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3吸血 バンパイアと一緒の夏休み~2日目と最終日~
5 バンパイアと一緒の夏休み~2日目と最終日~
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その後、別荘に戻ると皆部屋へと戻り、私はベッドに倒れ込む。
「お疲れ様です」
「もう着いてきちゃダメだからね。でも、ありがとう……」
感謝の言葉は小さな声だったが、フッと笑みを浮かべるラルムを見るところ、どうやら私の声は届いたようだ。
そんなお泊まり最後の慌ただしい日も終え、翌日には帰るのだと思うと、何だか寂しい気持ちを感じながら眠りにつく。
そして翌日。
自分の家へと戻ってきた私はベッドへと倒れ込んだ。
色々あった2泊3日のお泊まりだったが、ラルムの事は知られずにすみ、ほっと胸を撫で下ろす。
「帰ってきたって感じがしますね」
そう言いながら窓から入ってくるラルムの腕には棺が抱えられており、その棺は元の位置へと戻された。
「もって帰ってきたんだ。捨てちゃえばよかったのに」
「それはダメです。これがないと私は眠れないんですから」
「はいはい、わかったわかった。そんなに必死にならなくても……」
棺の中で眠るラルムの気持ちは理解できず、私は枕に顔を埋め瞼を閉じた。
瞼の裏に広がるのは、昨夜見た月や無数の星の輝き。
そして、ラルムの横顔。
あんな景色をラルムは今まで見てきたのだと思うと、私も少しは同じ景色が見れた気がして嬉しくなる。
そんな事を思い出していると、疲れも溜まっていたのかいつの間にか眠ってしまっていた。
目を擦りながら起き上がると、外はすでに暗くなり始めていた。
一体どのくらいの時間眠ってしまっていたのだろうか。
ベッドから降りようとすると、部屋が暗くて気づかなかったが、私の直ぐ横で、膝を床につき、頭をベッドに乗せ眠るラルムの姿があった。
棺じゃないと寝れないと言っていたのに、私の側で眠っているこの状況が嬉しくて、ラルムの頭をそっと撫でる。
きっとラルムも疲れていたのだろう。
私はラルムを起こさないようにそっとベッドから降りると、小さな声でお休みと口にする。
気持ちよさそうに眠るラルムをもう少し寝かせてあげようと部屋から出ると、晩御飯を作りにリビングへと行く。
「何か同族の臭いがすると思ったら。へ~、おもしれーじゃん」
部屋の窓枠からラルムを見詰め、怪しげな笑みを浮かべる黒い影の存在に、まだ私もラルムも気づいていない。
「んっ……」
ラルムが目を覚まし顔を上げると、窓へと視線を向け首を傾げる。
「今、同族の香りがしたような。でも、この香りは……」
ある人物がラルムの頭に浮かんだが、そんなわけはないだろうと考えを掻き消すと、甘く香る結の血の香りを辿り、ラルムはリビングへと降りていく。
その翌日、朝からラルムはプリンセス探しへと出掛けてしまい、家には私一人となっていた。
とくにすることもなく、ベッドで寝転がりながら夏蓮とメールをする。
話す内容は、夏蓮の家の別荘へ行った時のことや、夏休みの宿題について。
「お疲れ様です」
「もう着いてきちゃダメだからね。でも、ありがとう……」
感謝の言葉は小さな声だったが、フッと笑みを浮かべるラルムを見るところ、どうやら私の声は届いたようだ。
そんなお泊まり最後の慌ただしい日も終え、翌日には帰るのだと思うと、何だか寂しい気持ちを感じながら眠りにつく。
そして翌日。
自分の家へと戻ってきた私はベッドへと倒れ込んだ。
色々あった2泊3日のお泊まりだったが、ラルムの事は知られずにすみ、ほっと胸を撫で下ろす。
「帰ってきたって感じがしますね」
そう言いながら窓から入ってくるラルムの腕には棺が抱えられており、その棺は元の位置へと戻された。
「もって帰ってきたんだ。捨てちゃえばよかったのに」
「それはダメです。これがないと私は眠れないんですから」
「はいはい、わかったわかった。そんなに必死にならなくても……」
棺の中で眠るラルムの気持ちは理解できず、私は枕に顔を埋め瞼を閉じた。
瞼の裏に広がるのは、昨夜見た月や無数の星の輝き。
そして、ラルムの横顔。
あんな景色をラルムは今まで見てきたのだと思うと、私も少しは同じ景色が見れた気がして嬉しくなる。
そんな事を思い出していると、疲れも溜まっていたのかいつの間にか眠ってしまっていた。
目を擦りながら起き上がると、外はすでに暗くなり始めていた。
一体どのくらいの時間眠ってしまっていたのだろうか。
ベッドから降りようとすると、部屋が暗くて気づかなかったが、私の直ぐ横で、膝を床につき、頭をベッドに乗せ眠るラルムの姿があった。
棺じゃないと寝れないと言っていたのに、私の側で眠っているこの状況が嬉しくて、ラルムの頭をそっと撫でる。
きっとラルムも疲れていたのだろう。
私はラルムを起こさないようにそっとベッドから降りると、小さな声でお休みと口にする。
気持ちよさそうに眠るラルムをもう少し寝かせてあげようと部屋から出ると、晩御飯を作りにリビングへと行く。
「何か同族の臭いがすると思ったら。へ~、おもしれーじゃん」
部屋の窓枠からラルムを見詰め、怪しげな笑みを浮かべる黒い影の存在に、まだ私もラルムも気づいていない。
「んっ……」
ラルムが目を覚まし顔を上げると、窓へと視線を向け首を傾げる。
「今、同族の香りがしたような。でも、この香りは……」
ある人物がラルムの頭に浮かんだが、そんなわけはないだろうと考えを掻き消すと、甘く香る結の血の香りを辿り、ラルムはリビングへと降りていく。
その翌日、朝からラルムはプリンセス探しへと出掛けてしまい、家には私一人となっていた。
とくにすることもなく、ベッドで寝転がりながら夏蓮とメールをする。
話す内容は、夏蓮の家の別荘へ行った時のことや、夏休みの宿題について。
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