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第88話 魔国へ③
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私達は、オーシマさんの集落で一夜を明かし、ヤーバン大陸の大まかな情報を手に入れて、大陸へ向かう事になった。
スパローを取り出し、全員で乗り込むと大空高く舞い上がり、さらに東へと進む。
「ねぇ、アスカちゃん? 結局魔族の存在って何なの?」
「カトリーヌさん? 魔族って言う呼び方が正しいのかどうかは別として、同じ人である事は間違いなさそうですね。ただ違う部分は、幼いころから魔力トレーニングを行う事が、普通に行われているために、魔法を使えない人が存在しないって事ですね」
「あれ? アスカちゃんの言い方だと私達の大陸でも幼い頃から、ちゃんとトレーニングを積めば、誰でも魔法は使えるって言う事なの?」
「はい。そうですよ?」
「えっ? えええ! それって、凄い事だよね?」
「うん。実際6歳未満でスパリゾートに送られて来た子達は、全員普通に魔法を使ってますよ?」
「そうなの?」
「ええ。得意属性の問題はありますけど、それも魔法陣を用意して魔力を流す方式だと、関係なしに使えます。得意属性の方が威力は大きくなるのは間違いないんですけどね」
「アスカちゃんはどうしてそんな事知ってるの?」
「偶然って言うか、魔法を使える人が、魔力使い過ぎて空になっちゃうと、倒れちゃうじゃ無いですか?」
「そうね」
「だったら、魔力が無ければみんな倒れちゃうんじゃないの? って思って、魔力を貯め込む場所が体のどこかにある筈って思いついたんです」
「へーなる程ねぇ。お勉強になったわ! ありがとう」
そう言いながら感謝の気持ちを示すのに、抱き着いてほっぺたにチューをしてくるのは、マジ勘弁だよ。
怖いから!
それから2時間程で、広大な大陸が見えて来た。
もっと高度を上げて、全体像を記した方がいいかな? とか思ったけど、それはまた今度でいいかな?
一回辿り着いちゃった以上は、私は今後は転移で移動できるしね。
東の海岸線に、大きな街が集中している感じがするなぁ。
などと思いながら、上空から様子を眺める。
すると、シルバが「アォン」と言って巨大化すると同時に、スパローの自動結界装置が反応して、魔法攻撃を防いだ。
「ヤバッ。思いっきり敵と思われて攻撃されちゃったね。どうしよう?」
「攻撃されたんだから、殲滅で良いんじゃね?」
「フリルちゃん? 戦争しに来たわけじゃ無いんですからね? あくまでも国交の樹立と、魔法陣魔法の調査だから……」
「そうだったの?」
「フリル……」
「陛下、まだ見ぬ大陸、まだ見ぬ人との出会いを求めてるんじゃないんですか?」
「あ、ああ。そうだったな」
「そうだったな。ってまさか、公務が嫌だっただけとか言わないでしょうね?」
「そ、そんな事は無いぞ」
「何でこんな状況で、そんな能天気な会話が出来るんですか? ある意味大物ですよね」
「ほら見ろブルック。アスカに褒められるとか15年ぶりくらいだぞ」
「褒めて無いですから」
そんな事を話していると、次は3頭の竜騎士隊がスパローを取り囲んで来た。
ガイアス大陸で一般的なワイバーンを使った竜騎士部隊では無く、飛竜に乗った戦士たちだった。
拡声魔法を使って呼びかけて来る。
「貴様らの行為は明らかな領空の侵犯である。直ちにその空飛ぶ船を陸上に降ろし武装解除と共に、取り調べを受けよ」
その呼びかけに対して、カトリーヌさんが答えた。
「あなた達、こっちが攻撃もしてないのに、いきなり魔法ぶっ放して来た上に、降伏しろだなんて、そんな言葉で言う事聞く女の子なんている訳ないじゃ無の? 馬鹿なの? それにね、やったらやり返される物なのよ?」
そう言うと、カトリーヌさんの短いスカートの中に手を突っ込むと、「えっ? 何処から出したの……」と思えるような感じで、ロープの先に金属球が3個ついたような武器、いわゆる『ボーラ』と呼ばれる物を頭の上で回転させて、飛竜に向かって勢いよく投げつけた。
勢いよく投げつけられたボーラは、飛竜の顔面に直撃して更に、他の2つの金属球が、パイロットを絡めとって、落下して行く。
「ブルック君回り込んんで、竜騎士を拾って!」
「了解」
素早く、高度を下げて落ちてゆく飛竜と竜騎士を甲板上で拾い上げる。
そして私は残った2人の竜騎士に対して拡声魔法で、問いかけた。
「私達には今の所、争う意思はありません。今のは先程いきなり理不尽な魔法攻撃を受けた事に対してのご挨拶です。この国の支配者に対して謁見を望みますが、お聞き入れ願いますか?」
並走する竜騎士に対して、フリオニール様は魔導砲の照準を合わせている。
竜騎士2人は、判断がつかないようで、お互いで念話でもしているのかな?
1分くらいの時間を置いて、再び拡声魔法で呼びかけて来た。
「取り敢えず地上に着陸して頂けますか?」
「まだあなた方を無条件で信用する事は出来ませんので、海上でのお話し合いであれば伺いましょう。話の出来る責任ある方を連れて、海上に船で出て来てください」
そう返答をすると、2頭の飛竜と共に、竜騎士は下へ降りて行った。
「フリルさんはブルックさんと一緒に、スパロー号で上空待機をお願いします。私とカトリーヌさんで、向こうの船が出てきたら乗り込んで話をして来ますので」
「解った。何か問題があれば魔導砲で撃てばいいのか?」
「フリルさん? 私達も乗ってるんだからいきなり撃沈とか駄目ですからね? 本当に撃ったらカトリーヌさんに引っこ抜いて貰いますよ?」
「わ、解った」
「ていうか、フリルさん。私に話しかける時だけは男言葉なんですね?」
「なんか、苦手なんだ……」
やっぱりいきなり飛空船の姿見ちゃうと、侵略されてる感じするのかな?
アズマシマの時と対応違い過ぎだよね……
スパローを取り出し、全員で乗り込むと大空高く舞い上がり、さらに東へと進む。
「ねぇ、アスカちゃん? 結局魔族の存在って何なの?」
「カトリーヌさん? 魔族って言う呼び方が正しいのかどうかは別として、同じ人である事は間違いなさそうですね。ただ違う部分は、幼いころから魔力トレーニングを行う事が、普通に行われているために、魔法を使えない人が存在しないって事ですね」
「あれ? アスカちゃんの言い方だと私達の大陸でも幼い頃から、ちゃんとトレーニングを積めば、誰でも魔法は使えるって言う事なの?」
「はい。そうですよ?」
「えっ? えええ! それって、凄い事だよね?」
「うん。実際6歳未満でスパリゾートに送られて来た子達は、全員普通に魔法を使ってますよ?」
「そうなの?」
「ええ。得意属性の問題はありますけど、それも魔法陣を用意して魔力を流す方式だと、関係なしに使えます。得意属性の方が威力は大きくなるのは間違いないんですけどね」
「アスカちゃんはどうしてそんな事知ってるの?」
「偶然って言うか、魔法を使える人が、魔力使い過ぎて空になっちゃうと、倒れちゃうじゃ無いですか?」
「そうね」
「だったら、魔力が無ければみんな倒れちゃうんじゃないの? って思って、魔力を貯め込む場所が体のどこかにある筈って思いついたんです」
「へーなる程ねぇ。お勉強になったわ! ありがとう」
そう言いながら感謝の気持ちを示すのに、抱き着いてほっぺたにチューをしてくるのは、マジ勘弁だよ。
怖いから!
それから2時間程で、広大な大陸が見えて来た。
もっと高度を上げて、全体像を記した方がいいかな? とか思ったけど、それはまた今度でいいかな?
一回辿り着いちゃった以上は、私は今後は転移で移動できるしね。
東の海岸線に、大きな街が集中している感じがするなぁ。
などと思いながら、上空から様子を眺める。
すると、シルバが「アォン」と言って巨大化すると同時に、スパローの自動結界装置が反応して、魔法攻撃を防いだ。
「ヤバッ。思いっきり敵と思われて攻撃されちゃったね。どうしよう?」
「攻撃されたんだから、殲滅で良いんじゃね?」
「フリルちゃん? 戦争しに来たわけじゃ無いんですからね? あくまでも国交の樹立と、魔法陣魔法の調査だから……」
「そうだったの?」
「フリル……」
「陛下、まだ見ぬ大陸、まだ見ぬ人との出会いを求めてるんじゃないんですか?」
「あ、ああ。そうだったな」
「そうだったな。ってまさか、公務が嫌だっただけとか言わないでしょうね?」
「そ、そんな事は無いぞ」
「何でこんな状況で、そんな能天気な会話が出来るんですか? ある意味大物ですよね」
「ほら見ろブルック。アスカに褒められるとか15年ぶりくらいだぞ」
「褒めて無いですから」
そんな事を話していると、次は3頭の竜騎士隊がスパローを取り囲んで来た。
ガイアス大陸で一般的なワイバーンを使った竜騎士部隊では無く、飛竜に乗った戦士たちだった。
拡声魔法を使って呼びかけて来る。
「貴様らの行為は明らかな領空の侵犯である。直ちにその空飛ぶ船を陸上に降ろし武装解除と共に、取り調べを受けよ」
その呼びかけに対して、カトリーヌさんが答えた。
「あなた達、こっちが攻撃もしてないのに、いきなり魔法ぶっ放して来た上に、降伏しろだなんて、そんな言葉で言う事聞く女の子なんている訳ないじゃ無の? 馬鹿なの? それにね、やったらやり返される物なのよ?」
そう言うと、カトリーヌさんの短いスカートの中に手を突っ込むと、「えっ? 何処から出したの……」と思えるような感じで、ロープの先に金属球が3個ついたような武器、いわゆる『ボーラ』と呼ばれる物を頭の上で回転させて、飛竜に向かって勢いよく投げつけた。
勢いよく投げつけられたボーラは、飛竜の顔面に直撃して更に、他の2つの金属球が、パイロットを絡めとって、落下して行く。
「ブルック君回り込んんで、竜騎士を拾って!」
「了解」
素早く、高度を下げて落ちてゆく飛竜と竜騎士を甲板上で拾い上げる。
そして私は残った2人の竜騎士に対して拡声魔法で、問いかけた。
「私達には今の所、争う意思はありません。今のは先程いきなり理不尽な魔法攻撃を受けた事に対してのご挨拶です。この国の支配者に対して謁見を望みますが、お聞き入れ願いますか?」
並走する竜騎士に対して、フリオニール様は魔導砲の照準を合わせている。
竜騎士2人は、判断がつかないようで、お互いで念話でもしているのかな?
1分くらいの時間を置いて、再び拡声魔法で呼びかけて来た。
「取り敢えず地上に着陸して頂けますか?」
「まだあなた方を無条件で信用する事は出来ませんので、海上でのお話し合いであれば伺いましょう。話の出来る責任ある方を連れて、海上に船で出て来てください」
そう返答をすると、2頭の飛竜と共に、竜騎士は下へ降りて行った。
「フリルさんはブルックさんと一緒に、スパロー号で上空待機をお願いします。私とカトリーヌさんで、向こうの船が出てきたら乗り込んで話をして来ますので」
「解った。何か問題があれば魔導砲で撃てばいいのか?」
「フリルさん? 私達も乗ってるんだからいきなり撃沈とか駄目ですからね? 本当に撃ったらカトリーヌさんに引っこ抜いて貰いますよ?」
「わ、解った」
「ていうか、フリルさん。私に話しかける時だけは男言葉なんですね?」
「なんか、苦手なんだ……」
やっぱりいきなり飛空船の姿見ちゃうと、侵略されてる感じするのかな?
アズマシマの時と対応違い過ぎだよね……
応援ありがとうございます!
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