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第一章
最期の願い⑤
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「天照ちゃん…。わたしの最期のわがままを聞いてもらうことはできますか??」
「なんじゃ、紗代。いきなり改まって。申してみよ」
天照ちゃん頷きに、わたしは最期の願いを話す。
「あのね、最期に家族にあいさつがしたいんだ。急にあんな事になって…、それで何もないまま永遠に離れ離れになるのは辛いなって…。
だからね、もう一度だけ、家族と話をして、ちゃんとお別れをしたいなって…。
ダメかな…??」
「紗代「ちゃん…」…」
いつきちゃんとみつきちゃんが、心配そうにこちらを見てくる。
「ふむ…。そうじゃな。亡くなった者が親しい者の夢枕に立つことはよくある事じゃし。
それぐらいなら問題なかろう。妾と閻魔大王で協力して、紗代の願いを叶えようぞ」
「天照ちゃん…っ!!本当に本当にありがとう…っ!!」
わたしは感謝の気持ちを込めて、深々と頭を下げた。
最期に家族にあいさつもできないまま転生してしまうのがずっと心配だった。
これで心置きなく転生できる。
「エアネストよ。紗代の転生前にそれぐらいは時間はあるな」
「ええ。それはもちろんですよ。」
エアネスト様も問題はないらしい。本当によかった。
「では紗代よ。今からそなたの家族の夢の中へ送る。思い残すことの無い様、しっかりと最期のあいさつをしてまいれ。
では、目を閉じるがよい。ゆくぞ──」
天照大御神は紗代に目を閉じさせると、ゆっくりと己の持つ扇を振り下ろした。
シャララン…シャラランッ…
清い鈴の音の様な音と共に、紗代の魂が白い輝きと共にふわりと消える。
今頃は夢の中で家族と再会しているはず。
この世に、この世界に心残りが無いよう、しっかりと最期のあいさつができる様、祈る天照大御神であった。
✶✶✶✶✶✶✶✶✶✶✶✶✶✶✶✶✶✶✶✶✶✶✶✶
白い輝きと共に、再び紗代の魂が神界に戻って来た。
「紗代、ご家族とはちゃんと最期のあいさつができたかえ?」
「…ひっく…ひっく…。はぁぁ…っ…
はい。天照ちゃん。ありがとう。閻魔大王様にも『ありがとうございます』とお伝えください」
「うむ。しかと承った」
「紗代、大丈夫か…??」
「紗代ちゃん、大丈夫??この冷えたハンカチを使って?」
家族との最期のあいさつで、泣き腫らしたわたしを心配していつきちゃんとみつきちゃんが駆け寄って来る。
最後の最後まで、いつきちゃんとみつきちゃんには心配をかけっぱなしだ。
「ふ…っ、ふんっ!!紗代は目を離すと直ぐに泣いているからな」
といつきちゃんが照れくさそうにそっぽを向いた。
「いつきってばぁ~、紗代ちゃんとしての最期のお別れなんだよ??もう…」
みつきちゃんがやれやれといった感じで言うと、
「なっ…!!紗代として、体は離れ離れになっても、心はずっと一緒だっ!!だから、俺は最期のあいさつなんてしないからなっ!!」
「いつき…。そのセリフ、わたしがさっき言ったやつ。
ハァ…でもね、紗代ちゃん。いつきの言うとおりだよ。わたし達はずっとずっと見守ってるからね。だから、笑顔でお別れ…ってもう…泣かないでよ…紗代ちゃん…わたしまで泣いちゃう……」
そう言いながら、みつきちゃんがぎゅうっと抱きしめて来た…。
「うぅぅ…っ、ごめん…みつきちゃん…。わかってる…わかってるけど…。うぇ…ひっく…」
そんなお互い泣きながら抱きしめ合う、わたしとみつきちゃんを見かねてか、いつきちゃんとが
「…ったく、しょうがねぇなぁ…っ!!」
と言いながら、わたしとみつきちゃんをまとめて抱きしめてくれた。
わたしが産まれた時からずっとずっと見守ってくれていたいつきちゃんとみつきちゃん…。
このふたりの温かさを肌で感じるのが最期になるんだと思うと、あとから後から涙が出てきて、思わず大声で泣いてしまった……
「なんじゃ、紗代。いきなり改まって。申してみよ」
天照ちゃん頷きに、わたしは最期の願いを話す。
「あのね、最期に家族にあいさつがしたいんだ。急にあんな事になって…、それで何もないまま永遠に離れ離れになるのは辛いなって…。
だからね、もう一度だけ、家族と話をして、ちゃんとお別れをしたいなって…。
ダメかな…??」
「紗代「ちゃん…」…」
いつきちゃんとみつきちゃんが、心配そうにこちらを見てくる。
「ふむ…。そうじゃな。亡くなった者が親しい者の夢枕に立つことはよくある事じゃし。
それぐらいなら問題なかろう。妾と閻魔大王で協力して、紗代の願いを叶えようぞ」
「天照ちゃん…っ!!本当に本当にありがとう…っ!!」
わたしは感謝の気持ちを込めて、深々と頭を下げた。
最期に家族にあいさつもできないまま転生してしまうのがずっと心配だった。
これで心置きなく転生できる。
「エアネストよ。紗代の転生前にそれぐらいは時間はあるな」
「ええ。それはもちろんですよ。」
エアネスト様も問題はないらしい。本当によかった。
「では紗代よ。今からそなたの家族の夢の中へ送る。思い残すことの無い様、しっかりと最期のあいさつをしてまいれ。
では、目を閉じるがよい。ゆくぞ──」
天照大御神は紗代に目を閉じさせると、ゆっくりと己の持つ扇を振り下ろした。
シャララン…シャラランッ…
清い鈴の音の様な音と共に、紗代の魂が白い輝きと共にふわりと消える。
今頃は夢の中で家族と再会しているはず。
この世に、この世界に心残りが無いよう、しっかりと最期のあいさつができる様、祈る天照大御神であった。
✶✶✶✶✶✶✶✶✶✶✶✶✶✶✶✶✶✶✶✶✶✶✶✶
白い輝きと共に、再び紗代の魂が神界に戻って来た。
「紗代、ご家族とはちゃんと最期のあいさつができたかえ?」
「…ひっく…ひっく…。はぁぁ…っ…
はい。天照ちゃん。ありがとう。閻魔大王様にも『ありがとうございます』とお伝えください」
「うむ。しかと承った」
「紗代、大丈夫か…??」
「紗代ちゃん、大丈夫??この冷えたハンカチを使って?」
家族との最期のあいさつで、泣き腫らしたわたしを心配していつきちゃんとみつきちゃんが駆け寄って来る。
最後の最後まで、いつきちゃんとみつきちゃんには心配をかけっぱなしだ。
「ふ…っ、ふんっ!!紗代は目を離すと直ぐに泣いているからな」
といつきちゃんが照れくさそうにそっぽを向いた。
「いつきってばぁ~、紗代ちゃんとしての最期のお別れなんだよ??もう…」
みつきちゃんがやれやれといった感じで言うと、
「なっ…!!紗代として、体は離れ離れになっても、心はずっと一緒だっ!!だから、俺は最期のあいさつなんてしないからなっ!!」
「いつき…。そのセリフ、わたしがさっき言ったやつ。
ハァ…でもね、紗代ちゃん。いつきの言うとおりだよ。わたし達はずっとずっと見守ってるからね。だから、笑顔でお別れ…ってもう…泣かないでよ…紗代ちゃん…わたしまで泣いちゃう……」
そう言いながら、みつきちゃんがぎゅうっと抱きしめて来た…。
「うぅぅ…っ、ごめん…みつきちゃん…。わかってる…わかってるけど…。うぇ…ひっく…」
そんなお互い泣きながら抱きしめ合う、わたしとみつきちゃんを見かねてか、いつきちゃんとが
「…ったく、しょうがねぇなぁ…っ!!」
と言いながら、わたしとみつきちゃんをまとめて抱きしめてくれた。
わたしが産まれた時からずっとずっと見守ってくれていたいつきちゃんとみつきちゃん…。
このふたりの温かさを肌で感じるのが最期になるんだと思うと、あとから後から涙が出てきて、思わず大声で泣いてしまった……
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