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1章
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◆第7話 「話題のラテプレートと、冷たい視線」
「ミレイアちゃん! うちの甥っ子、昨日ラテプレート食べたんだけどね、
『ラテのおにぎりが食べたい~!』って朝から泣いててさあ!」
「わ、わっ、う、嬉しいですけど、それは困りますね……!」
朝の買い出し中、近所のお母さんに声をかけられて、私はちょっと照れ笑い。
でも内心は――とても、とても嬉しい。
あの日作ったラテプレートが、子どもたちにとって“笑顔になれる一皿”になってるなんて。
「本当に助かるわ。食が細かったのに、あれだけは完食してくれて。あ、今日はテイクアウトってできます?」
「はいっ、包みますね!」
ラテは荷車の横で堂々と座り、すっかり看板魔獣の風格。
なんだか少し誇らしげに見えるその背中が、いつもより頼もしく見えた。
* * *
「……あの女の食堂が?」
「はい。“モフのしっぽ亭”という店名で、最近は“ラテプレート”という料理が町の子どもたちの間で人気に」
書類を手に報告したのは、王都の役人服を着た部下。
薄い金髪を整え、完璧な笑みを浮かべた男は、その紙に目を落とした。
「なるほど。あれほどの過疎地で、人を集める料理屋など聞いたことがない。……怪しいな」
名はカリス。
王都の中央情報局に身を置き、表では“清廉な青年士官”として知られる人物。
だがその裏では――魔族と人間の接触を強硬に排除する、“人間至上主義”の顔を持っていた。
「魔獣を飼っている、というのも問題です。しかも、正体不明。調べれば……魔族との関係が見つかるかもしれませんね」
彼は静かに笑う。
「民の支持を得て、信用を集めて……それで何を企んでいる? この女――“ミレイア”」
窓の外、遠く広がる森の方向へ、冷たい視線が向けられた。
「ミレイアちゃん! うちの甥っ子、昨日ラテプレート食べたんだけどね、
『ラテのおにぎりが食べたい~!』って朝から泣いててさあ!」
「わ、わっ、う、嬉しいですけど、それは困りますね……!」
朝の買い出し中、近所のお母さんに声をかけられて、私はちょっと照れ笑い。
でも内心は――とても、とても嬉しい。
あの日作ったラテプレートが、子どもたちにとって“笑顔になれる一皿”になってるなんて。
「本当に助かるわ。食が細かったのに、あれだけは完食してくれて。あ、今日はテイクアウトってできます?」
「はいっ、包みますね!」
ラテは荷車の横で堂々と座り、すっかり看板魔獣の風格。
なんだか少し誇らしげに見えるその背中が、いつもより頼もしく見えた。
* * *
「……あの女の食堂が?」
「はい。“モフのしっぽ亭”という店名で、最近は“ラテプレート”という料理が町の子どもたちの間で人気に」
書類を手に報告したのは、王都の役人服を着た部下。
薄い金髪を整え、完璧な笑みを浮かべた男は、その紙に目を落とした。
「なるほど。あれほどの過疎地で、人を集める料理屋など聞いたことがない。……怪しいな」
名はカリス。
王都の中央情報局に身を置き、表では“清廉な青年士官”として知られる人物。
だがその裏では――魔族と人間の接触を強硬に排除する、“人間至上主義”の顔を持っていた。
「魔獣を飼っている、というのも問題です。しかも、正体不明。調べれば……魔族との関係が見つかるかもしれませんね」
彼は静かに笑う。
「民の支持を得て、信用を集めて……それで何を企んでいる? この女――“ミレイア”」
窓の外、遠く広がる森の方向へ、冷たい視線が向けられた。
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