異世界に行って転生者を助ける仕事に就きました

一番のロボットは何か

初陣

「良かった、間に合ったみたいだね、ささこっちへ」
　陽気な男性が安心したようにして自分たちを建物の中に迎えいれてくれた。

「さっそくだけどあなたの機体を登録させてほしいの、名前は何て言うのかしら？」
「えっと……」
　そういえば機体に名前をつけていなかった、サヨの方を向くと期待したような顔でこちらを見ていた、どうやら今すぐココで名前をつけないといけないらしい。
「名前は……新旧、で」
「シンキュウね、了解したこれで登録しておくよ」
　くやしいことに名前が思いつかずに発掘品を新しくしたので新旧ととっさに出てしまった、言ってからすぐに後悔しているがその名前で処理が進んでいくのを見届けるしかなかった。

「それじゃあ試合と行こうか！」
「……え？」


「さあ今夜も始まりましたロボットファイト！、今回の対戦相手はなんとついさっき登録されたばかりの飛び入り参加だ、いったいどんなバトルを繰り広げてくれるのでしょうかァ！」
　この世界に見つからないように新旧を取り出して待機させる、機体が丸ごと収まる待機室に会場の解説が流れた、自分は飛び入り参加したらしい、あと銃器は映えないから近接武器を所望されたので両手に剣を持たせてもらった、この世界の武器だが特に違和感なく装備できていると思う。

「さあ、両機体のエントリーだ、挑戦者の機体はなんとあの見た目でハンドメイドだそうですよ」
「そうですね、今までに見たことがないフォルムをしていますね、しかし見た目だけでしたらいくらでもできますからね、あの手作りがどんな動きをしてくれるか楽しみですね」
「そうですね、この舞台に来れるだけの機動性はあるようですからね」
　そういえば機体について一切聞かれることがなかったのだが問題ないだろうか、今の装備では浮くことはできても飛ぶことができないのだが大丈夫だろうか。
「さて防衛側は、おっと珍しく大剣を持ってきていますね」
「そうですね、彼は新しい戦い方を模索したいと言ってましたからね、飛び入り側には良いハンデでしょう」
「なるほど、そのために飛び入りを受け入れたのですね」
「そうですね、珍しい大剣装備でも彼は十分な実力者ですからね、飛び入りがどれだけ持ちこたえるかも見ものかもしれませんね」
「ですね、両者の準備が整ったようですので、それでは試合開始です」
　試合開始のブザーが鳴り、大剣を持ったロボットがまっすぐにこちらに向かってくる、しかしその速度は遅く、簡単に回避できてしまった。