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10、祓えの儀式
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大学へ到着したばかりだったが、俺は再び自転車を飛ばして自宅へと戻った。
じいちゃんからのメールの内容は簡潔だ。『浄霊頼む』というひとことだけ。急を要するときほど、じいちゃんのメールは短くなる。
いつもお祓いを執り行っている神社本殿の中へ駆け込んだ俺は……ぴたり、とその場で足を止めた。
大幣を手にしたじいちゃんが早口に奏上する祝詞が本殿の中に低く響く中、女性の悲鳴が耳をつんざく。
「うううう~~~!! がぁううううう~~~……!!」
一人の老婆が拝殿の床の上で不自然に身体をねじり、身悶えている。その女性の身体を支え、涙声で名前を呼びかけている中年の女性は家族だろうか。
白目を剥き、自らの首を引きちぎらんとするようにあらぬ方向に首を捻りながら、口からはだらだらと涎を垂らす老婆の姿に……俺は見覚えがあった。
「……遠藤さん!?」
ついひと月ほど前に、浄霊をしたばかりのお婆さんだ。じいちゃんの囲碁仲間の親戚で、うちから車で二十分ほどのところに住んでいると聞いている。
その時は、『両肩がすごく重くて、歩いているとふらついてしまう』と霊障を訴えていた。胡散臭いと思いつつも浄霊を受けようと決意したきっかけは『ふらつきかけた途端、道路の方へ強く引っ張られたような気がして怖くなった』——というもので……。
俺は遠藤さんに駆け寄った。
一度霊に取り憑かれてしまうと、その後もしばしば悪霊が憑りつきやすくなってしまう傾向がある。だが、ほんのひと月程度でこんなにも悪いものを寄せ付けてしまうことなどあるのだろうか。
「遠藤さん、遠藤さん! わかりますか!?」
「あガァァァァ……!! ヴぉァオアアああぁぁ……!!」
遠藤さんのか細い肩に触れた瞬間、ばちん!! と何かが弾けた。
悪霊たちから向けられた明らかな敵意だ。俺がこれから何をしようとしているか、すでに理解しているのかもしれない。
「お願いします、助けてください! 突然こうなっちゃって、もう、私どうしていいか……!」
涙で頬を濡らした中年女性が、視線で俺に縋ってくる。暴れる遠藤さんを支える負担とともに、不安感と恐怖感もかなり高まっている様子が見て取れる。ぐっしょりと汗をかいているのに、顔面は蒼白だ。
前回お祓いをした時は、こんなにひどい状態じゃなかった。取り憑いていたモノは遠藤さんに私怨があるものではなかったから、浄霊は比較的すんなり終えることができたのだ。なんでも、その当時ちょうど息子たちの離婚騒動でひどく心を痛めていたといい、心の隙につけこまれたのだろうと俺は見立てた。
だけど今は、そんな生やさしいものではない。
遠藤さんの全身をがんじがらめにするように、複数の悪霊たちが絡みついている。遠藤さんを締め殺そうとでもしているのだろうか。首を捻り腰を逸らさせ、手足の関節という関節を逆方向に捩じ切らんとばかりに攻撃的だ。
その攻撃に抗おうとしているのか、霊たちの仕業か、遠藤さんは床の上でビクビクと全身を跳ね上げては、もがいている。
「……わかりました。あなたは外へ出ておいてもらえますか?」
「で、でも……!」
「大丈夫です。さあ、外へ。しっかりと、扉を閉めて」
遠藤さんの家族の女性に、俺は静かな口調でそう告げた。悪霊は恐怖につけ込む。遠藤さん自身から霊を祓えたとしても、すぐさま彼女に取り憑こうとするかもしれないからだ。なにより、彼女にこれ以上怖い思いをして欲しくない。
女性は遠藤さんからそっと離れ、どこか安堵したような、それでいてひどく不安そうな眼差しを残し、本殿を小走りに出て行った。
女性が出ていってしまうと、がらんとした本殿には遠藤さんの呻き声ばかりが響き渡る。俺はじいちゃんと視線を交わした。
「じいちゃん。……この人」
「ああ、事情はわからんが。二度目のお客さんだ。前よりずっとひどい。早く楽にして差し上げてくれ」
「うん」
じいちゃんに向かってひとつ頷き、遠藤さんの前に正座をする。そして、肺の中に空気を満たすように、天井を仰いで深く息を吸った。
拝殿の天井は高く、広々とした空間だ。木の床は氷のように冷え冷えとして、足元から冷気が這い上ってくる。
全身の感覚を研ぎ澄ませるようにしばらく呼吸を整えたあと、遠藤さんの向こうに座している祭壇へ視線を向け、俺は高らかに柏手を打った。
緊張感から身が引き締まる。俺は閉じていた目を開き、祝詞奏上のために息を深く吸った。
『掛けまくも畏き伊邪那岐の大神 筑紫の日向の橘の小戸の阿波岐原に』
これは『祓詞』。祭儀の最初に読まれるものだ。
誦じ慣れた祝詞を奏上してゆくにつれ、不思議な感覚が全身を包み込む。腹の底から涼やかな風のようなものが沸き起こり、静かに眠っていた力が全身へ漲ってゆく感覚だ。
これが、ばあちゃんから母さんへ受け継がれ、そして母さんから俺へと受け継がれた力である。
『禊ぎ祓へ給ひし時に 生り坐せる祓へ戸の大神たち
諸々の禍事 罪 穢れあらむをば
祓へ給ひ清め給へと 白すことを聞こし召せと 恐み恐み白す』
少しずつ、遠藤さんの悲鳴とうめき声が小さくなってゆき……ぴたりと悪霊たちの声がやんだ。だが、消えたわけではない。
遠藤さんに取り憑いた複数の悪霊の注意が、完全に俺の方を向いたのだ。
『高天の原に神留ます 皇が睦 神漏岐 神漏美の命以て 八百万の神等を 神集へに集へ給ひ』
続いて奏上するのは、大祓詞。これは、各々が犯した罪や穢れを祓うために奏上する祝詞である。
ざわ……ざわ……と悪霊たちが蠢き出すのを感じる。以前この人に憑いていたものよりもずっと禍々しいものの気配に、俺は微かに違和感を覚えた。……でも、だからといってここで浄霊を中断するわけにはいかない。苦しんでいる人が目の前にいて、行き先を失っている悪霊たちが目の前に存在しているのだから。
大祓詞の奏上を続けるうち、遠藤さんの肉体の痙攣が突然ひどくなり始めた。俺の声に抗い、暴れ回る悪霊の気配は濃密で、重い。斜向かいで同じく祝詞を唱えるじいちゃんの額にも汗が浮かんで、いつになく苦しげだ。何も視えないじいちゃんだけど、この悪霊の放つ瘴気にあてられはじめているのかもしれない——……。
——気合い入れろ、俺……もっと、言葉に力を乗せるんだ。
目を閉じて、より声を遠くまで通らせるように。
ここにいる迷える魂を導き、苦しんでいるこの人を救ってほしいと、神へ祈りが届くように……。
次第に、次第に、悪霊たちの声が小さくなり始めた。大祓詞は長さのある祝詞で、言葉自体に強い力が宿っている。霊力のある俺の声に乗り、祝詞に練り込まれた力が、悪霊たちに届きはじめている。
『斯く 流離ひ失ひてば 罪といふ罪はあらじと 祓へ給ひ清め給ふことを 天つ神・国つ神 八百万の神たち 共に聞こし召せと白す……!』
奏上を終えると、あたりは濃い静寂に包まれていた。いっときは耳をつんざくほどに怨念を叫んでいた悪霊たちの気配は遠ざかり、ぐったりと横たわる遠藤さんの微かなうめき声が聞こえるだけだ。
どっと吹き出した汗が、ブルゾンの中に着込んでいるシャツの中でひんやりと冷たかった。合掌を解いてため息をつくと、がくっと全身から力が抜けてゆく。ずいぶんと疲弊してしまったようだ。
「陽太郎、大丈夫か」
床に手をついて肩で息をしていると、じいちゃんから声がかかった。顔を上げると、じいちゃんは遠藤さんの身体を仰向けに横たえ、気遣わしげに俺を見ている。
「……大丈夫、だよ」
「えらくてこずったようだな。一体何が憑いてたんだ?」
「わかんない。……ただ、一体じゃなかった。二、三体の複合霊で……」
じいちゃんに説明しながら、俺も遠藤さんの様子を見るべく立ち上がろうとした。
……だが突如として、遠藤さんの全身からどす黒い靄が噴き上がる。
◇ ここまでお付き合いいただき、誠にありがとうございます。次話投稿まで、数日お時間いただきます。
じいちゃんからのメールの内容は簡潔だ。『浄霊頼む』というひとことだけ。急を要するときほど、じいちゃんのメールは短くなる。
いつもお祓いを執り行っている神社本殿の中へ駆け込んだ俺は……ぴたり、とその場で足を止めた。
大幣を手にしたじいちゃんが早口に奏上する祝詞が本殿の中に低く響く中、女性の悲鳴が耳をつんざく。
「うううう~~~!! がぁううううう~~~……!!」
一人の老婆が拝殿の床の上で不自然に身体をねじり、身悶えている。その女性の身体を支え、涙声で名前を呼びかけている中年の女性は家族だろうか。
白目を剥き、自らの首を引きちぎらんとするようにあらぬ方向に首を捻りながら、口からはだらだらと涎を垂らす老婆の姿に……俺は見覚えがあった。
「……遠藤さん!?」
ついひと月ほど前に、浄霊をしたばかりのお婆さんだ。じいちゃんの囲碁仲間の親戚で、うちから車で二十分ほどのところに住んでいると聞いている。
その時は、『両肩がすごく重くて、歩いているとふらついてしまう』と霊障を訴えていた。胡散臭いと思いつつも浄霊を受けようと決意したきっかけは『ふらつきかけた途端、道路の方へ強く引っ張られたような気がして怖くなった』——というもので……。
俺は遠藤さんに駆け寄った。
一度霊に取り憑かれてしまうと、その後もしばしば悪霊が憑りつきやすくなってしまう傾向がある。だが、ほんのひと月程度でこんなにも悪いものを寄せ付けてしまうことなどあるのだろうか。
「遠藤さん、遠藤さん! わかりますか!?」
「あガァァァァ……!! ヴぉァオアアああぁぁ……!!」
遠藤さんのか細い肩に触れた瞬間、ばちん!! と何かが弾けた。
悪霊たちから向けられた明らかな敵意だ。俺がこれから何をしようとしているか、すでに理解しているのかもしれない。
「お願いします、助けてください! 突然こうなっちゃって、もう、私どうしていいか……!」
涙で頬を濡らした中年女性が、視線で俺に縋ってくる。暴れる遠藤さんを支える負担とともに、不安感と恐怖感もかなり高まっている様子が見て取れる。ぐっしょりと汗をかいているのに、顔面は蒼白だ。
前回お祓いをした時は、こんなにひどい状態じゃなかった。取り憑いていたモノは遠藤さんに私怨があるものではなかったから、浄霊は比較的すんなり終えることができたのだ。なんでも、その当時ちょうど息子たちの離婚騒動でひどく心を痛めていたといい、心の隙につけこまれたのだろうと俺は見立てた。
だけど今は、そんな生やさしいものではない。
遠藤さんの全身をがんじがらめにするように、複数の悪霊たちが絡みついている。遠藤さんを締め殺そうとでもしているのだろうか。首を捻り腰を逸らさせ、手足の関節という関節を逆方向に捩じ切らんとばかりに攻撃的だ。
その攻撃に抗おうとしているのか、霊たちの仕業か、遠藤さんは床の上でビクビクと全身を跳ね上げては、もがいている。
「……わかりました。あなたは外へ出ておいてもらえますか?」
「で、でも……!」
「大丈夫です。さあ、外へ。しっかりと、扉を閉めて」
遠藤さんの家族の女性に、俺は静かな口調でそう告げた。悪霊は恐怖につけ込む。遠藤さん自身から霊を祓えたとしても、すぐさま彼女に取り憑こうとするかもしれないからだ。なにより、彼女にこれ以上怖い思いをして欲しくない。
女性は遠藤さんからそっと離れ、どこか安堵したような、それでいてひどく不安そうな眼差しを残し、本殿を小走りに出て行った。
女性が出ていってしまうと、がらんとした本殿には遠藤さんの呻き声ばかりが響き渡る。俺はじいちゃんと視線を交わした。
「じいちゃん。……この人」
「ああ、事情はわからんが。二度目のお客さんだ。前よりずっとひどい。早く楽にして差し上げてくれ」
「うん」
じいちゃんに向かってひとつ頷き、遠藤さんの前に正座をする。そして、肺の中に空気を満たすように、天井を仰いで深く息を吸った。
拝殿の天井は高く、広々とした空間だ。木の床は氷のように冷え冷えとして、足元から冷気が這い上ってくる。
全身の感覚を研ぎ澄ませるようにしばらく呼吸を整えたあと、遠藤さんの向こうに座している祭壇へ視線を向け、俺は高らかに柏手を打った。
緊張感から身が引き締まる。俺は閉じていた目を開き、祝詞奏上のために息を深く吸った。
『掛けまくも畏き伊邪那岐の大神 筑紫の日向の橘の小戸の阿波岐原に』
これは『祓詞』。祭儀の最初に読まれるものだ。
誦じ慣れた祝詞を奏上してゆくにつれ、不思議な感覚が全身を包み込む。腹の底から涼やかな風のようなものが沸き起こり、静かに眠っていた力が全身へ漲ってゆく感覚だ。
これが、ばあちゃんから母さんへ受け継がれ、そして母さんから俺へと受け継がれた力である。
『禊ぎ祓へ給ひし時に 生り坐せる祓へ戸の大神たち
諸々の禍事 罪 穢れあらむをば
祓へ給ひ清め給へと 白すことを聞こし召せと 恐み恐み白す』
少しずつ、遠藤さんの悲鳴とうめき声が小さくなってゆき……ぴたりと悪霊たちの声がやんだ。だが、消えたわけではない。
遠藤さんに取り憑いた複数の悪霊の注意が、完全に俺の方を向いたのだ。
『高天の原に神留ます 皇が睦 神漏岐 神漏美の命以て 八百万の神等を 神集へに集へ給ひ』
続いて奏上するのは、大祓詞。これは、各々が犯した罪や穢れを祓うために奏上する祝詞である。
ざわ……ざわ……と悪霊たちが蠢き出すのを感じる。以前この人に憑いていたものよりもずっと禍々しいものの気配に、俺は微かに違和感を覚えた。……でも、だからといってここで浄霊を中断するわけにはいかない。苦しんでいる人が目の前にいて、行き先を失っている悪霊たちが目の前に存在しているのだから。
大祓詞の奏上を続けるうち、遠藤さんの肉体の痙攣が突然ひどくなり始めた。俺の声に抗い、暴れ回る悪霊の気配は濃密で、重い。斜向かいで同じく祝詞を唱えるじいちゃんの額にも汗が浮かんで、いつになく苦しげだ。何も視えないじいちゃんだけど、この悪霊の放つ瘴気にあてられはじめているのかもしれない——……。
——気合い入れろ、俺……もっと、言葉に力を乗せるんだ。
目を閉じて、より声を遠くまで通らせるように。
ここにいる迷える魂を導き、苦しんでいるこの人を救ってほしいと、神へ祈りが届くように……。
次第に、次第に、悪霊たちの声が小さくなり始めた。大祓詞は長さのある祝詞で、言葉自体に強い力が宿っている。霊力のある俺の声に乗り、祝詞に練り込まれた力が、悪霊たちに届きはじめている。
『斯く 流離ひ失ひてば 罪といふ罪はあらじと 祓へ給ひ清め給ふことを 天つ神・国つ神 八百万の神たち 共に聞こし召せと白す……!』
奏上を終えると、あたりは濃い静寂に包まれていた。いっときは耳をつんざくほどに怨念を叫んでいた悪霊たちの気配は遠ざかり、ぐったりと横たわる遠藤さんの微かなうめき声が聞こえるだけだ。
どっと吹き出した汗が、ブルゾンの中に着込んでいるシャツの中でひんやりと冷たかった。合掌を解いてため息をつくと、がくっと全身から力が抜けてゆく。ずいぶんと疲弊してしまったようだ。
「陽太郎、大丈夫か」
床に手をついて肩で息をしていると、じいちゃんから声がかかった。顔を上げると、じいちゃんは遠藤さんの身体を仰向けに横たえ、気遣わしげに俺を見ている。
「……大丈夫、だよ」
「えらくてこずったようだな。一体何が憑いてたんだ?」
「わかんない。……ただ、一体じゃなかった。二、三体の複合霊で……」
じいちゃんに説明しながら、俺も遠藤さんの様子を見るべく立ち上がろうとした。
……だが突如として、遠藤さんの全身からどす黒い靄が噴き上がる。
◇ ここまでお付き合いいただき、誠にありがとうございます。次話投稿まで、数日お時間いただきます。
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