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第四話 元妓女は望みを叶える
08-5.
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……よほど皇太后の座を渡したくないようね。
可馨は麗孝の考えがわからない。
「楊宰相。お願いできますか?」
「もちろんでございます、皇太后陛下」
「それならば、私も安心できますね」
可馨は麗孝を父上と呼ばない。
皇太后になってから、宰相と呼んでいる。血の繋がりがあるのにもかかわらず、妙なやり取りをしていると噂になっていた。
……信用できる相手を護衛につけるか。
蘭玲は動かせない。
ならば、皇太后になってから護衛になった者をつければいい。
「楊武官を護衛につけなさい」
「憂炎は皇太后陛下の護衛でございます」
「一時的に貸しましょう。あの者ならば、四夫人が抵抗しても抑えられるでしょう。それから、宦官を十名ほど連れて行きなさい」
可馨は命令を下した。
それに対し、麗孝は不満そうな顔をした。
「なんですか。その顔は。私の決定に文句でもありますか?」
可馨は強気に出る。
昔から負けん気だけは強かった。
その性格を垣間見たようで麗孝は懐かしそうな顔をした。
……不気味な男。
不気味だった。
なにを考えているのか、わからない。
「いいえ。陛下。陛下の決定に間違いはございません」
麗孝はにこりと笑う。
その笑顔には裏がありそうで怖かった。
しかし、可馨には助けを求める相手はいない。唯一、助けを求められる肉親である楊家の人間が不気味でしかたがないのだ。
可馨は家族に愛されたことはなかった。
家族に愛されたいと思ったこともない。
仲の良い家族とは理想上の存在でしかなく、実在しないものだと思っていた。だからこそ、愛情を注がれなかったぶん、我が子には愛情を溢れんばかりに注いだ。それが間違った愛情表現だとは気づいていない。
可馨は家族の愛を知らない。
だからこそ、今になって家族に愛されても困るのだ。
可馨は麗孝の考えがわからない。
「楊宰相。お願いできますか?」
「もちろんでございます、皇太后陛下」
「それならば、私も安心できますね」
可馨は麗孝を父上と呼ばない。
皇太后になってから、宰相と呼んでいる。血の繋がりがあるのにもかかわらず、妙なやり取りをしていると噂になっていた。
……信用できる相手を護衛につけるか。
蘭玲は動かせない。
ならば、皇太后になってから護衛になった者をつければいい。
「楊武官を護衛につけなさい」
「憂炎は皇太后陛下の護衛でございます」
「一時的に貸しましょう。あの者ならば、四夫人が抵抗しても抑えられるでしょう。それから、宦官を十名ほど連れて行きなさい」
可馨は命令を下した。
それに対し、麗孝は不満そうな顔をした。
「なんですか。その顔は。私の決定に文句でもありますか?」
可馨は強気に出る。
昔から負けん気だけは強かった。
その性格を垣間見たようで麗孝は懐かしそうな顔をした。
……不気味な男。
不気味だった。
なにを考えているのか、わからない。
「いいえ。陛下。陛下の決定に間違いはございません」
麗孝はにこりと笑う。
その笑顔には裏がありそうで怖かった。
しかし、可馨には助けを求める相手はいない。唯一、助けを求められる肉親である楊家の人間が不気味でしかたがないのだ。
可馨は家族に愛されたことはなかった。
家族に愛されたいと思ったこともない。
仲の良い家族とは理想上の存在でしかなく、実在しないものだと思っていた。だからこそ、愛情を注がれなかったぶん、我が子には愛情を溢れんばかりに注いだ。それが間違った愛情表現だとは気づいていない。
可馨は家族の愛を知らない。
だからこそ、今になって家族に愛されても困るのだ。
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