BLゲームの展開を無視した結果、悪役令息は主人公に溺愛される。

佐倉海斗

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02-5.

「そうですか」

 レイドはセドリックの言葉に疑問を抱かなかった。

「部屋は俺と同室になってますが、嫌なら言ってくださいね。すぐに移動しますから」

「レイドと同じ部屋が良いの! レイドは嫌?」

「嫌ではないですよ」

 レイドは子どもに接するように優しく答える。

 身長差がそれほどにあるわけではないのだが、セドリックの方が幼く見える。

 ……夫婦とはそういうものだと聞かされたのもあるし。

 寝室が共用なのは一般的だ。それぞれの私室があるのも一般的なのだが、別邸には私室はなく、大広間のような大きさの部屋に一つに収められていた。

 私室とは別に執務室は用意されていた為、今後、アクロイド侯爵家の仕事の一部がレイドの元に向かってくることだろう。

「じゃあ、好き?」

 セドリックは試すような言葉を口にする。

 子どものような純粋な目をして、計算高く生きている。それを目の当たりにしたような顔をするレイドに対し、セドリックは驚きもしなかった。

 ……嫌いではない。

 心の中で言い訳をする、

 しかし、それはセドリックが求めている答えではないだろう。

 ……嘘を吐くか?

 嘘を吐いて好きと答えても互いに空しいだけだ。

「わかりません」

 レイドは素直に答えることにした。

「好感は抱いています。しかし、それが恋愛感情なのか、まだわからないのです」

 レイドは補足するように本音を口にする。

 それに対し、セドリックは満足したように微笑んで見せた。

「大丈夫だよ」

 セドリックはすべてを包み込むような笑顔で答える。

「僕のことを好きでしかたがないようにさせてあげるから」

「自信がありますね」

「もちろん! だって、僕はレイドのことをずっと見て来たからね」

 セドリックはレイドが好きだ。好きでしかたがない。

 それを全身で訴えるように自信満々に話をした。

「レイド、大好きだよ」

 セドリックはそう言いながら、レイドの頬に軽いキスをする。

 触れるだけの優しいキスをされたレイドの顔は真っ赤に染まる。
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