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同期が暴露した性癖の話(3)
しおりを挟む「お前だ、樫原」
「へ?」
「俺は猫のコスプレを初めて見たとき、目隠しやその他のプレイを想像して興奮したとき。すべて無意識にお前に当てはめて妄想していたんだ。…………俺はそういう姿をするお前の姿に…………欲情していた」
外崎が私を抱き寄せて、私のお腹に顔を埋める。
吐息の熱さがバスローブ越しに伝わってきて、この胸がドキドキした。
「結局俺はお前じゃなきゃダメなんだって思い知った。お前がするから興奮するし、お前だけが俺をここまで興奮させられる。他の誰かじゃダメなんだ」
外崎さ……今私、物凄い告白をされている気がするんだけど。
それってさ、彼女がいながらも無意識に私を求めていたってことだよね?
そこまで私を好いてくれていたんだよね。
でもそれに私はまったく気付いてなくて。
外崎も私に彼氏がいるからと、気持ちを伝えるようなことはせずにずっと同期として接してくれていたんだ。
私、何で今まで気が付かなかったんだろう。
そう何度も何度も後悔するけど、外崎の話を聞くたびにそれが深まっていくような気がする。
「そこからは彼女はいない。失礼なことをしてしまった元カノにも頭を下げて、己の不誠実さを謝罪した」
「真面目か!」
「当然だ。付き合っていながらも他の女をやはり思っていたんなんて、失礼にもほどがあるだろう。ビンタを一発食らったが、彼女が受けた辱めを思えばなんてことはない」
正直なのは美徳ではあるけれど、人生には知らなくてもいいこともあるんだよ、外崎……。
むしろビンタひとつで済んでよかったとしか言いようがない。
「そこからはリストを作るだけの日々だ。森村から与えられる情報と自分で調べた情報を合わせ、お前を想い一人で……」
「あー! 了解! その先は言わなくていいから!」
この距離でその真面目な顔で外崎に私を思ってどれほどオナニーをしていたかの話は聞きたくない。そんなの恥ずかし過ぎて憤死してしまうわ!
「だからな、羽和子」
「うっ、はい」
羽和子、だって。
外崎に下の名前で呼ばれちゃった。
慣れないし違和感半端ないけど、いつもと違って恋人って感じが物凄いする。
…………意外と、いい感じかも。
「俺はお前にぶつけたい欲望を今の今まで心の中でかき集め膨らませては、秘めてきた。はっきり言ってしまえば相当拗らせていると思うし、お前と晴れて恋人になれたからにはリストのすべてを実行するつもりだ。問題は、それにお前がついてこられるかだ。お前がそんな俺を赦せるか、すべてはそこにかかっている。だから試したい」
なるほど……そういう意味でもお試しが必要だったし、自分の性癖がどうなのか心配だったのか。
分かるような分からないような感じだけど、とりあえずここまで外崎を拗らせるきっかけを作った森村をどつこうと思ったし、そのリストとやらに載っているプレイがいかがなものなのか気になるところではある。
悩む……これは悩むぞ。
このまま外崎を受け入れていいのか悩むぞ。
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