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白神剣護の野望 ①
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約束通り翌日。膨大な量のトキオに関する分厚い資料が司さんから送られてきた。
司さんって、やればできる人だったんだな、、、。
資料配布の前に半沢主任から俺に関する説明が行われた。
話は俺がヴァンパイアのクォータであることから始まり、その血統が杜人家であること、そして最近守人に就任した事へと順序良く説明される。
ヴァンパイアのメンバーは守人について説明が必要な者はいなかったが、眷属メンバーは逆に守人について知ってる者は一人もいなかった。
資料を全員分コピーする作業に時間がかかった。あの資料の厚さでは仕方ないか、、。
「一宇って守人だったんだぁ。なんかカッコいいじゃん。」
話し合いが終わった後で、俺に真っ先に話しかけてきたのはノエルだった。
「なんで、みんな守人を知ってんの?」
「小学校で習うからに決まってんじゃん。でも、モノホンの守人って本当にいたんだね。ノエル、伝説かと思ってたよ。」
げっ。小学校で、、、そうなのか、、、、。ちょっと嫌かも。
俺とノエルの話の輪の中に無言の類がいた。類は妙にキラキラした目で俺を見ている。
これは好意的な反応と受けとって大丈夫だろう。
高木班長は、山田さんや他の眷属隊メンバーに守人の説明をしている真っ最中だ。
杉山さんは、、、。いつもと変わらず、杉山さんだった。
大丈夫。ここの仲間たちは俺が守人でも、刑部アヤメの眷属でも変わらない。俺を俺として受け止めてくれる。
資料の準備が整い、ミーティングが始まった。
配られた資料を各自が読み込む。資料の中には、俺が想像していたよりずっとやばい白神の計画が書かれてあった。白神の計画、それは、、日本消滅計画。
人間だけじゃなく、ヴァンパイアもろとも日本から消し去るというものだ。
初めは宮城にあるゲートを破壊、東日本を壊滅させる。その後は、岐阜にあるゲートも襲撃し、最終的には日本国内のすべての人間とヴァンパイアを抹殺することを計画していた。
そんなことをすれば、白神の命だってただじゃすまないはずなのに、、、。
その疑問の答えは、そのすぐ後に書かれていた。
白神は全ての人間を憎むのと同じくらい、ヴァンパイアの民も、そして何より自分自身を憎んでいる。これは、トキオの脳内から読み取ったもので、白神の真意はわからないと但書きが付けられていた。
第一段階の東門の破壊計画は計画自体が、かなり進んでいた。本当は守人不在の内に計画を実行する予定だったが、一宇が守人に就任した事を受け、守人の仕事に不慣れなうちに計画を実行しようと焦っていたようだ。そんな焦りが綻びとなって今回の計画の一端が露呈したのではないか、と司さんは私見を述べている。
先日、高橋モータースの息子から受け取った、銀製の紋章がついた物体の使い道も判明した。あれはやはり、ロケットランチャーの弾に装着され、洞窟の中に打ち込む予定だった。
俺は、あの紋章をどこで見たのか思い出した、、。
あれは安芸と勝也が祭られた社。それと、洞窟の入り口のしめ縄に付けられた和紙にも同じものが書かれている、魔物封印の紋章。
真偽のほどはわからないが、白神はその特殊な弾を洞窟に打ち込むことによって、魔界とのゲートが開くと考えていた。もし、イーストゲートが破壊されたら、中から一度に大量の魔物と、ヴァンパイアを狂わせる瘴気が出てくる。
まずは、あの周囲に住むヴァンパイアが魔物に襲われるだろう。襲われなかった者たちもゲートから流れ出る瘴気に犯され理性を失い魔物に変わり、人間を襲い始める。
魔物と戦う術を持たない人間に勝ち目はない。あっという間にこの周囲に住む人間は駆逐される。
弾が撃ち込まれてから、人間が消滅するまでは1週間とかからないと報告書には書かれていた。これにも、あくまで白神の予測であると但書きがあった。人間が消滅した時点では、全てのヴァンパイアも理性を失い魔物と化していることが予測される。
ゲートさえ開いてしまえば、白神が何もしなくても後は終末へ向かって勝手にことは、進んでいく。
この計画には、不明な部分もあった。トキオに知らされていない謎の部分だ。トキオは、この計画の他に白神が何か他の事を計画していると考えていたようだ。トキオは、そのことを不審に思っていたが、白神への信頼が厚く。この事を白神に問いただせずにいた。でもトキオの心の中には、その事がしこりのように残っていた。
トキオの出生についても記載があった。
彼は、市内で輸入業を営む裕福な家庭の一人息子として生まれた。その生活が変化したのは、ヴァンパイア戦争によって、父親の経営する輸入業が成り立たなくなったことに始まる。
お金がある時にちやほやしてくれた父親の友人や親戚は雲の子を散らすように父親から離れていった。生活は困窮し、会社も家も失ったトキオの父親はノイローゼ状態に陥り、一家心中を考えるようになる。
ある夜、発作的に父親が母親を刺し殺した。そのシーンを偶然、目撃したトキオは裸足で外に逃げ出したが、すぐに父親に追いつかれる。そして、殺される寸前にトキオはその命を白神に助けられた。
白神は、トキオに「お父さんを楽にしてあげなさい。」と言って父親を殺させ、そして、トキオを自分の眷属にした。
トキオは、母親を殺し自分を殺そうとした弱い父親。薄情な親戚や父親の友人たちと同じ人間を憎み。突然戦争を起こして、幸せなトキオの家庭を壊したヴァンパイアを憎んだ。そして、自分を助けてくれた白神に傾倒し、白神の手足となって悪事に手を染めていく。
トキオ自身も生に対して執着が少なく。白神と同じく世の中をすべて壊してしまいたいという妄想に囚われている。
全てを壊してしまうという妄想に取りつかれた二人が今回の事件を引き起こしていた。
二人は、ヴァンパイアマフィアを使い金を集め。ヴァン共反会を使い人間とヴァンパイアを反目させて混乱を起こして再度、人間とヴァンパイアを戦争へ向かわせようとしていた。
でも、その計画がが次々とヴァンパイアポリスの働きで潰されていった。
そこで、ヴァンパイアポリスを狙ったテロ事件を起こそうとする。ヴァンパイアポリスを狙った理由としては、守人の血を受け継ぐ一宇がいたことと、ヴァンパイアポリスに対する逆恨みからだった。
資料を読み終わった捜査官と眷属隊のメンバーは、あまりの内容に言葉を失っていた。
もしこんな事が実際に起こったら、今まで築き上げて来たものすべてが失われてしまう。人々の暮らしも、文明も、そして、始まったばかりのヴァンパイアと人間の共存する社会も。
トキオを失い白神が次にどんな手を売って来るかは予測がつかない。でも、俺たちは万全の態勢でそれを迎え撃ち奴の計画を阻止しなければならない。
司さんって、やればできる人だったんだな、、、。
資料配布の前に半沢主任から俺に関する説明が行われた。
話は俺がヴァンパイアのクォータであることから始まり、その血統が杜人家であること、そして最近守人に就任した事へと順序良く説明される。
ヴァンパイアのメンバーは守人について説明が必要な者はいなかったが、眷属メンバーは逆に守人について知ってる者は一人もいなかった。
資料を全員分コピーする作業に時間がかかった。あの資料の厚さでは仕方ないか、、。
「一宇って守人だったんだぁ。なんかカッコいいじゃん。」
話し合いが終わった後で、俺に真っ先に話しかけてきたのはノエルだった。
「なんで、みんな守人を知ってんの?」
「小学校で習うからに決まってんじゃん。でも、モノホンの守人って本当にいたんだね。ノエル、伝説かと思ってたよ。」
げっ。小学校で、、、そうなのか、、、、。ちょっと嫌かも。
俺とノエルの話の輪の中に無言の類がいた。類は妙にキラキラした目で俺を見ている。
これは好意的な反応と受けとって大丈夫だろう。
高木班長は、山田さんや他の眷属隊メンバーに守人の説明をしている真っ最中だ。
杉山さんは、、、。いつもと変わらず、杉山さんだった。
大丈夫。ここの仲間たちは俺が守人でも、刑部アヤメの眷属でも変わらない。俺を俺として受け止めてくれる。
資料の準備が整い、ミーティングが始まった。
配られた資料を各自が読み込む。資料の中には、俺が想像していたよりずっとやばい白神の計画が書かれてあった。白神の計画、それは、、日本消滅計画。
人間だけじゃなく、ヴァンパイアもろとも日本から消し去るというものだ。
初めは宮城にあるゲートを破壊、東日本を壊滅させる。その後は、岐阜にあるゲートも襲撃し、最終的には日本国内のすべての人間とヴァンパイアを抹殺することを計画していた。
そんなことをすれば、白神の命だってただじゃすまないはずなのに、、、。
その疑問の答えは、そのすぐ後に書かれていた。
白神は全ての人間を憎むのと同じくらい、ヴァンパイアの民も、そして何より自分自身を憎んでいる。これは、トキオの脳内から読み取ったもので、白神の真意はわからないと但書きが付けられていた。
第一段階の東門の破壊計画は計画自体が、かなり進んでいた。本当は守人不在の内に計画を実行する予定だったが、一宇が守人に就任した事を受け、守人の仕事に不慣れなうちに計画を実行しようと焦っていたようだ。そんな焦りが綻びとなって今回の計画の一端が露呈したのではないか、と司さんは私見を述べている。
先日、高橋モータースの息子から受け取った、銀製の紋章がついた物体の使い道も判明した。あれはやはり、ロケットランチャーの弾に装着され、洞窟の中に打ち込む予定だった。
俺は、あの紋章をどこで見たのか思い出した、、。
あれは安芸と勝也が祭られた社。それと、洞窟の入り口のしめ縄に付けられた和紙にも同じものが書かれている、魔物封印の紋章。
真偽のほどはわからないが、白神はその特殊な弾を洞窟に打ち込むことによって、魔界とのゲートが開くと考えていた。もし、イーストゲートが破壊されたら、中から一度に大量の魔物と、ヴァンパイアを狂わせる瘴気が出てくる。
まずは、あの周囲に住むヴァンパイアが魔物に襲われるだろう。襲われなかった者たちもゲートから流れ出る瘴気に犯され理性を失い魔物に変わり、人間を襲い始める。
魔物と戦う術を持たない人間に勝ち目はない。あっという間にこの周囲に住む人間は駆逐される。
弾が撃ち込まれてから、人間が消滅するまでは1週間とかからないと報告書には書かれていた。これにも、あくまで白神の予測であると但書きがあった。人間が消滅した時点では、全てのヴァンパイアも理性を失い魔物と化していることが予測される。
ゲートさえ開いてしまえば、白神が何もしなくても後は終末へ向かって勝手にことは、進んでいく。
この計画には、不明な部分もあった。トキオに知らされていない謎の部分だ。トキオは、この計画の他に白神が何か他の事を計画していると考えていたようだ。トキオは、そのことを不審に思っていたが、白神への信頼が厚く。この事を白神に問いただせずにいた。でもトキオの心の中には、その事がしこりのように残っていた。
トキオの出生についても記載があった。
彼は、市内で輸入業を営む裕福な家庭の一人息子として生まれた。その生活が変化したのは、ヴァンパイア戦争によって、父親の経営する輸入業が成り立たなくなったことに始まる。
お金がある時にちやほやしてくれた父親の友人や親戚は雲の子を散らすように父親から離れていった。生活は困窮し、会社も家も失ったトキオの父親はノイローゼ状態に陥り、一家心中を考えるようになる。
ある夜、発作的に父親が母親を刺し殺した。そのシーンを偶然、目撃したトキオは裸足で外に逃げ出したが、すぐに父親に追いつかれる。そして、殺される寸前にトキオはその命を白神に助けられた。
白神は、トキオに「お父さんを楽にしてあげなさい。」と言って父親を殺させ、そして、トキオを自分の眷属にした。
トキオは、母親を殺し自分を殺そうとした弱い父親。薄情な親戚や父親の友人たちと同じ人間を憎み。突然戦争を起こして、幸せなトキオの家庭を壊したヴァンパイアを憎んだ。そして、自分を助けてくれた白神に傾倒し、白神の手足となって悪事に手を染めていく。
トキオ自身も生に対して執着が少なく。白神と同じく世の中をすべて壊してしまいたいという妄想に囚われている。
全てを壊してしまうという妄想に取りつかれた二人が今回の事件を引き起こしていた。
二人は、ヴァンパイアマフィアを使い金を集め。ヴァン共反会を使い人間とヴァンパイアを反目させて混乱を起こして再度、人間とヴァンパイアを戦争へ向かわせようとしていた。
でも、その計画がが次々とヴァンパイアポリスの働きで潰されていった。
そこで、ヴァンパイアポリスを狙ったテロ事件を起こそうとする。ヴァンパイアポリスを狙った理由としては、守人の血を受け継ぐ一宇がいたことと、ヴァンパイアポリスに対する逆恨みからだった。
資料を読み終わった捜査官と眷属隊のメンバーは、あまりの内容に言葉を失っていた。
もしこんな事が実際に起こったら、今まで築き上げて来たものすべてが失われてしまう。人々の暮らしも、文明も、そして、始まったばかりのヴァンパイアと人間の共存する社会も。
トキオを失い白神が次にどんな手を売って来るかは予測がつかない。でも、俺たちは万全の態勢でそれを迎え撃ち奴の計画を阻止しなければならない。
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