灰燼の少年
戦争で母と生き別れ、人体実験で「死ねない」身体に改造された少年は、たった一人、死ぬ方法を探すため,そして母を探すためにスパイになった。復讐に燃える少女、諜報機関のエリート老紳士、裏社会出身の青年、ビビリな使用人の青年と『家族』に擬態したチームを組み、世界最強の帝国に潜伏している。
大国の覇権争いが発端となった大戦が終結して4年後の1900年。
戦争で全てを失った少年ロイは、名前も経歴も話す言葉も変え、「幼少期から敵国に潜入させる」、「ゆりかご作戦」という作戦の一員としてスパイとして働く傍ら、自身が死ぬための方法を探す無気力な生活を送っていた。友情も恋愛も、将来の夢すらも、己の幸せ全てを引き換えにして。
全ては、自分が死ぬ方法を探すため、そしてどこかで生きているかもしれない最愛の母親を見つけために。
語学の天才で能力は高いが、人が嫌いで無関心。
それでも、彼の仕事は人間関係と切り離すことができない。情報収集に、金持ちの子女との友達づきあい、作戦を有利に進めるための協力者探し…。
「名門校の生徒」という身分を隠れ蓑に、優秀だが高慢で目立ちたがり屋な『妹』のアリスを相棒にして、二人の直属の上司である『父』エドワードの指揮の元、本国の要求に応える日々を送っている。
失踪したロイの『人形』こと協力者を辿っていくと、国を牛耳る拷問師一族の女性カレンに辿り着いた。それを機に、自身の体について解明するため、オルニア帝国の人体実験の情報を握っているであろう拷問師一族に入り込んでいくと同時に、カレンを協力者として仕立て上げていく。一方で、カレンは一族の当主になるためにロイと手を組む。
スパイと協力者。相容れぬ関係の二人は、絵を通して交流を始めていく。ロイが絵を描き、カレンが色を塗る。
だがそれは、忌むべき過去の記憶と隠された禁断の真実に向き合うためのきっかけにすぎなかった。
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