あやかし喫茶の縁結び

佐倉海斗

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第二話 【あやかし喫茶】は縁を結ぶ

01-15.

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「我が家とたいした変わりはないですね。婆さん、これが最新型のテレビですか? 最近、伊織さんが買って帰ってきましたよ」

 若葉はリビングで真っ先にテレビに近づく。

 それに対し、美香子は慣れたように椅子に座った。

「最新型じゃあないねえ」

「そうなんですか。つまらないですね」

「伊織は新しく買ったのかい?」

 美香子の問いかけに対し、若葉は振り返った。

 それから、困った弟の手を焼いているのだといわんばかりの顔をした。

「そうですよ。新しいもの好きには困ったものです」

 若葉は迷惑をしているわけではない。

 しかし、和洋折衷どころかいろいろな時代のもので溢れかえっている部屋は落ち着きがない。伊織の服装にも何度も文句を言ったこともある。

 ……服装だけでもどうにかなりませんかね。

 もしかしたら、美香子の言葉ならば聞くかもしれない。

 若葉はその可能性に賭けることにした。

「これが伊織さんから預かってきた制服と、二人の安全を保障する為の鬼頭自警団の名刺です。名刺は絶対に無くさないように首から下げてきてくださいね」

 若葉は風呂敷を開け、美香子と優斗にそれぞれ渡す。

「名札入れをわざわざ鈴が手作りしたのですよ。だから、絶対に無くさないでくださいよ。無くしたら、迷子になった時に探せなくなりますからね」

「あの小さい子の手作りかい。器用なものだねぇ」

「小さくても若葉の何倍も生きてますよ。鈴は伊織さんと一緒に居た座敷童ですから」

 若葉は言いながら、美香子のことを考える。

 鈴が美香子を招いたのは、美香子が伊織の姉と知っていたからだ。家を没落させてしまう恐怖を知ってしまった鈴は、座敷童でありながも、家には憑かず、人に憑く。その為、座敷童としての力を半分以上も手放すことになってしまった。

 それでも、伊織の傍にいた。

 伊織は鈴を邪険にしなかった。兄妹のように接しているのは、鈴のことを信用しているからだろう。

 そんな鈴が美香子と優斗を招いた。

 それがどれほどに大きな出来事なのか、二人はわかっていない。

「今まで一度も鈴の姿を視たことがなかったんですか?」

 若葉は不思議でしかたがなかった。伊織の姉ならば、見鬼の才に恵まれていても、霊感に優れていても、おかしくはない。
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