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白神剣護の野望 ②
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ミーティングをしていた会議室にスーツ姿の男たちが数人入って来る、それに続いて秦平助首相と宗助所長が入って来た。この二人を同時に見るのは初めてだ。
司さんが、この二人にも今回の報告書を送ったようだ。ヴァンパイア社会の一大事に彼らが来るのは当然だろう。彼らも参加して、本格的なミーティングが始まった。
いつの間にか、俺の隣に宗助所長が自分で椅子をもってきて座っている。
「一宇君。大変な事になったねぇ。アタシは平和な世の中で平々凡々と暮らしたいだけなんですけど。たぶん、これから発表になると思いますが、守人の君とゆずちゃんは、すぐに東門地区に戻ってもらうことになります。それと、ヴァンパイアポリスの重大犯罪捜査班も一時的に東門地区に派遣されることが決まりましたから。」
宗助所長が、そう俺に耳打ちする。
「それとね。あの報告書を読んでちょっと気になることがあるんで、アタシは調べ物をしてから、東門に向かいます。後で合流しましょう。一宇君。今が踏ん張りどころですよ。」
そう言っていつもの何か企んだような魅力的な笑顔を浮かべた。
宗助所長の言った通り、守人の俺と白神のゆず。重大犯罪捜査班の東門地区の警備が発表される。しかも、今日このミーティング終了後すぐに移動することになった。
ミーティング終了後、俺とアヤメは急いで刑部家に戻る。あらかじめ高梨さんに連絡を入れていたのでゆずの帰宅準備は高梨さんに任せておけば大丈夫だろう。
あまりの事態にアヤメも車の中で無言だった。刑部家が近づいてきた頃、アヤメが口を開く。
「いったい、ゆずになんて説明したらいいのよ。」
俺も同じことを考えていた。白神の任務にゆずを戻したのは本当によかったのか、、。これから始まる危険な戦いにゆずを巻き込んでしまった。しかも、ゆずは先代の当主が引き起こした今回の事件にも心を痛めることになるだろう。
「俺が、ゆずに説明する。ゆずを傷つけることになると思う。でも、俺がゆずを白神の任務に戻したんだ。俺はゆずを守る。絶対に守る。」
会話はそこで終わった。
刑部家に到着する。ゆずはすっかり準備を整えて俺たちの帰りを待っていた。
高梨さんは、俺とアヤメの荷物も準備しておいてくれたらしい。俺たちはすぐに出発することになった。
ゆずは何かを察しているのか、高梨さんに滞在中のお礼を丁寧に言ってから、別れを告げた。
高梨さんの胸には、ゆずのお土産のベニーランドのバッチが今日も付けられていた。
「ゆず様、この次ここに泊まりに来たときは、ゆず様とアヤメ様、一宇様と私のみんなで八木山ベニーランドに行きましょう。私をベニーランドに連れて行ってくださると約束してくださいますか?」
「もちろんです。高梨さん、必ず4人でベニーランドに行きましょう。」
ゆずと高梨さんは笑顔で指切りをして別れた。
「ゆず。家まで俺のバイクに乗って行くか?」
「お館様のバイクですか?はい。もちろんです。」
俺は、三人分の荷物をアヤメが運転する自動車に乗せた後、ベスパを刑部家の駐輪場から出してくる。ガソリンは高梨さんが満タンにしておいてくれた。
俺はゆずにヘルメットをかぶらせ、シートにゆずを座らせた。
「お館様。東門で何かあったのですね。」
ゆずが俺の目を真っすぐ見つめて訊ねる。
「そうだ、ゆず。詳しい話はあっちでするから。」
そう言って俺もヘルメットを被る。
バイクをスタートさせる。
俺のバイクに続き、アヤメの乗る自動車も走り出した。
バックミラーには大きく手を振る高梨さんの姿が見えた。
俺は、ゆずと高梨さん、二人の約束を果たすため絶対にここに3人で戻って来ると心に決めていた。
司さんが、この二人にも今回の報告書を送ったようだ。ヴァンパイア社会の一大事に彼らが来るのは当然だろう。彼らも参加して、本格的なミーティングが始まった。
いつの間にか、俺の隣に宗助所長が自分で椅子をもってきて座っている。
「一宇君。大変な事になったねぇ。アタシは平和な世の中で平々凡々と暮らしたいだけなんですけど。たぶん、これから発表になると思いますが、守人の君とゆずちゃんは、すぐに東門地区に戻ってもらうことになります。それと、ヴァンパイアポリスの重大犯罪捜査班も一時的に東門地区に派遣されることが決まりましたから。」
宗助所長が、そう俺に耳打ちする。
「それとね。あの報告書を読んでちょっと気になることがあるんで、アタシは調べ物をしてから、東門に向かいます。後で合流しましょう。一宇君。今が踏ん張りどころですよ。」
そう言っていつもの何か企んだような魅力的な笑顔を浮かべた。
宗助所長の言った通り、守人の俺と白神のゆず。重大犯罪捜査班の東門地区の警備が発表される。しかも、今日このミーティング終了後すぐに移動することになった。
ミーティング終了後、俺とアヤメは急いで刑部家に戻る。あらかじめ高梨さんに連絡を入れていたのでゆずの帰宅準備は高梨さんに任せておけば大丈夫だろう。
あまりの事態にアヤメも車の中で無言だった。刑部家が近づいてきた頃、アヤメが口を開く。
「いったい、ゆずになんて説明したらいいのよ。」
俺も同じことを考えていた。白神の任務にゆずを戻したのは本当によかったのか、、。これから始まる危険な戦いにゆずを巻き込んでしまった。しかも、ゆずは先代の当主が引き起こした今回の事件にも心を痛めることになるだろう。
「俺が、ゆずに説明する。ゆずを傷つけることになると思う。でも、俺がゆずを白神の任務に戻したんだ。俺はゆずを守る。絶対に守る。」
会話はそこで終わった。
刑部家に到着する。ゆずはすっかり準備を整えて俺たちの帰りを待っていた。
高梨さんは、俺とアヤメの荷物も準備しておいてくれたらしい。俺たちはすぐに出発することになった。
ゆずは何かを察しているのか、高梨さんに滞在中のお礼を丁寧に言ってから、別れを告げた。
高梨さんの胸には、ゆずのお土産のベニーランドのバッチが今日も付けられていた。
「ゆず様、この次ここに泊まりに来たときは、ゆず様とアヤメ様、一宇様と私のみんなで八木山ベニーランドに行きましょう。私をベニーランドに連れて行ってくださると約束してくださいますか?」
「もちろんです。高梨さん、必ず4人でベニーランドに行きましょう。」
ゆずと高梨さんは笑顔で指切りをして別れた。
「ゆず。家まで俺のバイクに乗って行くか?」
「お館様のバイクですか?はい。もちろんです。」
俺は、三人分の荷物をアヤメが運転する自動車に乗せた後、ベスパを刑部家の駐輪場から出してくる。ガソリンは高梨さんが満タンにしておいてくれた。
俺はゆずにヘルメットをかぶらせ、シートにゆずを座らせた。
「お館様。東門で何かあったのですね。」
ゆずが俺の目を真っすぐ見つめて訊ねる。
「そうだ、ゆず。詳しい話はあっちでするから。」
そう言って俺もヘルメットを被る。
バイクをスタートさせる。
俺のバイクに続き、アヤメの乗る自動車も走り出した。
バックミラーには大きく手を振る高梨さんの姿が見えた。
俺は、ゆずと高梨さん、二人の約束を果たすため絶対にここに3人で戻って来ると心に決めていた。
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