異世界に行って転生者を助ける仕事に就きました

一番のロボットは何か

一撃の決着

　機動力に大きな差があるため絶望的な状況ではない、力比べはしていないので力押しはしない方向で機動力で勝負を終わらせに向かう。
「これで終わりだ」
　相手のロボットから少し疲れた声が聞こえてきた、こちらは少しづつ回避していただけなので体力には全然の余裕がある。

　相手は自分を追い込んだつもりのようで武器を大きく振りかぶる、これは大きな隙なので片側のブースターを全力で一瞬吹かしてから機体の向きを変えてもう一度吹かして相手の背後に回り込む、軽く移動するつもりが予想よりも大きく移動してしまった、以前と比較するとかなり強化されているようだ。
「何ｨ？！」

「これはどうしたことでしょう、挑戦者のロボットがとてつもない移動を見せてくれましたよ」
「これはすごい動きですが、これはさすがにもう推進剤を使い切ったかもうほとんど残っていないでしょう」
「確かにさっきほどの動きですからねもしかしたらエネルギーも残り少ないかもしれないですね」
「そうですね、この隙に勝負を決めないとまずいかもしれないですね」

　確かコックピットへの直接は禁止されているので相手のロボットを無力化する方向でいこうと思う、両手に持っている剣で相手のロボットの胴体と腕の接続部分を攻撃すると綺麗に分断できた。
「試合終了、勝者挑戦者！」
　両腕を切断したことにより相手のロボットがそのまま仰向けに倒れると解説が宣言した。

「終わっちゃった……」
　実戦データはこれでいいのだろうか、一方的な展開だったのだがこんなのでデータが取れるのだろうか……。
「これでいいのか？」
「大丈夫だよ？」
　サヨに聞いてみたが問題ないようだ、むしろ聞いたこと自体が不思議といったようだ。
「もしかするとしばらくこんな戦闘が続く可能性があるけど良いの？」
「良いんじゃ、ないかな」
　なんか不安だ。

「いやぁすごいね君のロボット、あんな動きするなんていったいどんな造りをしているんだい？」
「いやぁ、そこは秘密で……」
「そうだよね、そりゃああんな動きができればどこも欲しがるからね、くれぐれも変な物につかまらないでね」
「そうっすね……」
「そういえばあのロボットが見えないけど、今はオーバーホール中かな、あんな動きをする度に大がかりな整備が必要とかかな？」
「そんな感じですね、でも明日には戦闘可能ですよ」
「そりゃあよかった、と言っても次の試合は未定だし少なくても3日以降だからのんびりしていてね、あとこれ今回のファイトマネー」
「あ、どうも」
　適当にお札が5枚ほど渡された、この世界のお金の価値がわからないので渡されたお金が多いのか少ないのかわからない、とりあえず適当な売店で食べ物を買ってみるが余裕で足りたのでそれなりに量があるようだ。