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ヴァンパイアポリスの事件ファイル ⑧
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アヤメの肩にまわされていた我妻の腕が、アヤメの首をとらえる。
「ゲストの皆さん、ご静粛に願います。皆様にはご迷惑が掛からぬよう対策済みです。さて、それでは今ここに潜入されている捜査官の方々、どうかステージ前にいらしてください。ああ、そうだ。いくら待っても追加の応援部隊は来ませんよ。彼らはお疲れのようだったんで、ボイラー室で休んでもらっています。」
俺は真っ先にステージ前に出ていった。
「ふふふ。本当に、君も捜査官なんですか?あまりに意外過ぎて、捜査官だと聞いてもすぐには信じられませんでしたよ。だって、そうでしょ?そんな間抜けな顔で捜査官って。はははははは。」
「悪かったな。間抜け面で。」
「まだいますよね。あと4人いると聞いていたんですけど。」
そう言って、アヤメの首を絞め始める。
「待って。」
バンケットの制服を着た。杉山さん、灰野。ノエル、稲葉もステージ前に現れる。
「全員集合ですね。今日のイベントはアイドルのスペシャルライブをご用意していたんですが、ちょっと趣向を変えて皆様にヴァンパイアポリスの拷問ショーでもお見せしましょうか。」
会場から大きな歓声が上がる。
俺たち5人も、ステージにあげられた。体の大きなヴァンパイアに羽交い絞めにされて身動きが取れない。
「だ・れ・に・し・よ・う・か・な。誰が拷問されるのを見たいですか?」
「一番端の女だー!」「その痩せて小さな男にしろ!」「金髪のボーイ服のヤローだ!」
我妻の問いにあおられた客が口々に勝手なことを叫び出す。
「でも。僕の腕の中にこんな美人がいるんですから、まずは彼女から始めましょうか。残りの人たちも順番にね。」
我妻がアヤメの首にまわした腕をきつく締めあげる。
「うっ。」
アヤメの顔が苦痛にゆがむ。
その時、我妻の背後から小山のような大きな影が現れて、我妻に体当たりを食らわせる。
予想しない突然の体当たりに、我妻がよろめき頭につけたヘッドセットのマイクが落ちた。
アヤメの首を締め上げていた腕が緩む。
「ええっ、ハビブ???」
我妻を突き飛ばしたのは、作業着姿のハビブだった。
「※マサールヒール イチウ。」
(※こんばんは)
ハビブが手を上げる。
突然の、ハビブの登場に俺の頭は混乱した。が、この好機をアヤメは逃さなかった。
すばやく体勢を立て直すと、赤いドレスのスリットをヒラリとひるがえし、太もものホルスターからすばやく十手を引き抜いた。アヤメの髪の色が黒から赤へみるみる変化していく。赤いドレスに真っ赤な髪のアヤメは紅蓮の火柱のように見えた。
アヤメは、銀の十手を自在に操り、ものすごいスピードでステージ上で仲間を押さえつけていた男たちを次々と倒していく。男たちは頭や顔を押さえながらその場にうずくまった。
「やいやいやい。てめーらの悪事はすべて見させてもらったぜ。この紋所をしっかり見やがれ!大人しく縛につけばよし。歯向かうなら手加減しない。ヴァンパイアポリス、刑部アヤメ。押して参る!」
そう言って警察手帳をかざす。
(なんじゃありゃ。時代劇かよ。)
「カッコイイネ~!」
ハビブは、のんきに拍手を送っている。
この頃になると、パーティーのゲストたちも事の重大さに気が付いたのか、われ先に逃げようと会場に2つある出口に殺到した。
「逃がすと思ったぁ?マジありえないんだけど。大人しく捕まってほしいのよね。」
「ヴァンパイアポリスです。抵抗は無駄です。一列に並んでいただけますか?」
二つの出入り口を杉山さん、ノエルがすでに封鎖していた。
「てめぇ。どけよ!ケガするぜ!」
気の立ったヴァンパイアらしき男が小さな杉山さんに襲い掛かる。
杉山さんは、男のこぶしをするりとかわし、男の後頭部に蹴りを食らわせる。
「ぐうっ」
男は、声にならない梅ぎ声をあげてその場に倒れた。
「抵抗されたので、やむをえず対処しました。」
ノエルの周りでも乱闘が始まったが、ノエルにのされた人で山が出来ている。
「さて、我妻さん。今日はご招待ありがとう。まずは腕に仕込んであるものを外して、こちらに渡していただこうかしら。」
(ん?腕に仕込んだもの?)
我妻は言われるままにスーツの袖から、アームバンドのようなものを外してアヤメに向かって放り投げた。アームバンドには丸い機械のような装置がついている。
アヤメは、その機械をヒールの踵で踏みつぶす。
「あんた、こんなもの使って卑怯よ。痛かったんだから!」
「あれは、日本政府が対ヴァンパイア戦争の時に開発した武器の一種です。ヴァンパイアの動きを止める特殊な電磁波が出ているらしいですよ。」
いつの間にか隣で、見ていた灰野が説明する。
「あれ?灰野。あっちは手伝わなくっていいの?」
俺は杉山さんの方を指さす。
「大丈夫です。ああ見えてチヒロちゃんはすごく強いから。へたに僕が行って人質にでもなったら迷惑かけるし。」
稲葉は、ノエルの脇でノエルの乱闘を嬉々として楽しんでいる。
「さて、コスモスグループ代表の拷問ショーを始めましょうか。」
「そう行けばいいですがね。」
我妻が胸元からか自動式の小型拳銃を取り出す。
「すみませんね。用心の為にいつも持ち歩いているんですよ。中身はお分かりですよね。特注の銀の弾が入っています。」
「殊勝だわね。自ら銃刀法違反まで白状するなんて。」
「このまま私を行かせてく入れれば、あなたを撃つことはしません。いくらヴァンパイアが不死身でも、銀の銃弾ですから当たり所が悪ければひょっとしますよ。さぁ、どうしますか?」
「どうもこうもない。逮捕する。」
我妻の指が引き金にかかる。
俺はとっさに飛び出そうとするが、灰野が俺の服をがっちり掴んでいた。
「大丈夫ですよ。刑部さんなら。チヒロちゃんにも見てろって言われたでしょ。」
パシュッ。
空気が破裂したような軽い音がして弾が発射された。
キンッ。
アヤメが、打ち出された弾を十手で球を払い落とす。
「なに、お前、弾が見えるのか。」
「さぁ、どうかしら。もう一発撃ってみたら?」
パシュッ、パシュッ。
キンッ、キンッ。
アヤメには弾が確実に見えている。
「3発撃ったわね。だとすると残りは3発。撃ってみたら?当たるかもしれないわよ。」
我妻の目は、焦り、諦め、恐怖の色が順番に現れた。
我妻は拳銃を静かに床に置き、両手を上にあげる。
「それでは、我妻代表の拷問ショーのはじま、り、、。」
「刑部さん!相手は既に降伏の意志を示しています。過剰な暴力はヴァンパイア法で、禁止されています!」
封鎖を終えた杉山さんがステージ前に走って来てアヤメを一喝する。
「なによぉ。別に殺しはしないわよ。少しぐらい仕返ししたっていいじゃない、、。」
アヤメの髪の色が一気に黒に戻る。
「本田さん、灰野。あの一番端の列が人間です。身分証を確認して、確認できた人は帰宅させてください。」
「帰宅させていいんですか?」
「人間は我々の管轄ではありません。後日、日本の警察から調べてもらいます。」
俺と灰野は一番端の列に並んだ20人程の人間たちから、身元が確認できるものを提示してもらい、それを書きとめる作業をはじめた。
観念したからか、列に並んだ人間は、素直に身分証を提示する。その中にはうなだれた白鳥もいた。
作業が終わって、俺は大事なことを思い出す。
あっ、ハビブ。
ハビブは、呆然と犯罪者確保の様子を眺めていた。すでにボイラー室で目を覚ました応援部隊も合流している。
「ハビブ!」
俺は彼の肩を叩く。
「ア、イチウ。オマエ、ダイジョウブカ?」
「ハビブのおかげで助かったよ。でも一体ここで何してたんだ?」
「ワタシ、ココデ アルバイト ハジメタヨ。ボイラー ノ ギシ。」
そう言って、ハビブは首から下げた「身分証カード」を見せる。カードにはボイラー技術者と書いてある。
「ボイラー シツニ イッタラ オトコ ノ ヒト イッパイ タオレテタヨ。ヒトリヲ オコシテ ハナシ キイタラ テロダッテ イウカラ タスケニ キタ。イチウト アヤメチャン ガ イタカラビックリ シタヨ。コレモ カミノ オボシメシ。ジャ、ワタシ オシゴト モドリマス。」
そう言ってハビブは会場を出て行った。
ハビブと入れ替わりに。彼らは、手錠を掛けられたヴァンパイア達を次々と連行していった。
「ゲストの皆さん、ご静粛に願います。皆様にはご迷惑が掛からぬよう対策済みです。さて、それでは今ここに潜入されている捜査官の方々、どうかステージ前にいらしてください。ああ、そうだ。いくら待っても追加の応援部隊は来ませんよ。彼らはお疲れのようだったんで、ボイラー室で休んでもらっています。」
俺は真っ先にステージ前に出ていった。
「ふふふ。本当に、君も捜査官なんですか?あまりに意外過ぎて、捜査官だと聞いてもすぐには信じられませんでしたよ。だって、そうでしょ?そんな間抜けな顔で捜査官って。はははははは。」
「悪かったな。間抜け面で。」
「まだいますよね。あと4人いると聞いていたんですけど。」
そう言って、アヤメの首を絞め始める。
「待って。」
バンケットの制服を着た。杉山さん、灰野。ノエル、稲葉もステージ前に現れる。
「全員集合ですね。今日のイベントはアイドルのスペシャルライブをご用意していたんですが、ちょっと趣向を変えて皆様にヴァンパイアポリスの拷問ショーでもお見せしましょうか。」
会場から大きな歓声が上がる。
俺たち5人も、ステージにあげられた。体の大きなヴァンパイアに羽交い絞めにされて身動きが取れない。
「だ・れ・に・し・よ・う・か・な。誰が拷問されるのを見たいですか?」
「一番端の女だー!」「その痩せて小さな男にしろ!」「金髪のボーイ服のヤローだ!」
我妻の問いにあおられた客が口々に勝手なことを叫び出す。
「でも。僕の腕の中にこんな美人がいるんですから、まずは彼女から始めましょうか。残りの人たちも順番にね。」
我妻がアヤメの首にまわした腕をきつく締めあげる。
「うっ。」
アヤメの顔が苦痛にゆがむ。
その時、我妻の背後から小山のような大きな影が現れて、我妻に体当たりを食らわせる。
予想しない突然の体当たりに、我妻がよろめき頭につけたヘッドセットのマイクが落ちた。
アヤメの首を締め上げていた腕が緩む。
「ええっ、ハビブ???」
我妻を突き飛ばしたのは、作業着姿のハビブだった。
「※マサールヒール イチウ。」
(※こんばんは)
ハビブが手を上げる。
突然の、ハビブの登場に俺の頭は混乱した。が、この好機をアヤメは逃さなかった。
すばやく体勢を立て直すと、赤いドレスのスリットをヒラリとひるがえし、太もものホルスターからすばやく十手を引き抜いた。アヤメの髪の色が黒から赤へみるみる変化していく。赤いドレスに真っ赤な髪のアヤメは紅蓮の火柱のように見えた。
アヤメは、銀の十手を自在に操り、ものすごいスピードでステージ上で仲間を押さえつけていた男たちを次々と倒していく。男たちは頭や顔を押さえながらその場にうずくまった。
「やいやいやい。てめーらの悪事はすべて見させてもらったぜ。この紋所をしっかり見やがれ!大人しく縛につけばよし。歯向かうなら手加減しない。ヴァンパイアポリス、刑部アヤメ。押して参る!」
そう言って警察手帳をかざす。
(なんじゃありゃ。時代劇かよ。)
「カッコイイネ~!」
ハビブは、のんきに拍手を送っている。
この頃になると、パーティーのゲストたちも事の重大さに気が付いたのか、われ先に逃げようと会場に2つある出口に殺到した。
「逃がすと思ったぁ?マジありえないんだけど。大人しく捕まってほしいのよね。」
「ヴァンパイアポリスです。抵抗は無駄です。一列に並んでいただけますか?」
二つの出入り口を杉山さん、ノエルがすでに封鎖していた。
「てめぇ。どけよ!ケガするぜ!」
気の立ったヴァンパイアらしき男が小さな杉山さんに襲い掛かる。
杉山さんは、男のこぶしをするりとかわし、男の後頭部に蹴りを食らわせる。
「ぐうっ」
男は、声にならない梅ぎ声をあげてその場に倒れた。
「抵抗されたので、やむをえず対処しました。」
ノエルの周りでも乱闘が始まったが、ノエルにのされた人で山が出来ている。
「さて、我妻さん。今日はご招待ありがとう。まずは腕に仕込んであるものを外して、こちらに渡していただこうかしら。」
(ん?腕に仕込んだもの?)
我妻は言われるままにスーツの袖から、アームバンドのようなものを外してアヤメに向かって放り投げた。アームバンドには丸い機械のような装置がついている。
アヤメは、その機械をヒールの踵で踏みつぶす。
「あんた、こんなもの使って卑怯よ。痛かったんだから!」
「あれは、日本政府が対ヴァンパイア戦争の時に開発した武器の一種です。ヴァンパイアの動きを止める特殊な電磁波が出ているらしいですよ。」
いつの間にか隣で、見ていた灰野が説明する。
「あれ?灰野。あっちは手伝わなくっていいの?」
俺は杉山さんの方を指さす。
「大丈夫です。ああ見えてチヒロちゃんはすごく強いから。へたに僕が行って人質にでもなったら迷惑かけるし。」
稲葉は、ノエルの脇でノエルの乱闘を嬉々として楽しんでいる。
「さて、コスモスグループ代表の拷問ショーを始めましょうか。」
「そう行けばいいですがね。」
我妻が胸元からか自動式の小型拳銃を取り出す。
「すみませんね。用心の為にいつも持ち歩いているんですよ。中身はお分かりですよね。特注の銀の弾が入っています。」
「殊勝だわね。自ら銃刀法違反まで白状するなんて。」
「このまま私を行かせてく入れれば、あなたを撃つことはしません。いくらヴァンパイアが不死身でも、銀の銃弾ですから当たり所が悪ければひょっとしますよ。さぁ、どうしますか?」
「どうもこうもない。逮捕する。」
我妻の指が引き金にかかる。
俺はとっさに飛び出そうとするが、灰野が俺の服をがっちり掴んでいた。
「大丈夫ですよ。刑部さんなら。チヒロちゃんにも見てろって言われたでしょ。」
パシュッ。
空気が破裂したような軽い音がして弾が発射された。
キンッ。
アヤメが、打ち出された弾を十手で球を払い落とす。
「なに、お前、弾が見えるのか。」
「さぁ、どうかしら。もう一発撃ってみたら?」
パシュッ、パシュッ。
キンッ、キンッ。
アヤメには弾が確実に見えている。
「3発撃ったわね。だとすると残りは3発。撃ってみたら?当たるかもしれないわよ。」
我妻の目は、焦り、諦め、恐怖の色が順番に現れた。
我妻は拳銃を静かに床に置き、両手を上にあげる。
「それでは、我妻代表の拷問ショーのはじま、り、、。」
「刑部さん!相手は既に降伏の意志を示しています。過剰な暴力はヴァンパイア法で、禁止されています!」
封鎖を終えた杉山さんがステージ前に走って来てアヤメを一喝する。
「なによぉ。別に殺しはしないわよ。少しぐらい仕返ししたっていいじゃない、、。」
アヤメの髪の色が一気に黒に戻る。
「本田さん、灰野。あの一番端の列が人間です。身分証を確認して、確認できた人は帰宅させてください。」
「帰宅させていいんですか?」
「人間は我々の管轄ではありません。後日、日本の警察から調べてもらいます。」
俺と灰野は一番端の列に並んだ20人程の人間たちから、身元が確認できるものを提示してもらい、それを書きとめる作業をはじめた。
観念したからか、列に並んだ人間は、素直に身分証を提示する。その中にはうなだれた白鳥もいた。
作業が終わって、俺は大事なことを思い出す。
あっ、ハビブ。
ハビブは、呆然と犯罪者確保の様子を眺めていた。すでにボイラー室で目を覚ました応援部隊も合流している。
「ハビブ!」
俺は彼の肩を叩く。
「ア、イチウ。オマエ、ダイジョウブカ?」
「ハビブのおかげで助かったよ。でも一体ここで何してたんだ?」
「ワタシ、ココデ アルバイト ハジメタヨ。ボイラー ノ ギシ。」
そう言って、ハビブは首から下げた「身分証カード」を見せる。カードにはボイラー技術者と書いてある。
「ボイラー シツニ イッタラ オトコ ノ ヒト イッパイ タオレテタヨ。ヒトリヲ オコシテ ハナシ キイタラ テロダッテ イウカラ タスケニ キタ。イチウト アヤメチャン ガ イタカラビックリ シタヨ。コレモ カミノ オボシメシ。ジャ、ワタシ オシゴト モドリマス。」
そう言ってハビブは会場を出て行った。
ハビブと入れ替わりに。彼らは、手錠を掛けられたヴァンパイア達を次々と連行していった。
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