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59話 和国側

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「陛下、帰ったぞ」
「おお、レオ。待っていたぞ…って、どうしたんだ?なにかいい事でもあったか?」
「おう。報告に来たんだ。陛下、俺はここを出て別大陸に向かう」
「なっ…ほ、本気か!?」
「ああ」
「会合で何があった!?」
「俺より強い奴が居た。完封されたわ」
「そりゃあ、お前は世界最強と言えど、まだ人間だからだろう?」
「相手も人間だ。それも、俺よりもレベルが低い人間だった。だが、それでも負けたんだ。
で、こっからが本題なんだが…そいつの従者になる許可を得たから、今から別大陸に行ってくるわ。
たまには里帰りしに来るが、当分はこれねぇと思うから、挨拶しに来た」
「そうか…まぁ、お前がそう決めたんならわかった。弟子はここに置いていくのか?」
「そこなんだよなぁ…あっちは、連れてきても良いって言ってくれたんだが、正直俺は置いていこうか悩んでる。
 今から行く場所が場所なもんでよ、守り切れねぇんだよな」
「どういうことですか、師匠」
「俺が旅立つにつれて、お前を置いていくか話してるところだ」
「連れていってください」
「うーん…どうスっかなぁ…」
「いいのではないか?姫と言えど、立場と言えば末端だ。お前も、行きたいなら頼れば良い」
「死んでも恨んでくれんなよ?」
「承知の上です。あ、刀は予備を持っていっとけ。あっちの大陸にゃ刀鍛冶は居ねぇぞ」
「分かりました、すぐに準備してまいります」
「んじゃ、俺も準備があるからそろそろ行くわ」
「ああ。旅立つ前にここにもう一度寄れ、紹介状を書いてやる。あちらにも知り合いは居る、多少ならば口利きもしてくれるだろう」
「お、サンキュー」

そういや、あの嬢ちゃんこっちの飯についてやたら聞いてたな。特産品でも幾つか見繕って持って行ってやるか。

「師匠、準備が出来ました」
「そうか。じゃ、市場に行って飯を買いにいくぞ」
「?、保存食ならば持っていますが…」
「主に土産もなしに行くのはわりぃだろ」
「主、と呼んでおりますが、相手はお幾つなのですか?師匠を倒すほどなれば、相当なお年なのだと思うのですが…」
「お前今何歳だっけ?」
「急ですね。今年で20になります」
「あー、じゃあ多分お前の年下だな。ありゃ多分16、17歳くらいじゃねぇか?それも、男のお前と違って相手は女だ」
「…え、それに負けたのですか?師匠が?冗談でしょう」
「あれと戦えばお前、下手すりゃ即死するぞ。
空間固定されて体動かねぇし隕石出してくるし武器の切り替え速度は俺以上でそれぞれが達人級だしで、物理も魔法も使える。それでまだレベルは2桁とか詐欺だわ、あれは」
「信じられませんね」
「着いてくんのは良いけど、無礼な態度は許さねぇぞ。殺されても俺は関与しねぇ。着いてくるなら、自己責任だ」
「小娘相手に遅れを取るよう鍛えられておりませんので」
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