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5 シャーロッテの作戦
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シャーロッテの寄越した書類に目を通す。
~アリシア様救出作戦~
①シャーロッテがアランと仲良くなる
②アランがアリシアと婚約破棄
③シャーロッテがアランを裏切る
④アリシアHAPPY!
ご丁寧に可愛らしい絵まで描かれている。
「アリシア様が幸せになるなら、嫌われてもいいと思ってたんです。けど、実際アリシア様に嫌われたらって考えたら、怖くって。無理やり連れてきてしまいました。ごめんなさい」
シャーロッテが頭を下げる。
嘘をついているようには見えない。
少し、考えてみる。
アランの性格などから考えてみると、この作戦はアリかもしれない。
うまくいったら婚約破棄もできるし、アランにお灸を据えることができる。
「シャーロッテ、これはありかもしれないわね」
「え?」
シャーロッテが顔を上げた。
この計画はとても魅力的なものだけれど、一つ気になることがある。
「アランとは楽しそうに話していたけれど、大丈夫なの?それに、割に合わないわ」
「いえ、私はアラン王子に微塵も好意を持っていません。アリシア様の幸せを願ってます」
キッパリと断言する彼女に目を白黒させる。
「それに、アラン王子は決して、私のことが好きということではないんです。アラン王子は威張れて、自慢話を延々と聞いてくれる女性なら、誰でもいいんです」
言い切ってから、シャーロッテは慌てたようにこう言った。
「ごめんなさい。アリシア様の婚約者を悪く言ってしまって」
「いいのよ。私、いつも同じようなことを思っていたから」
アランは他人を下げて、自分を上げたがるタイプだ。
そんなアランに飽き飽きしていたし、社交場での失言の尻拭いはもうごめんだ。
考えてみると、笑いが込み上げてきた。
「婚約破棄の瞬間を楽しみにしているわ」
「ま、任せてください!」
シャーロッテは緊張した面持ちで答えた。
「それじゃあ、そろそろ出ようかしら。いいかしら?シャーロッテ嬢」
「あ、あの。私の愛称、ロッテと言うんです。是非ロッテと呼んで欲しいです」
愛称はよっぽど親しい仲ではないと使わない。
大人しめに見えて、かなりグイグイくるタイプだ。
「じゃあ、ロッテって呼ぶわね」
「はい!ありがとうございます。アリシア様!」
シャーロッテは弾けるような笑顔を見せた。
それから、シャーロッテは私についてくるようになった。
「アリシア様!受ける授業、同じにしたんです」
「アリシア様は今日もお美しいですね。見惚れてしまいます!」
「アリシア様、この薔薇、アリシアっていうんです。アリシア様の髪にぴったりですね」
こちらが恥ずかしくなるようなことを平気でいうシャーロッテ。
周りからは、異様なものを見るような目で見られる。
悪役令嬢アリシアに人気者のシャーロッテが付きまとう。
誰が見ても異様な光景だと思う。
そんなある日、作戦会議をするため、私の家に一緒に行くこととなった。
書庫で一緒に本を読んでいたので、もう夕暮れ時だ。
「えへへ、アリシア様と一緒に帰れてとても嬉しいです」
嬉しそうにはにかむシャーロッテ。
なんでこの娘はこんなにも私のことを慕ってくれているのだろうか。
果たして、ハンカチを渡しただけでこんなにも慕ってくれるものだろうか。
そんなことを考えている時だった。
私たちの目の前に様子のおかしい小太りの男が現れた。
「しゃ、シャーロッテえ。なんで無視するのお。ボク、こんなに愛してるのに」
思わず、シャーロッテを見る。
彼女は顔を真っ青にし、尋常じゃないほど怯えていた。
~アリシア様救出作戦~
①シャーロッテがアランと仲良くなる
②アランがアリシアと婚約破棄
③シャーロッテがアランを裏切る
④アリシアHAPPY!
ご丁寧に可愛らしい絵まで描かれている。
「アリシア様が幸せになるなら、嫌われてもいいと思ってたんです。けど、実際アリシア様に嫌われたらって考えたら、怖くって。無理やり連れてきてしまいました。ごめんなさい」
シャーロッテが頭を下げる。
嘘をついているようには見えない。
少し、考えてみる。
アランの性格などから考えてみると、この作戦はアリかもしれない。
うまくいったら婚約破棄もできるし、アランにお灸を据えることができる。
「シャーロッテ、これはありかもしれないわね」
「え?」
シャーロッテが顔を上げた。
この計画はとても魅力的なものだけれど、一つ気になることがある。
「アランとは楽しそうに話していたけれど、大丈夫なの?それに、割に合わないわ」
「いえ、私はアラン王子に微塵も好意を持っていません。アリシア様の幸せを願ってます」
キッパリと断言する彼女に目を白黒させる。
「それに、アラン王子は決して、私のことが好きということではないんです。アラン王子は威張れて、自慢話を延々と聞いてくれる女性なら、誰でもいいんです」
言い切ってから、シャーロッテは慌てたようにこう言った。
「ごめんなさい。アリシア様の婚約者を悪く言ってしまって」
「いいのよ。私、いつも同じようなことを思っていたから」
アランは他人を下げて、自分を上げたがるタイプだ。
そんなアランに飽き飽きしていたし、社交場での失言の尻拭いはもうごめんだ。
考えてみると、笑いが込み上げてきた。
「婚約破棄の瞬間を楽しみにしているわ」
「ま、任せてください!」
シャーロッテは緊張した面持ちで答えた。
「それじゃあ、そろそろ出ようかしら。いいかしら?シャーロッテ嬢」
「あ、あの。私の愛称、ロッテと言うんです。是非ロッテと呼んで欲しいです」
愛称はよっぽど親しい仲ではないと使わない。
大人しめに見えて、かなりグイグイくるタイプだ。
「じゃあ、ロッテって呼ぶわね」
「はい!ありがとうございます。アリシア様!」
シャーロッテは弾けるような笑顔を見せた。
それから、シャーロッテは私についてくるようになった。
「アリシア様!受ける授業、同じにしたんです」
「アリシア様は今日もお美しいですね。見惚れてしまいます!」
「アリシア様、この薔薇、アリシアっていうんです。アリシア様の髪にぴったりですね」
こちらが恥ずかしくなるようなことを平気でいうシャーロッテ。
周りからは、異様なものを見るような目で見られる。
悪役令嬢アリシアに人気者のシャーロッテが付きまとう。
誰が見ても異様な光景だと思う。
そんなある日、作戦会議をするため、私の家に一緒に行くこととなった。
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「えへへ、アリシア様と一緒に帰れてとても嬉しいです」
嬉しそうにはにかむシャーロッテ。
なんでこの娘はこんなにも私のことを慕ってくれているのだろうか。
果たして、ハンカチを渡しただけでこんなにも慕ってくれるものだろうか。
そんなことを考えている時だった。
私たちの目の前に様子のおかしい小太りの男が現れた。
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思わず、シャーロッテを見る。
彼女は顔を真っ青にし、尋常じゃないほど怯えていた。
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