灰燼の少年

櫻庭雪夏

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本編【シャーロット】

昇進祝いパーティー5 シャーロット

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 アリスとパトリックの順番が回ってきた。
 長すぎるほど長いまつ毛と端正な顔立ちにアリスは舌を巻いた。
 「やあ、シャーロット。昇進おめでとう」
 「少佐」
 「パトリックでいいって」
 「ありがとうございます」
 「こちら、カレンのの妹のアリスさん」
 「え?! カレンが彼氏って」
 「今日はその彼氏も来てるんだよ。ロイっていうね」
 「そうなんですか?」
 パトリックは頷く。
 「よろしくお願いします、シャーロット少佐」
 「初めまして、アリスさん」
 「そっちの彼が、補佐役?」
 「ミーシャ・ノルマンです。初めまして」
 シャーロットの側で控えていたミーシャが挨拶した。
 「実は彼、カレンとゲームをしていた人なんですよ」
 「へえ~? そうなの? カレンから聞いたよ。百人に住所を聞くゲームをやってたって」
 「それを主催したのはロイのことだ」とはアリスは言わないでおいた。
 「それで、カレンとそのロイさんの二人は?」
 シャーロットが訊ねる。
 「さあ? どこだろうねえ~? ねえ? アリスさん」
 パトリックはほくそ笑む。
 アリスは鎌をかけた。
 「そうですね。私もわかりません。二人でいちゃついてるんじゃないですか?」
 案の定、パトリックの口角がわずかに動いた(ような気がした)。
 やはり彼は、二人のに思うところがあるようだ、とアリスは確認できた。
 「いちゃついてる、って……」
 シャーロットは目を泳がせる。
 「大丈夫だよ。きっとすぐ見つかるよ」
 ミーシャが励ますように言った。
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