異世界に行って転生者を助ける仕事に就きました

一番のロボットは何か

性能の差

「おやぁ？」
　相手の攻撃を回避した後でも相手を見ていてもまだ攻撃中の動きをしていたので隙だらけになっており、足を少し出して引っかけると簡単に転倒した。
　弱い、そんな感情しか出てこない、実戦経験を積んでこいと言われてこの世界に来たのだがこの対戦相手ではとても積める気がしない。
「なかなか良いバランス感覚だ、それだけ動けるのなら、こちらも本気でいこう」
　バランスが崩れて転倒したロボットから声がした、どうやら相手が初心者ということで手加減してくれたようだ、ただ手加減しすぎて転倒してしまったようだ。

「これは挑戦者を見くびりすぎた結果ですね」
「そうですね、それにしても挑戦者の方もかなりのバランスですよ、片足を上げて相手を引っかけてましたからね、かなりいいバランス構成とOSですね」
「そうですね、これはもしかすると大剣を持ってきたの失敗だったかもしれないですね」

　相手のロボットがゆっくりと起き上がるのを待ってから仕切りなおす、大剣を中段に構えてじっとしている、こちらから攻めて行ったほうがいいのだろう、警戒しつつ全速力の20％ほどの速度で向かう。
「なかなかの速度だな、だが早いだけでは勝てんよ」
　自分のゆるい走りに合わせて大剣を振る、タイミングはバッチリだが回避自体は安易だ。
「これも回避するかならば」
　持っている大剣をこちらに投擲してくる、これも回避してみせる、これで相手は無防備になったと思ったが両腰についている装甲が一部変形して自分と同じ両手に剣を装備した。

「おっと彼の本来の戦闘スタイルに戻りましたよ」
「さすがにあのバランス感覚をもつ相手になれない大振り武器は相性が悪いでしょうからね、戦いにくい大剣を捨てて本来のスタイルになりましたからね、挑戦者は回避していくことは難しいでしょうね」
「そうですね、さすがに本気を出してしまえば早々に決着がついてしまうでしょうね」
「そうですね」

　大剣を捨てたおかげか先ほどよりかは素早くなり連続で攻撃を繰り出してくる、しかし軽く後ろに引くことで安易にできる。
「そろそろ反撃したら？」
「あーうん」
　単調に回避しているとついに壁においつめられてみる。

「おっと軽快に回避していた挑戦者ですがついに壁に追い込まれてしまいました」
「これはさすがに絶体絶命ですね」
　そうでもないんだけどなぁ……。