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第三章 アカデミー別対抗戦 準備編
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しおりを挟む「そう言えばライたちもチーム戦に出るの?」
ふと、疑問を浮かべたリッカがライとミイへ尋ねる。パーティに所属しているということはもしかしたらリッカたちと同じように上位5パーティに入っているかもしれないと思ったのだ。ライもミイもアカデミーの副会長をしているティアラと一緒のパーティであるということは実力も申し分ないのであろう。そう推測できるからこその発言だった。
リッカの考えが当たっているのか、ライたちはそろって縦にうんうんと頷いてる。
「オレらもしっかり上位5パーティに入ってるからね!リッカたちとは仲間でいてライバルだよ~!」
「早々に当たらない、と思う。……でも、当たったら、負けない。」
「へぇ、同じアカデミー同士でも当たることあるんだ?」
「まあ、本選の最初の方は当たらないと思うよ~?でも、勝ち上がれば上がるほど、同じアカデミーのパーティが残っていれば当たりやすくはなるよね!基本トーナメント方式なんだもん。本選って。」
「それって個人戦も?」
「そうそう。だから、同じ人と当たらないとも限らないんだよ~。」
一度予選(選手選抜戦)で当たった相手で同じように本選へ行った者と本選の準決勝やその辺でもう一度当たることは多くはないが少なからずある。もちろん、他のアカデミーの生徒の実力も関係してくるが個人戦もチーム戦も無くはないのである。
ふうん、と一つ相槌を打ち、そう言えばとリッカはもう一度疑問をぶつける。
「そう言えばライとミイは何科に所属してるの?」
「オレらはどっちも武闘家科なんだ~!ファング家は古くから武道の教えが言い伝えられてるんだよ?だからこう見えても超近距離専門のアタッカーなんだ~。」
「ミイ、も……戦闘は苦手……でも、頑張る。」
武闘家は簡単に言うなれば超近距離で攻撃を叩きこむアタッカーの役割を担っている。剣や斧などの武器を必要とせず、両手に付けた特殊グローブで戦うのだ。かなりの技術が求められるのと同時に、身体強化の魔法含め攻撃の際にうまく魔力を乗せて攻撃することで高威力の魔力弾を直接叩き込むことになるので、攻撃後の回避能力も求められる。大体、師となる者の元につき、修行をして身に着けていく技術であるため、普通の戦闘役職よりも数自体はそういないが、いればアタッカーとしては大変優秀な働きをするのだ。
ライとミイという武闘家が二人、そして何科かは分からないが実力者であるティアラに加えて二人いる5人パーティ……これはもしも本選で当たったとすれば中々厄介なパーティかもしれない。いくらリッカ達のパーティの方が成績がいいとはいえ、パーティ同士で戦ったことなどないのだ。人数の差や、アタッカーの不在などどのように影響を及ぼすかは分からない。
「へぇ……あんまり当たりたくない感じだね。」
「なんで?オレは当たってみたいな~!」
「だって当たったら厄介そうなんだもん。」
「オレとしてはリッカが連れてる従魔もなかなか厄介だと思うけどね~。見たところ、姿は小さいけど結構強い従魔な気もするよ?リッカ達のパーティが三人でもこんなに成績がいいのって少なからずあの子たちも関係してるでしょ?」
「……長距離、中距離、近距離、従魔だけで補える……でしょ?」
「……そこは、本番まで秘密だよ。簡単に教えちゃったらノアに怒られちゃうし。」
リッカがそう返すと、ライとミイは不満そうな顔をしながらもそれ以上追及してくることはなかった。白虎たちが神獣であることがバレているかと思いきや気づいてはいないようである。おそらく、神獣とは気づいていないが本能的に白虎たちが脅威だということには気づいているのだろう。中々に、侮れない。ノアを言い訳に話を逸らすことしかできないが、やらないよりはましだとリッカは言葉にする。だが、戦っているところを見ればまた追及されるであろうことは容易に想像ができた。
面倒ごとを嫌うリッカは今ここで神獣や聖獣と契約していると知られて騒がれることをよしとしないだろう。いや、ライとミイはリッカに興味深々であるからそこまで騒がれないだろうが、それでもだ。敢えてばらすようなことはせずとも自然に伝わるときまで待つのがいい。その証拠に、と言うべきかリッカの思いを組んでか否か神獣たちもフェリも口を開かない。リッカに話しかけることで、ライとミイの能力が高ければそれは鳴き声でなく言葉として届いてしまうからだ。
「さて、そろそろ各学年の座学授業も終わるし、解散と行こうか。」
「私たちがこうして集っていては、騒ぎになりかねません。ライもミイも、そろそろ行きますよ。」
タイミングよくノアとティアラがそう言ってくれてほっとする。リッカが頷くのと同時にライとミイの二人は不満そうな声を上げたが、比較的素直に解散を了承してくれたようだった。なんだか拍子抜けしてしまうが、以前何かあったのだろう。深くは追及しないでおく。リッカとライとミイが三人で話し始めた同じくらいに、こちらを放置して同じく何か話をし始めたノアとティアラの会話の方に混ざっていたタイチへ目を受けると彼も何か得るものがあったのか、満足そうな表情を浮かべていた。
そうこうしているうちに続々と他の生徒が増え始める。若干遠目に見られているような気もして、なるほど、これは早く解散した方がいいと感じる。立ち上がってティアラの方へ向かったライとミイはまだ座っているリッカの方へ向き直り、にこにこと笑みを浮かべながら手を振った。
「じゃあ、また会いに来るね~!」
「リッカ、またね。」
「こら、いるのはリッカさんだけではないでしょう?すみません会長。タイチさんも、また。」
ティアラの言葉にノアは軽く手を振り、タイチは小さく頭を下げる。こうして、久々の再会の時間は終わりを迎えたのだった。
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