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しおりを挟む深い口づけを交わした。
「ぅ、ん」
思わず漏れてしまう声が恥ずかしい。
濡れそぼっていく私の中心を、彼の指が追いかける。
そのままそっと身体を持ち上げられて、また降ろされる。
ぐん、とお腹の中に圧迫を感じて彼のものが入ってきたのだと知る。
温泉でほぐされた私の身体は驚くほど簡単にそれを受け入れていたのだった。
遅れてやってきた快感に私は目を見開く。
「っや、」
開いた口を雪五朗が荒々しく塞いでくる。
舌と舌が絡まって、熱と熱が帯び合って、私は終ぞ思考を放棄した。
ただ本能の赴くまま、その熱に浮かされていると、いつの間にか雪五朗が私を持ち上げて立ち上がっていた。
ざぱん、と水の音がして私たちを隠してくれていた白いお湯が遠のく。
次いで、重力を覚えた身体にさらに深く雪五朗が刺さり、私は彼に抱き着いた。
「あ、っなんで」
背後から注がれる夕日に照らされて、一つになっている私たちの影が温泉の上に堕ちている。
あられもない私たちの行為が夕焼けの中に浮かんでいた。
無意識にきゅうと彼のものを強く締め付ける。
「はっ。おねだりか?」
漆黒の瞳が意地悪な光を宿す。
かぁぁと頬を染めて必死に言い訳を探した。
「ち、ちがっ!」
だが、私の返事などお構いなしに、彼は私と繋がったまま室内へと戻る。
歩く度、彼の一物が私の中を貫くので、私はその度に声を上げてしまう。
振り落とされてしまわないように、彼にしがみついているので口を手で押さえることも出来なかったのだ。
そのまま脱衣所で私たちは何度も繋がった。
この行為を間違っても愛だなんて思わないようにしよう。
快楽に支配される意識の中で、朧気にも私はそう誓った。
彼の熱くて硬いそれが私の中を堪能して、私も果てる。
びくりと身体が震えて、意識はまた暗転していた。
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