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同期が望んだ言葉(6)
しおりを挟むそんな私の耳元で、外崎が再度囁く。
「羽和子、『にゃあ』って……言って」
腰に響くようなエロい低音ボイスが私を追い詰める。
抗う気持ちを突き崩すように私を追い上げた外崎の声に導かれるように、私は小さく口を開いた。
「…………ぁ………………にゃ……ぁ」
本当に小さく掠れた声だったけれど、彼には十分だったようだ。
「最っ高」
感情を昂らせてそう言う外崎は、律動を速めた。
私ももう高みがすぐそこまでやってきているのを感じて、ただその先にある絶頂を追い求める。
あぁ……もう……イっちゃう……イっちゃう……。
それしか考えられずに外崎の腰の動きに合わせて、いやらしくお尻を振った。
「……とのさきぃ……もぅ……イっちゃう……わたし……イちゃう……」
「俺も……イく……羽和子……イくっ」
「あぁっ! あっ、ひぁンっ……あ……あぁっ!」
もう、無理。
こんなの耐えられない。
感じるなって方が無理だし、腰がビクビクと震えるのも止まらない。
ゾクゾクと腰から快楽が駆け抜けて、私の頭をよがり狂わせて。
あっという間に私の中で弾けた。
「…………ダメ…………あぁっ……あぁぁー!!」
「…………っく」
かなり深い絶頂だったと思う。
カクカクと動く腰は外崎のものを絞り上げて、私にまたそれを刺激として伝えてくる。外崎もすべてを吐き出すように小刻みに腰を打ち付けては、気持ちよさそうな吐息を零す。
私は絶頂の余韻を全身で感じながら、身体の力を抜いた。
めちゃくちゃ感じてしまった……この倒錯的なセックスで。
それが驚きなような悔しいような、新たな扉を開いた妙な悦びを感じているような。
よく訳の分からない複雑な感情が私を取り巻く。
外崎は私の耳にキスをして、クスリと笑う。
「一応言っておくと、お前に言われたい言葉第一位は『大好き』だ。お前がいつか俺にそう言ってくれる日がくるのを、ずっと願っていた。これからも願っている」
ずるいなぁ。
そんな健気なことを言ってくるだなんて。
あの外崎が、自信家でいつも強気な外崎が私にそんなことを言うだなんて、ギャップがありまくりじゃないか。この胸がキュンキュンしてしまうじゃないか。
こんな変態じみたセックスを恋人になったらすることになるのには躊躇いがあるし、正直どこまで受け入れられるか分からないのに、私のこの心は不用意に高鳴ってしまっている。
普通にセックスして、普通に素っ裸で抱き合うってこともしたいのに。それが一番だと思っていたのに。
けれど、私への想いをここまで募らせて拗らせてしまっているのだと思ったら、それだけでグッとくるものがあった。
「ねぇ……次はさ、コスプレとかなしで……やろ」
私がそうお願いすると、二回目は普通にセックスをしてくれた。
ただ、かなり激しかったけれど。
五年片思いした分のすべてをぶつけるかのような激しさで抱かれてしまい、私は外崎にしがみつきながら啼いた。
今は外崎のすべてを感じていたくて、余計なことを考えたくなくて。
私は彼の激しさに身を任せたのだ。
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