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第一話 脅迫された悪役令息は初恋に溺れる
02-12.
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ディーンにとって、大切にしてきたものを覆されてしまいそうな予感する。
……これ以上、一緒にいるのは危険だ。
ディーンの様子を伺っているアレンから視線を逸らす。
……強いDomとは聞いていたが、これほどとは。
アレンのダイナミクス性はDomである。
それは貴族社会では有名な話だ。
大公家の子息として相応しいと言われるほどに、Domとしての力が強い。だからこそ、婚約者がいないのが不自然だと言われていたのだ。
……ダメだ。切り替えられそうになる。
ディーンはSwitchである。
しかし、非常に珍しいダイナミクス性が公になれば、様々な方面から狙われかねない為、家族以外ではディーンのダイナミクス性を知らない。
見つめられているだけだ。
コマンドを口にされたわけではない。
それなのにも関わらず、本能が屈しそうになる。
……耐えろ。俺はDomなんだから。
ウォートン侯爵家の次男として、Domでなければいけなかった。
そうでなければ、生きていけなかった。
視線を向けられているだけなのにもかかわらず、無意識にコマンドを求めそうになる自分自身を叱咤するように、ディーンは立ち上がった。
「……帰る」
ディーンは一方的に告げ、逃げるように背を向けた。
そして、迷うことなく扉がある方向に歩みを進める。
「【跪け】」
アレンが発したコマンドの意味を考える時間もなく、ディーンはその場に座り込んでしまった。
足の力が抜け、立ち上がることができない。
それどころか、床に座り込んだまま、動くことができなかった。
……ありえない。
ディーンはDomであると自分自身に言い聞かせてきた。
……嘘だ。
並大抵のDomのコマンドに逆らえるように躾けられてきた。
……ありえないのに。こんなに、興奮してるなんて!
それなのにもかかわらず、アレンの言葉に逆らえない。
まるで、その言葉を待っていたかのように本能が疼いて仕方がない。
……これ以上、一緒にいるのは危険だ。
ディーンの様子を伺っているアレンから視線を逸らす。
……強いDomとは聞いていたが、これほどとは。
アレンのダイナミクス性はDomである。
それは貴族社会では有名な話だ。
大公家の子息として相応しいと言われるほどに、Domとしての力が強い。だからこそ、婚約者がいないのが不自然だと言われていたのだ。
……ダメだ。切り替えられそうになる。
ディーンはSwitchである。
しかし、非常に珍しいダイナミクス性が公になれば、様々な方面から狙われかねない為、家族以外ではディーンのダイナミクス性を知らない。
見つめられているだけだ。
コマンドを口にされたわけではない。
それなのにも関わらず、本能が屈しそうになる。
……耐えろ。俺はDomなんだから。
ウォートン侯爵家の次男として、Domでなければいけなかった。
そうでなければ、生きていけなかった。
視線を向けられているだけなのにもかかわらず、無意識にコマンドを求めそうになる自分自身を叱咤するように、ディーンは立ち上がった。
「……帰る」
ディーンは一方的に告げ、逃げるように背を向けた。
そして、迷うことなく扉がある方向に歩みを進める。
「【跪け】」
アレンが発したコマンドの意味を考える時間もなく、ディーンはその場に座り込んでしまった。
足の力が抜け、立ち上がることができない。
それどころか、床に座り込んだまま、動くことができなかった。
……ありえない。
ディーンはDomであると自分自身に言い聞かせてきた。
……嘘だ。
並大抵のDomのコマンドに逆らえるように躾けられてきた。
……ありえないのに。こんなに、興奮してるなんて!
それなのにもかかわらず、アレンの言葉に逆らえない。
まるで、その言葉を待っていたかのように本能が疼いて仕方がない。
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