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第1話 10歳の悪役令息、幼馴染の秘密を知る
03-1.
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* * *
セシルの婚約が決まった三日後、アリシア主催のお茶会が開かれた。
お茶会に招かれたのは、アクロイド侯爵家と所縁のある貴族の夫人たちと子どもたちばかりだ。
その中でルシアンは孤立していた。
両親は招かれず、会話の輪からも意図的に外されているのにもかかわらず、アリシアの目の前に座るように強制されていた。
セシルが助け舟を出せないように、強制的にアリシアがルシアンを連れて行ってしまったのだ。
……ルシアン。
セシルは視線をルシアンに向ける。
夫人たちの席に座らされ、居心地が悪いだろう。話している内容はわからないものの、ルシアンが会話を楽しめるような内容ではないはずだ。
「お母様の意地悪」
セシルは用意された椅子に座り、菓子を摘まむ。
招かれている子どもたちはセシルではなく、兄や姉たちと仲良くなろうと必死になっている。
セシルはそのことを気にしたことはなかった。
セシルと親しくなろうと子どもたちがしないのは、彼らの両親に言い包められているからだと知っていた。
セシルの家族は、セシルを溺愛している。
溺愛しているからこそ、自分たちが認めた者以外がセシルと仲良くするのを快く思っていなかった。
ルシアンは例外的な存在だった。
セシルがルシアンのことを気に入ってしまっていたからこそ、引き離せなかったのだ。ルシアンを遠ざけようとすれば、セシルが悲しむとわかっていたからだろう。
その結果、デズモンドが婚約の話を受け入れてしまった為、アリシアによるセシルの友人選びが今まで以上に厳しくなってしまった。
「おい。間抜け面をしてんじゃねえよ」
声をかけられた。
セシルはその声を聞き、露骨なまでに嫌そうな顔をする。
「うげぇ。最悪。なんでバカ王子が来てるんだよ」
セシルの嫌で仕方がないと言いたげな言葉が聞こえていないのだろうか。
彼、エドワードはセシルの隣に座った。
セシルの婚約が決まった三日後、アリシア主催のお茶会が開かれた。
お茶会に招かれたのは、アクロイド侯爵家と所縁のある貴族の夫人たちと子どもたちばかりだ。
その中でルシアンは孤立していた。
両親は招かれず、会話の輪からも意図的に外されているのにもかかわらず、アリシアの目の前に座るように強制されていた。
セシルが助け舟を出せないように、強制的にアリシアがルシアンを連れて行ってしまったのだ。
……ルシアン。
セシルは視線をルシアンに向ける。
夫人たちの席に座らされ、居心地が悪いだろう。話している内容はわからないものの、ルシアンが会話を楽しめるような内容ではないはずだ。
「お母様の意地悪」
セシルは用意された椅子に座り、菓子を摘まむ。
招かれている子どもたちはセシルではなく、兄や姉たちと仲良くなろうと必死になっている。
セシルはそのことを気にしたことはなかった。
セシルと親しくなろうと子どもたちがしないのは、彼らの両親に言い包められているからだと知っていた。
セシルの家族は、セシルを溺愛している。
溺愛しているからこそ、自分たちが認めた者以外がセシルと仲良くするのを快く思っていなかった。
ルシアンは例外的な存在だった。
セシルがルシアンのことを気に入ってしまっていたからこそ、引き離せなかったのだ。ルシアンを遠ざけようとすれば、セシルが悲しむとわかっていたからだろう。
その結果、デズモンドが婚約の話を受け入れてしまった為、アリシアによるセシルの友人選びが今まで以上に厳しくなってしまった。
「おい。間抜け面をしてんじゃねえよ」
声をかけられた。
セシルはその声を聞き、露骨なまでに嫌そうな顔をする。
「うげぇ。最悪。なんでバカ王子が来てるんだよ」
セシルの嫌で仕方がないと言いたげな言葉が聞こえていないのだろうか。
彼、エドワードはセシルの隣に座った。
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