上 下
19 / 33
日常

(チアガールっぽい)サンタさんがやってきた! その3

しおりを挟む
 はづきは細い顎に手を当てなにやら思案している。

「落としちゃったね。どうしよう、お仕置き、考えてなかった」

 らっきー!
 ほっとして、疲れ切った脚をすりあわせた。うう……、あそこがぬるぬるして気持ち悪い。太ももまで滴ってるし。それに……はづきにさっき指摘されたとおり、そこが切なく疼いてる。
 考えることに集中しちゃってるはづきに触ってほしくて、彼女の胸をくすぐってみたら、くすりと微笑まれた。キスをくれる。ねっとり口内粘膜を舐めあげる、甘くて甘くて優しいキス。そうしながらも、布団に寝転がるように誘導され、私はそこにころんと仰向けになった。

「脚、開いて」
「うん……」

 お仕置き、思いついたのかな。気持ちいいことだったら、嫌じゃないけど……でも、恥ずかしすぎるのはちょっと困るなあ。
 どきどき、胸が高鳴る。

「あっ……ああー……」

 細くて長い指がつぷぷとそこに入ってきて、ため息が出てしまった。じんわり熱くてもどかしい快感が、そこからおへそに向かって上がっていく。はづきは様子を見るように中指をゆっくり抽送しながら、軽く関節を曲げたり、なかの壁をぐいと押したりする。そのたび、じんわりした官能に私は吐息をもらした。じれったい。昨日からずっと我慢してた欲が、早く解放してとお腹の内側をきゅうきゅう引っかく。

「は、づきぃ……、ね……もっとはやく……指、もっと挿れて、おねが、い」
「ほんと、かいなってえっちだよね。さらっとそういうこと言っちゃうんだもの」
「あっ……や、やだ抜かないでよぉ」

 はづきは苦笑を一つ残し、てらてら濡れている指を舐めて、すっと立ち上がる。

「ごめんね、わたしの指じゃ物足りないでしょう。だから、かいなには太いのあげる」

 クローゼットを少しがさごそしたはづきが、振り返った時手にしてたのは、ピンク色のいわゆるバイブだった。未開封。二股型。

「げ」
「げ、じゃないよね、かいな。これどうしたの? しかも三本もあったよ。もしかしてひとりで遊ぶため?」
「ち、ちがうちがう! 三本買ったのは一万円で送料無料になるからで、太さとか全部ちがうの。ひとりでっていうよりむしろその、はづきに使っちゃおう、って、あはは」
「あはは、おもしろーい」

 ちっとも笑ってなーい!!
 あわよくばはづきのあそこをもっと開発しちゃおうとか考えて、すけべ心百パーセントでポチったんだけどこの展開は思い付かなかった!
 私は御開帳してた脚を閉じ、布団の端っこに寄った。だってはづきが、パッケージむしりとったそれを、うぃんうぃん鳴らしながら真顔で近づいてくるんだもの。

「人に片付けを手伝ってというなら、こういうものはもっと奥深くに隠しておいたほうがいいんじゃないかなあ。見つけてびっくりしちゃった。それとも見つけてほしかった? わたしにこうして、おもちゃで犯してほしかったの?」
「ち、ちがう、その、そういうつもりじゃなく……て」

 膝を掴まれて、脚を開かされた。緊張で喉が鳴る。はづきが剣呑な目で、私のことを見下ろし、シリコン製のそれを私のひくつくあそこに押してた。ひんやり

「あぅ……あ、あ、待って、わ、私もおもちゃは、未経験でっ、……ちょっと、こわっ、ああっ」

 言い終わるのを待ってもくれず、はづきがバイブを挿入してきた。異物感と緊張で、気持ちよさより怖さが先立つ。

「ほら、簡単に先っぽ入っちゃった。ねえ、どう? やっぱり指より太い方が、気持ちいい?」
「んくぅう……! つ、つめたい、よ、これぇ……!」
「そのうち温かくなるからね。ほら、ずぶずぶ入っちゃう。初めてなのに、かいなのここは大丈夫そう。よかった。ね、おいしい……? よく見て、飲み込んでいくとこ」
「あっ! ま、ってぇ! あっ!? ああ!」
 
 ゆっくりだけど止まることなく、ピンクのそれはずっぽり私の中へ入ってしまった。膣内になにか入ってるのが感じられる。冷たさは徐々に馴染んできたが、男性器ともはづきの指とも違う変な動きが、慣れない。
 なんとか抜いてほしくてもがいても、はづきは奥まで押し込んだそれを引き抜いてくれそうにない。布団の上で、脚をつっぱらせ違和感に耐える。 

「や、やだぁ、……これっ、いやぁ、はづ、きぃやめてよぉっ」
「やめないよ、お仕置きだものね。そんなに力まないで、押されて出てきちゃうから。リラックスして。そのためのものなんだからちゃーんと気持ちよくなれる、大丈夫。ところでこのスライド、なに?」
「あ! ぁああんっ! やあぁあっ!!」

 振動が強くなり、クリに当たってる二股の部分がびりびりした。
 なにこれ?! なにこれっ……!
 頭が白くなりかけて、直前で引き戻される。
 はづきがバイブを引き抜いたのだ。

「ああ……なるほど、振動の強弱がつけられるの。かいなはどっちが好き? 強いのと弱いの」
「や、や、やだっ! どっちも!」

 刺激が強烈すぎて怖い。あんなのでがしがしやられたら、おかしくなる……!
 這って逃げようとして失敗した。右足首を掴まれ高々あげられてしまった。さっきのY字のときみたいにぐいっと。悲しいかな、さっきのポージングで疲弊した脚では暴れて逃げ出す余力もない。……あっても、はづきが怪我しちゃうかもと思ったら、どうせろくな抵抗できやしなかっただろう。

「ひっ、や、やめ……」
「挿れるね」

 あっさりねじ込まれた。しかもさっきより容赦ない!
 おびえる私におかまいなしに、優しい笑顔のはづきがそれの電源をいれる。鬼。

 眼の前が真っ白になる。悲鳴みたいな声が抑えられない。ずんとお腹が重くなって、その瞬間に全身でぱちぱち火花が弾けるような。
 あっさりイッてしまった。

「んあぁぁっ! は、ぁあづきぃっ! やめっ、やめてっ、むりむりむりむりぃいい」
「かいな、イッちゃったの? まだ三十秒もかかってないのに。だめだよお仕置きだもの、もう少し粘って。さぁ、あと何回イケるかなあ」
「あうっ、あっ、ああっ! やだあぁ」

 気持ちいい通り越して辛い。掴まれた足が、奥にそれをぶつけられるたびにびくんびくんと勝手に跳ねる。電気流されたかえるみたいに。背骨にそってびりびりくる強烈な刺激で、ひたすら辛い。

「うぅう、うあっ、あぁあんっ」
「イッたのわかるね。ぎゅうって締まるから、押し出されちゃうの。どうされるのが気持ちいい? こんなふうにぐーって押し込まれるのが好き? それとも、こう? 抜き差しされた方が気持ちいいかな。8の字でも書いてみる? ねえ、どうかな、かいな。わたしに使いたかったんでしょう。ちゃんと気持ちいい方法確認してから教えてね」

 シーツにしがみついてる私の顔を覗き込むように、前のめりになってはづきが微笑む。ユニフォームからむき出しになっている白い肩に、ポニーテールが落ちていて、彼女が腕を動かすたびにゆらゆら揺れた。その輪郭がゆがむ。
 
「ぁあっ! や、も、もう、ゆるひてっえっえっ……あぁあ!」
「いいよ。許してあげる。ひとつ答えてくれたら」
「こ、こたえる! こたえる、か、らあっ!」
「かいなって男の人に挿れられたときもこんなふうに……イキまくっちゃうの?」

 お、お、男のちんこがこんなにぶるぶるしてたまるかあ! 
 そんな気持ちを込め、全力で首を横に振る。

「ないっ! から! あっんんっ、ないないないっ! そんなテクニシャンと付き合ったこともないぃいっ」
「そう」

 拷問が終わった。足も放してもらえて、私はがくりと布団に大の字になる。……それでも抜いてくれないんかい、と恨みがましく、自分の上に覆いかぶさってくるはづきを見上げた。
 顔を近づけたはづきが、私の目元をぺろっと舐める。つづいて口元。ああ、もしかすると涙も出てたかもしれない。よだれ垂れてるのはなんとなく気付いてたけど。 

「んっ?! あ、……や、……やめて……あん」

 肩で息をし、なんとか呼吸を落ち着けようと思っていたのに。ずん、と奥までまたおもちゃを差し込まれ、恐怖で私は身を強張らせた。間近にあるはづきの顔を見つめる。視線で訴えるため。お願い、これ以上は本当に無理。昨日調子こいていじめてごめん、連続でイッちゃうなんてかわいいとか語尾にハートマーク付けて喜んでたけど、される側のダメージでかいね、ほんと申し訳ない、今後は合意の上で挑みます……。

「ふぁ……ぁあ」

 しかし、はづきはさっきのように電源をいれず、ゆっくりゆっくり、そのシリコン製の棒を抽送するだけだった。
 強烈過ぎた刺激のあと、なだめるような優しい性感に、ほっとしてしまう。私の顔の横に突かれているはづきの手、それに軽く触れたら、指を組み合わせてぎゅっと握り直してくれた。キスもくれる。ちゅ、と音をたてるだけの、表皮を触れ合わせたキスを。もっと深いの、ちょうだい……。

「かいな、気持ちいい? ゆっくりされるのは」
「……うん、……きもち、い」

 ため息が出ちゃうくらい気持ちいい。

「……はづき?」

 はづきが黙って、じっと私のことを見つめてくる。なにか、考えてる? 深刻そうな顔で、私は少し正気に戻った。
しおりを挟む
1 / 5

この作品を読んでいる人はこんな作品も読んでいます!

妹に婚約者を奪われたけど、婚約者の兄に拾われて幸せになる

恋愛 / 完結 24h.ポイント:702pt お気に入り:342

【R18】君に触れる、全てのものから

BL / 連載中 24h.ポイント:639pt お気に入り:94

危険な森で目指せ快適異世界生活!

ファンタジー / 連載中 24h.ポイント:9,508pt お気に入り:4,133

貴方の子どもじゃありません

恋愛 / 連載中 24h.ポイント:27,700pt お気に入り:3,885

【R18】ユートピア

恋愛 / 完結 24h.ポイント:7pt お気に入り:40

悪役公爵令嬢のご事情

恋愛 / 完結 24h.ポイント:35pt お気に入り:854

妹にあげるわ。

恋愛 / 連載中 24h.ポイント:135,411pt お気に入り:4,519

処理中です...