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第一話 脅迫された悪役令息は初恋に溺れる
02-7.
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……奴隷になれと言われるよりはマシだ。
以前、交際してほしいと付きまとっていた男性の言葉を思い出す。
男性の持っているものをすべて捧げるから、一生、自分だけの奴隷として過ごしてほしいと、とんでもない発言の求婚を受けたことがあった。
それに比べて、アレンの要求は大したことがない。
……そういえば、あの変態。あれ以降、見てないな。
社交界に顔を出すくらいなのだから、それなりの地位にある貴族だったはずなのだが、ディーンに対する爆弾発言以降、姿を目にしていない。
そのことを気にもしていなかった。
……父上が対処したと思っていたんだが。
視線をアレンに向ける。
ずっと見ていたと発言したことを考えると、爆弾発言をした変態男に鉄槌を下したのは、父親ではなく、アレンだったのかもしれない。
「ディーン。俺以外のことを考えていないか」
「……なんでわかるんだよ。気持ち悪いな」
「顔を見ればわかる。なにを考えていたんだ?」
アレンの言葉に対し、ディーンはため息を零した。
……別に話してもいいか。
既に解決済みの問題である。
あれ以降、ディーンはなにも被害を受けていない。
「前に変態野郎に付きまとわれていたことを思い出したんだよ。いつの間にか、見なくなったから、忘れてたんだけどな」
ディーンの言葉に対し、アレンは心当たりがあったのだろう。
「気にする必要はない」
断言した。
「二度とディーンの前に現れないからな。心配ないから、忘れてしまえ」
アレンの言葉を聞き、ディーンは静かに頷いた。
なにがあったのか、深堀はしない。
……アレンが片づけたのか。
大公家の嫡男に睨まれてしまえば、社交界から姿を消すはずだ。
それどころか、国を追い出されている可能性も高い。そもそも、生きているのかさえも怪しいところである。
「他にはないか? 結婚の条件があるのならば、すべて聞きたい」
アレンは真面目に聞いているのだろう。
……脅迫さえなければ完璧だったのにな。
以前、交際してほしいと付きまとっていた男性の言葉を思い出す。
男性の持っているものをすべて捧げるから、一生、自分だけの奴隷として過ごしてほしいと、とんでもない発言の求婚を受けたことがあった。
それに比べて、アレンの要求は大したことがない。
……そういえば、あの変態。あれ以降、見てないな。
社交界に顔を出すくらいなのだから、それなりの地位にある貴族だったはずなのだが、ディーンに対する爆弾発言以降、姿を目にしていない。
そのことを気にもしていなかった。
……父上が対処したと思っていたんだが。
視線をアレンに向ける。
ずっと見ていたと発言したことを考えると、爆弾発言をした変態男に鉄槌を下したのは、父親ではなく、アレンだったのかもしれない。
「ディーン。俺以外のことを考えていないか」
「……なんでわかるんだよ。気持ち悪いな」
「顔を見ればわかる。なにを考えていたんだ?」
アレンの言葉に対し、ディーンはため息を零した。
……別に話してもいいか。
既に解決済みの問題である。
あれ以降、ディーンはなにも被害を受けていない。
「前に変態野郎に付きまとわれていたことを思い出したんだよ。いつの間にか、見なくなったから、忘れてたんだけどな」
ディーンの言葉に対し、アレンは心当たりがあったのだろう。
「気にする必要はない」
断言した。
「二度とディーンの前に現れないからな。心配ないから、忘れてしまえ」
アレンの言葉を聞き、ディーンは静かに頷いた。
なにがあったのか、深堀はしない。
……アレンが片づけたのか。
大公家の嫡男に睨まれてしまえば、社交界から姿を消すはずだ。
それどころか、国を追い出されている可能性も高い。そもそも、生きているのかさえも怪しいところである。
「他にはないか? 結婚の条件があるのならば、すべて聞きたい」
アレンは真面目に聞いているのだろう。
……脅迫さえなければ完璧だったのにな。
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