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時の旅人 ②
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三日目。また、爺ちゃんの体の中で目覚める。
さすがにここまで来ると、鈍い俺でもこれが単なる夢でないことに気が付く。
なんだよこれ。いつ自分の体に戻れるんだろう。それに、本当の自分の体はどうなっているんだろう?不安は尽きないが、今はこのまま成り行きに任せるしかない。
それでも、このまま爺ちゃんに、憑依して一生を送らなければならなくなったらどうしよう、、、。と不安な気持ちになった。
爺ちゃんは、今日も同じルーティーンを飽きずに繰り返す。いつもと違ったのは、家の玄関先に届けられた壊れたバイクが母親に見つかって、母親が大激怒したこと。
でも。爺ちゃんは、そんな事全く気にしていなかった。心ここにあらず。きっと、夕べの安芸という娘の事で頭がいっぱいなのだろう。
学校に行っても居眠りもせず、外をぼんやり見たり。恋する男の間抜けさを全身で表している。
「勝也。なんで、今日は居眠りしないんだよ。なんかあったのか?」
友人の一人が声を掛ける、
「あったも、あった。俺、恋しちゃったんだよね~。」
「恋?お前が、何の冗談だよ。相手はなんだ?メスゴリラかなんかだろ。」
「ゴリラじゃねぇよ。妖精みたいに可愛いんだぜ。今度、一緒に映画に行くんだ。」
「なんだと~、勝也のくせに。生意気な!この。この!」
爺ちゃんは、自慢のリーゼントをくしゃくしゃにされても全く気にしてないようだった。恋はここまで人を盲目にするのか、、、。
「それで、何の映画見に行くんだよ。」
「ああ、あれだな。Pーパップ ハイスクール。」
「バカかお前!彼女とのデートで、なんでヤンキー映画なんだよ!一発で振られるぜ。」
「じゃあ。地獄のゾンビライダーなんかどお?」
「お前が、そこまでアホだったとは、、、、。絶対に振られる。目に見えてるよ。」
「それじゃ、何の映画がいいんだよ。教えろよ。」
「今、名画座で恋愛映画の金字塔、「ローマの休日」をやってる。デートなら。それがいい。絶対だ。」
「おお、ローマの休日か、いいじゃん。」
「お前、ローマの休日知ってんのか?」
「知らねぇけど、ローマってのはなんかお洒落な感じがする。早速、前売り券を買いに行こう。」
「おまえ、本当に大丈夫か?俺もデートについて行ってやろうか?」
「邪魔すんじゃねぇよ。安芸の事は、そのうち皆にも紹介するからよ。」
「なにぃ。安芸ちゃんだと。本当に女なのか。羨ましい奴め。」
爺ちゃんは本当に楽しそうだった。そして、その日のうちに、名画座に行き前売り券を2枚買った。
その同じ夜、安芸から電話が入る。初めての女性からの電話に、父も、母も。妹も驚いていた。
約束は金曜日の夜7時。名画座の近くで待ち合わせすることになった。
安芸は電話口で「指切りげんまん」と歌った。
さすがにここまで来ると、鈍い俺でもこれが単なる夢でないことに気が付く。
なんだよこれ。いつ自分の体に戻れるんだろう。それに、本当の自分の体はどうなっているんだろう?不安は尽きないが、今はこのまま成り行きに任せるしかない。
それでも、このまま爺ちゃんに、憑依して一生を送らなければならなくなったらどうしよう、、、。と不安な気持ちになった。
爺ちゃんは、今日も同じルーティーンを飽きずに繰り返す。いつもと違ったのは、家の玄関先に届けられた壊れたバイクが母親に見つかって、母親が大激怒したこと。
でも。爺ちゃんは、そんな事全く気にしていなかった。心ここにあらず。きっと、夕べの安芸という娘の事で頭がいっぱいなのだろう。
学校に行っても居眠りもせず、外をぼんやり見たり。恋する男の間抜けさを全身で表している。
「勝也。なんで、今日は居眠りしないんだよ。なんかあったのか?」
友人の一人が声を掛ける、
「あったも、あった。俺、恋しちゃったんだよね~。」
「恋?お前が、何の冗談だよ。相手はなんだ?メスゴリラかなんかだろ。」
「ゴリラじゃねぇよ。妖精みたいに可愛いんだぜ。今度、一緒に映画に行くんだ。」
「なんだと~、勝也のくせに。生意気な!この。この!」
爺ちゃんは、自慢のリーゼントをくしゃくしゃにされても全く気にしてないようだった。恋はここまで人を盲目にするのか、、、。
「それで、何の映画見に行くんだよ。」
「ああ、あれだな。Pーパップ ハイスクール。」
「バカかお前!彼女とのデートで、なんでヤンキー映画なんだよ!一発で振られるぜ。」
「じゃあ。地獄のゾンビライダーなんかどお?」
「お前が、そこまでアホだったとは、、、、。絶対に振られる。目に見えてるよ。」
「それじゃ、何の映画がいいんだよ。教えろよ。」
「今、名画座で恋愛映画の金字塔、「ローマの休日」をやってる。デートなら。それがいい。絶対だ。」
「おお、ローマの休日か、いいじゃん。」
「お前、ローマの休日知ってんのか?」
「知らねぇけど、ローマってのはなんかお洒落な感じがする。早速、前売り券を買いに行こう。」
「おまえ、本当に大丈夫か?俺もデートについて行ってやろうか?」
「邪魔すんじゃねぇよ。安芸の事は、そのうち皆にも紹介するからよ。」
「なにぃ。安芸ちゃんだと。本当に女なのか。羨ましい奴め。」
爺ちゃんは本当に楽しそうだった。そして、その日のうちに、名画座に行き前売り券を2枚買った。
その同じ夜、安芸から電話が入る。初めての女性からの電話に、父も、母も。妹も驚いていた。
約束は金曜日の夜7時。名画座の近くで待ち合わせすることになった。
安芸は電話口で「指切りげんまん」と歌った。
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