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第十九代白神家当主 ①
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「はぁ?白神家当主ぅ~?ははぁ。さては、毒気にあてられたな。お嬢ちゃん。ここには危険な場所だから早く出ていきなさい。」
俺は彼女を追い払う仕草をする。
「私には耐性があります故、毒気になどあてられてはおりませぬ。なにせ白神でございますからな。」
「白神家はもう無いって聞いたけど。」
俺がそう言うと、少女ははらはらと涙を流す。
「さよう。お館様の申す通りでございます、我が白神家は、先代めが己の主を刃に掛けるという凶行におよび取り潰しになりました。お家としての白神は現在はございませぬ。でも、それは単にお家としての存在が無くなったという事であり、白神の血は我が体内に流れております。」
「なるほどね。わかったよ。それでもここは子どもにとって、危険な場所だから、早く家に帰りなさい。」
「お館さまはお幾つにおなりで?」
「18歳だよ。」
「それなら、私と同じ年ではありませんか。私めが子どもであるなら、お館様も子どもにございますぞ。それに、歴代の白神は我が年齢には主と共に魔物討伐に出ておりますから。心配無用にございます。」
(あ~もう。長命種族め。)
「あのね、ゆずちゃんだっけ?俺はまだ守人になったわけじゃないんだよ。今その試験の最中ね。」
「それなら、心配には及びません。このように長い時間この場所におられて何も問題がないのであれば、お館様は試験に合格したも同然でございましょう。」
(え?そうなの、、、。これって、その為の試験なの?俺、合格なのか、、、。)
俺はがっくりと肩を落とす。
「明日の試験を心配しておられるのですな、ご安心くださいお館様。明日の試験も、このゆずめ。誠心誠意、助太刀いたします故。大船に乗った気持ちでど~んと構えておられれば良いのです。」
「違うよ、ゆずちゃん。俺は守人になんかなりたくないんだよ。試験に落ちればいいと思ってるわけ。だから、ゆずちゃんはもう帰っていいよ。明日、試験があっても来なくていいからね。君も何かやりたいことはないのかい?ほら、白神家のお役目意外に何かって意味ね。」
「杜人家の当主候補とあろう者が、、そんな事を申されるとは、、なげかわしや、、、、。ゆずは、白神家のお役目以外にしたいことなどございません。ゆずの願いはただ一つ。白神家の再興のみ!」
「それでも、俺には白神家を再興する力はない。残念だけど諦めて、、、」
「諦めるわけには参りません!失意のうちに亡くなった祖父の為にも。ゆずめがきっと白神の家を、、、。」
俺は時計を見る。「4:15」
「おい、ゆずちゃん。もうすぐ夜が明けるぜ。お前帰らなくていいのか?」
「はい。ゆずは、明日の試験に備え、ここに泊まりこみま、、、。」
「だ~め~だっ!」
こんなところに、いたいけな少女一人残していくわけにいかない。
「お館様は、まだ杜人家の当主ではございません、ゆずがどこに泊まろうとゆずの勝手でございましょう。」
このクソガキ。
「よしわかった。勝手にしろ。そのかわり俺が当主になった場合だな、当主の言うことを聞かない部下なんかいらないから、お前は絶対に部下にしないからな!」
「おおおお。それでは、ご当主になった暁には、このゆずめを、白神を、また部下にしてくださると、、、。お館様の命令は絶対でございます。ゆずはこれにて失礼仕ります。それでは今宵、また馳せ参じますので、ごめんくださいませ。」
そう言うとゆずは颯のように帰って行った。
すっかりその気にさせてしまって、、、まずかったかな、、、。
あんな子どもが、お家の再興だの、お役目だの、、、。俺はすっかりゆずが気の毒になった。
ゆずのお陰で、退屈しないですんだ。それには感謝だ。俺は、ラジオをつける。
「お早うニュース。たった今、入って来たニュースです。昨夜、ヴァン共反会の残党による暴動が起こり駆け付けたヴァンパイアポリスによって鎮圧されました。」
ヴァンパイアポリスのみんなは頑張っているようだ。1日も早く、試験に落ちて帰らなければ!
俺は、気持ちを新たに。夜が明けるのを待った。
俺は彼女を追い払う仕草をする。
「私には耐性があります故、毒気になどあてられてはおりませぬ。なにせ白神でございますからな。」
「白神家はもう無いって聞いたけど。」
俺がそう言うと、少女ははらはらと涙を流す。
「さよう。お館様の申す通りでございます、我が白神家は、先代めが己の主を刃に掛けるという凶行におよび取り潰しになりました。お家としての白神は現在はございませぬ。でも、それは単にお家としての存在が無くなったという事であり、白神の血は我が体内に流れております。」
「なるほどね。わかったよ。それでもここは子どもにとって、危険な場所だから、早く家に帰りなさい。」
「お館さまはお幾つにおなりで?」
「18歳だよ。」
「それなら、私と同じ年ではありませんか。私めが子どもであるなら、お館様も子どもにございますぞ。それに、歴代の白神は我が年齢には主と共に魔物討伐に出ておりますから。心配無用にございます。」
(あ~もう。長命種族め。)
「あのね、ゆずちゃんだっけ?俺はまだ守人になったわけじゃないんだよ。今その試験の最中ね。」
「それなら、心配には及びません。このように長い時間この場所におられて何も問題がないのであれば、お館様は試験に合格したも同然でございましょう。」
(え?そうなの、、、。これって、その為の試験なの?俺、合格なのか、、、。)
俺はがっくりと肩を落とす。
「明日の試験を心配しておられるのですな、ご安心くださいお館様。明日の試験も、このゆずめ。誠心誠意、助太刀いたします故。大船に乗った気持ちでど~んと構えておられれば良いのです。」
「違うよ、ゆずちゃん。俺は守人になんかなりたくないんだよ。試験に落ちればいいと思ってるわけ。だから、ゆずちゃんはもう帰っていいよ。明日、試験があっても来なくていいからね。君も何かやりたいことはないのかい?ほら、白神家のお役目意外に何かって意味ね。」
「杜人家の当主候補とあろう者が、、そんな事を申されるとは、、なげかわしや、、、、。ゆずは、白神家のお役目以外にしたいことなどございません。ゆずの願いはただ一つ。白神家の再興のみ!」
「それでも、俺には白神家を再興する力はない。残念だけど諦めて、、、」
「諦めるわけには参りません!失意のうちに亡くなった祖父の為にも。ゆずめがきっと白神の家を、、、。」
俺は時計を見る。「4:15」
「おい、ゆずちゃん。もうすぐ夜が明けるぜ。お前帰らなくていいのか?」
「はい。ゆずは、明日の試験に備え、ここに泊まりこみま、、、。」
「だ~め~だっ!」
こんなところに、いたいけな少女一人残していくわけにいかない。
「お館様は、まだ杜人家の当主ではございません、ゆずがどこに泊まろうとゆずの勝手でございましょう。」
このクソガキ。
「よしわかった。勝手にしろ。そのかわり俺が当主になった場合だな、当主の言うことを聞かない部下なんかいらないから、お前は絶対に部下にしないからな!」
「おおおお。それでは、ご当主になった暁には、このゆずめを、白神を、また部下にしてくださると、、、。お館様の命令は絶対でございます。ゆずはこれにて失礼仕ります。それでは今宵、また馳せ参じますので、ごめんくださいませ。」
そう言うとゆずは颯のように帰って行った。
すっかりその気にさせてしまって、、、まずかったかな、、、。
あんな子どもが、お家の再興だの、お役目だの、、、。俺はすっかりゆずが気の毒になった。
ゆずのお陰で、退屈しないですんだ。それには感謝だ。俺は、ラジオをつける。
「お早うニュース。たった今、入って来たニュースです。昨夜、ヴァン共反会の残党による暴動が起こり駆け付けたヴァンパイアポリスによって鎮圧されました。」
ヴァンパイアポリスのみんなは頑張っているようだ。1日も早く、試験に落ちて帰らなければ!
俺は、気持ちを新たに。夜が明けるのを待った。
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