ちっちゃい仲間とのんびりスケッチライフ!

ミドリノミコト

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第二章 アカデミー 入学編

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 「お前ら、今日入寮してきた奴らだよな?しかも俺らの階に。」
 「見ない顔だけど、転入してきたのかい?」
 「しかも三〇一号室なんて……三年のテイマー科の中で一番成績のいい奴らが入る寮室だぞ。ただの新入りが何故だ!」

 それぞれスプーンやフォークを料理に突き刺して食べようと口を開けた時だった。気にせず、という姿勢を貫いていたため歓迎していない表情をしているのには気づいていたが、まさか怒声を浴びせられるとは思っていなかった。 流石にリッカも驚いて料理に向けていた視線を上に向けた。リッカにくっついてくつろいでいた神獣たちやタイチのそばに控えていたウルは、その敵意に警戒心をむき出しにした。その剣幕にリッカ達を囲んでいた者たちが一歩後ずさる。

 「落ち着いて、みんな。僕らは大丈夫だから。」
 『でもまま!!こいつらままに敵意向けてる!!』
 『主様とリッカ様に対して何たる無礼。これを許す訳にはいきません。』
 「うんうん、そうだね。でもね、彼らも流石に攻撃を仕掛けてはこないと思うよ?仮にも一生徒なんだから。」

 そう言ってリッカが神獣たちやウルから視線を彼らに移動させ、横目に見るとさらに彼らはうっ……とたじろいだ。躊躇うくらいならば声をかけてこなければいいのに、とリッカは思う。先ほどから黙っているタイチを見ると、口の中にオムライスを詰め込み、頬をパンパンに膨らませているところだった。

 「……ちょっと、雰囲気台無しだよ。」
 「んぐ、……す、すまん。腹が減っていたんだ。」
 「はあ……。で、あなたたちは僕たちにどうしてほしいんですか?自己紹介ですか?部屋を移動してほしい?」

 リッカはガックリと一度肩を落とすが、そのまま囲んでいた者たちへもう一度視線を向けた。タイチではないが、リッカもそれなりに空腹は覚えている。こうやって時間を削られてしまうこと自体、不快で仕方ないのである。飽くまでも怒っているという体でいた。

 「お、お前ら何なんだ!」
 「何なんだって……そんなざっくり聞かれても困ります。とりあえず自己紹介しましょうか?」
 「……お願いするよ。」
 「おい、なんでこいつらの名前なんか……!」
 「僕は別にしなくてもいいんですよ?」
 「……頼む。」

 にっこりと笑って威圧的にそう返すと、囲んでいた者たちは気まずそうにした。ちなみにタイチだが、全てリッカに任せてしまっている様子である。リッカは大きく分かりやすくため息をつくと、しっかりと彼らと目を合わせた。

 「リッカ・トウドウです。明日からアカデミーの生徒で特例の特待生コース適応で飛び級して三年からのスタートになってます。」
 「タイチ・アズマです。同じく三年からのスタートです。」
 「なっ!?特待生コース、だと……!?」

 やはり明記されていなくとも特待生コースと言うのがあるというのは認知されているらしい。囲んでいた者たちは驚いたように目を見開いて、彼らだけでぼそぼそと話し始めてしまった。こちらが時間を割いて自己紹介したのにさんざんである。リッカは小さく息をついて手元の料理に手を付け始めた。

 「ん、これおいしい。」
 「このオムライスってやつもなかなかうまいぞ。」
 「じゃあ今度食べてみる。これも味がしっかりついてておいしいよ。」
 「そうか……しかしそれだけじゃ足りないんだよな。他のと一緒に頼むか……」
 「はあ……ところでこれもうここから離れていいかな?僕ら抜きで話してるみたいだけど。」
 「いいんじゃないか?……正直面倒ごとに巻き込まれるのはごめんだ。」

 ちゅるちゅると最後の一本を口の中に含んでしまってからもう一度彼らを見やるとやはりまだ何かを話し合っているようである。わざわざ彼らに声をかけるのも嫌だし、彼らのために時間を割くのも嫌だと判断し、リッカとタイチは二人そろって空になった食器をもって立ち上がった。神獣たちもリッカの肩に乗ったり足元をうろうろしている。

 「ごちそうさまでした。」
 「ごちそうさまです、おいしかったです。」
 「ああ、お粗末様。可愛い従魔だねぇ、アンタたち新入生だろう?もう従魔がいるなんて優秀なんだねぇ。しかも飛び級!将来が楽しみだ。また来ておくれよ。何かおまけしてあげるからさ。」
 「ありがとうございます。嬉しいです。」
 「ありがとうございます。」

 リッカとタイチが食器をカウンターに返すと、人のよさそうな女性が受け取ってくれた。かなり気に入られたようで順番に頭を撫でられ、微笑まれる。リッカとタイチは感謝の言葉を告げてその場を後にした。

 「あれ!?いなくなってる!?」
 「いったいどこに行ったんだよ!」
 「まさか黙っていなくなるなんて……」

 そしてリッカ達が食堂を後にして数分、やっとのことで彼らはリッカ達がすでにいないことに気づくのであった。
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