃走本能ってやつだよきっと!」
「ならば……」
「ん?」
「俺も全力で追いかけます」
「へ……ふぁぁあっ⁉」
銀治君が速度上げてきたぁああああ!
「いやぁー!」
「ちょっと彩香さ――」
彩芽は私に追いかけられていた時、こんな気持ちだったのかと思うと申し訳ない……。
気付いたら全力で部室の前まで逃げてた。
「はぁ……はぁ……、銀治君早いね……」
「あ、彩香さんこそ……」
全力で逃げたせいで息が……。
「先輩たち、中に……居るんですか?」
「た、多分……まだ、居ると思う……」
銀治君も珍しく汗をかいている……。
「ふぅ……んじゃ銀治君、彼氏役頼みます……」
「お任せください」
「あ、あはは……」
頭を下げて執事みたいに振る舞う銀治君に自然と愛想笑いしてしまった……。
「では」
ごくり……。
ドアノブ握る手が震える。緊張する……けど、行くしかない!
ガチャ……。
「先輩! お待たせしました!」
「あっ、彩香さんおかえりなさい!」
「柊さん、おかえりなさい」
「……」
入口から一番近いベンチで城川先輩に膝枕されて寝転んでいる百合先輩が居た。
これは気にしちゃ負け、だよね……。
「か、彼氏を連れてきました!」
「あら、早かったのね」
「こ、この人です!」
私が先に中に入ったあと、後ろからひょっこり顔を覗かせる銀治君。
「こんにちは」
「「こ、こんにちは……」」
きゅうにしおらしく振る舞う先輩たち……。
私の時の勢いどこに行ったのかなっ⁉
「お、お名前は……?」
「彩香さんとお付き合いさせて頂いております、芥川銀治と申します」
銀治君が言い終えたあと、先輩たちに一礼。
て、丁寧過ぎて逆に怪しくないかな……。なんだか両親に挨拶しに来た彼氏みたいな……って、私は何を考えているんだっ。
「ご丁寧にありがとうございます。わたくし、城川紗月と申します」
「私は早瀬百合です」
寝転んだまま顔だけこっちに向けてキリっとした表情をされても困るんだけどな……。
「芥川さん、早速ですが、貴方に質問があります」
「何でしょうか?」
城川先輩が立ち上がり銀治君の目の前に。そして、なぜか私の目の前には胸をじっと見つめてくる百合先輩が……。
「私たちは彩香さんにバレーサークルに入って欲しいの。でも、彩香さんは貴方が居るからと、バレーの道を諦めようとしているわ」
諦めようとしている訳じゃないんだけどー……先輩たちがちょっと変なのと彩芽が心配だからなんだけどなぁ……。
「つまり、彩香さんはバレーよりも俺を選んでくれたということですか?」
「ええ、そういうことになるわね」
な、なんか、とても恥ずかしい会話が始まってしまったような気が……。こんな会話聞いてられないよっ。
「あ、あの城川先輩――」
「彩香さんは黙ってて、今は芥川さんと話をしているの」
「は、はい……」
城川先輩の底知れぬ圧が怖くて怖気てしまった……。
「芥川さん、貴方は彩香さんのことを本気で好きなのかしら、今後もずっとそばに居て、大切にし続けるということなのかしら?」
なっ……! いくらなんでもその質問は――
「ええ、本気です。彩香さんが望んでくれるのなら、俺は一生、彩香さんの傍に居させて欲しい。」
なぁあああぁあああ!
銀治君も役に成りきってるのか、すごいペラペラと恥ずかしいこと言うじゃんかぁ……。
城川先輩と銀治君が見つめ合ってる……。
「……その屈託のない目つき……、どうやら本気で彩香さんのことを想っているようね……」
「分かって頂けましたか」
「ええ……その想いは信じましょう」
「なら、これで帰らせて頂き――
「いいえ、まだよ」
「ん?」
あ、城川先輩がこっち見てきた……。
「彩香さん」
「は、はいっ」
「貴方は本気で彼のことが好きなの?」
「え……」
「え、じゃなくて。こうして貴方のことが好きな芥川さんの想いをちゃんと受け止められるの?」
「え、いや、それは……」
な、なんでこんなことに……? っていうか、こんなの神父の前で誓い合うカップルみたいになっちゃうじゃないか……。
「彩香さん」
「うぅ……それは……」
う、嘘は良くないし、でも本当のこと言ったらバレちゃうし……。
と、とりあえず銀治君を彩芽と思って答えればいいかな……!
「彩香さん、どうなの?」
「せ、世界で一番好き!」
なのが妹です!
「……ッ!」
先輩が固まっちゃった。隣に居る銀治君ももしかして照れている……?
城川先輩が黙ったまま背中を向けて離れていく。
「そこまで言われたら、もう私には止められないわ……」
ベンチにゆっくり腰掛けながら微笑みかけてくれる城川先輩。
ということはつまり!
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