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最終決戦 ②
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炭水化物を取ったせいか眠くなってきた。こんな時に、白神との闘いに何ら解決策も見つけられないのに、、眠くなるって、、、。俺も随分と神経が図太くなったもんだ。
うとうとしている間に夢を見た。
俺は夢の中で、白神と戦っていた。俺はそれが夢だと気が付いている。
でも、夢の中の俺は白神に押し負かされ、恐怖と焦りでいっぱいいっぱいだった。
白神の持っている剣が俺を貫く。俺は断末魔の声をあげて地面に倒れた。もう駄目だ、、、。
「まったく情けないの。これがわらわと勝也の孫とは、、、。このままでは、わらわが木偶人形にされて剣護のおもちゃにされてしまうではないか。」
「え?ばあちゃん。」
今まで戦っていた白神の姿はもうなかった。そのかわりというか、目の前には、祖母の安芸が立っていた。さっき白神に剣で貫かれた傷もきれいになくなっている。
「やっぱり、夢か、、、。」
「そうじゃ。夢と分かっておったのなら、もっとハチャメチャに戦えばよいものを、、、情けないぞ一宇。お前はわらわの孫であろう?夢で負けるということは、既に気持ちが負けているという事じゃ。一宇。お前が守る者達、愛する者たちの事を思い出せ。そうすれば、わらわにだけ執着して妄想に取りつかれた剣護になど負けるわけがないわ、このたわけ者が。」
「なんか、白神を倒す秘策とかないの?」
「男と男の真剣勝負にそんなものあるわけが無かろう。」
「ただ、わらわには分かる、お前は負けぬ、一宇。さぁ、そろそろ起きるがよいぞ。里美が何やら作っておったぞ。」
そう言って、祖母は消え、俺は目を覚ます。俺は悪夢に寝汗をかいていたので、みんなを起こさないように服を着替えて食堂に向かう。
「あら一宇さん。ちょうど今から声を掛けに行こうかと思ってたんですよ。」
里美さんがそう言いながら、白い皿の上に赤いナポリタンを盛った。
「召し上がれ。」
「いただきます。あ、これすごく旨いです。」
「私が勝也さんと行ったお店の味に、かなり近いと思うわ。過去で見たんでしょ?」
「はい。二人ともすごく旨そうに食べてたから、俺も食べてみたいなぁって思って。」
「いつでも、作ってあげるから食べたくなったら遠慮なく言ってね。」
里美さんがそう言った。
これで26個目だ。さっき祖母に言われて俺は、俺が守るべき愛する人たちの事を数え始めていた。
夕焼け空の赤い色が、食堂のすりガラス越しに射しこんできている。もうそろそろ何かが起こり、ここにいる人たちが「人払い」されるはずだ。それがいつ起こるのか、食事を終えた俺は、部屋に戻りかたずをのんでそれが起こるのを待っていた。
それが起こったのは、あたりが暗くなり、みんながぞろぞろ起き出してきたその時だった。一瞬目の前の景色がぐらついたかと思った次の瞬間。男部屋にいたメンバーが一瞬で消えた。
俺は慌てて部屋を飛び出し、女子部屋や、食堂を確認するが誰もいない。ついさっきまで人のいた気配はあるのに、人っ子一人いなくなっている。
白神が動いたのか。でも、みんなはどこに行ったんだ。
「約束は守りましたよ。皆さんには他の場所へ移動していただきました。あなたが疑り深いといけないので、見せてあげますよ。」
通路の先に白神が立っていた。
そう言って、白神が俺にスマホを投げてよこす。
スマホには、ここにいた人たちの映像が映っていた。ひとりひとりの確認はできないが、みんな無事なようだ。
「今、ここにいるのは、あなたと私。それと人質のお嬢さんの3人だけです。さぁ、彼らが戻ってくる前に決着をつけましょうか。まぁ、彼らが戻って来るまでにはたっぷりと時間がありますから、その前にすべては終わっていると思いますがね。」
俺は白神の後を追って寺を出る。白神は東門のすぐ前、社のすぐ横で立ち止まる。
「さぁ、はじめましょうか。」
白神が、そう言って俺の方へ一歩踏み出す。
「お館様ぁ~。」
なに、ゆずか。
「白神、俺は助っ人はいらない。ゆずはこの戦いには参戦させないぞ!」
「おやおや、あの小娘。どこに紛れ込んでいたんでしょう。これはアクシデントですよ。」
白神がそんなことを言った。
「お前は、剣護!お館様に何をするつもりだ!」
ゆずが背中から小十郎の槍を引き抜き構えた。
「待て、ゆず!」
俺は咄嗟に異次元を出してその中にゆずを引き込む。
「ゆず、お前どうしてここに?」
「ゆずは、お館様の異次元が大きくて羨ましかったので、自分のも広く出来ないか訓練していたのです。今日ようやくゆずが入れるくらいの広さになって、中に入り外に出てみたら、誰もいなくなってて、それで。」
なんて魔の悪い、、、。
「お館様。どういうことでございますか。剣護と戦うならゆずも一緒に。」
「ダメだゆず。これは俺と剣護の戦いだ。」
「剣護は強うございます。どうか、どうかゆずを助っ人に。」
「だめだ、ゆず。よく聞くんだ。もし俺がやられたらお前が剣護を倒さなければならない。二人同時に戦って二人ともやられてしまったら、どうする?」
これは、ゆずを戦いに参加させないための嘘だった。
「もし、俺がやられたら、俺の作ったこの異次元も消える、そしたら後の事はゆず。お前に任せたぞ。」
ゆずは正座して、膝の上で拳を握りしめている。その拳に涙の粒が落ちる。
「ゆずはそんなの嫌です。でも、でも、、、。」
「ゆず、俺は負けない。お前やみんなのために必ず剣護を倒すよ。お前は俺が負けると思うか?」
「思いません、お館様はきっと剣護を倒します!」
「よし、じゃあ、俺が戻って来るまでゆずはここで待ってるんだ。わかったな。」
「はい。ゆずはお館様のお帰りまでここで待っています。だから、必ず、必ずお戻りください、、。」
「わかった、じゃ。行ってくるよ。」
俺は異次元の扉を閉める
「とんだ邪魔が入りましたね、さぁ、始めましょうか。」
「待て、アヤメはどこだ。」
「ああ、刑部の娘ならほらあそこに。」白神が指さす先に松の木に縛られたアヤメの姿が見えた。
「さぁ、もういいでしょう?そんなに命が惜しいのですか?」
「わかった。始めよう。」
俺と白神は、2mほどの距離を置いて向かい合った。いよいよ俺たちの最後戦いが始まる。
うとうとしている間に夢を見た。
俺は夢の中で、白神と戦っていた。俺はそれが夢だと気が付いている。
でも、夢の中の俺は白神に押し負かされ、恐怖と焦りでいっぱいいっぱいだった。
白神の持っている剣が俺を貫く。俺は断末魔の声をあげて地面に倒れた。もう駄目だ、、、。
「まったく情けないの。これがわらわと勝也の孫とは、、、。このままでは、わらわが木偶人形にされて剣護のおもちゃにされてしまうではないか。」
「え?ばあちゃん。」
今まで戦っていた白神の姿はもうなかった。そのかわりというか、目の前には、祖母の安芸が立っていた。さっき白神に剣で貫かれた傷もきれいになくなっている。
「やっぱり、夢か、、、。」
「そうじゃ。夢と分かっておったのなら、もっとハチャメチャに戦えばよいものを、、、情けないぞ一宇。お前はわらわの孫であろう?夢で負けるということは、既に気持ちが負けているという事じゃ。一宇。お前が守る者達、愛する者たちの事を思い出せ。そうすれば、わらわにだけ執着して妄想に取りつかれた剣護になど負けるわけがないわ、このたわけ者が。」
「なんか、白神を倒す秘策とかないの?」
「男と男の真剣勝負にそんなものあるわけが無かろう。」
「ただ、わらわには分かる、お前は負けぬ、一宇。さぁ、そろそろ起きるがよいぞ。里美が何やら作っておったぞ。」
そう言って、祖母は消え、俺は目を覚ます。俺は悪夢に寝汗をかいていたので、みんなを起こさないように服を着替えて食堂に向かう。
「あら一宇さん。ちょうど今から声を掛けに行こうかと思ってたんですよ。」
里美さんがそう言いながら、白い皿の上に赤いナポリタンを盛った。
「召し上がれ。」
「いただきます。あ、これすごく旨いです。」
「私が勝也さんと行ったお店の味に、かなり近いと思うわ。過去で見たんでしょ?」
「はい。二人ともすごく旨そうに食べてたから、俺も食べてみたいなぁって思って。」
「いつでも、作ってあげるから食べたくなったら遠慮なく言ってね。」
里美さんがそう言った。
これで26個目だ。さっき祖母に言われて俺は、俺が守るべき愛する人たちの事を数え始めていた。
夕焼け空の赤い色が、食堂のすりガラス越しに射しこんできている。もうそろそろ何かが起こり、ここにいる人たちが「人払い」されるはずだ。それがいつ起こるのか、食事を終えた俺は、部屋に戻りかたずをのんでそれが起こるのを待っていた。
それが起こったのは、あたりが暗くなり、みんながぞろぞろ起き出してきたその時だった。一瞬目の前の景色がぐらついたかと思った次の瞬間。男部屋にいたメンバーが一瞬で消えた。
俺は慌てて部屋を飛び出し、女子部屋や、食堂を確認するが誰もいない。ついさっきまで人のいた気配はあるのに、人っ子一人いなくなっている。
白神が動いたのか。でも、みんなはどこに行ったんだ。
「約束は守りましたよ。皆さんには他の場所へ移動していただきました。あなたが疑り深いといけないので、見せてあげますよ。」
通路の先に白神が立っていた。
そう言って、白神が俺にスマホを投げてよこす。
スマホには、ここにいた人たちの映像が映っていた。ひとりひとりの確認はできないが、みんな無事なようだ。
「今、ここにいるのは、あなたと私。それと人質のお嬢さんの3人だけです。さぁ、彼らが戻ってくる前に決着をつけましょうか。まぁ、彼らが戻って来るまでにはたっぷりと時間がありますから、その前にすべては終わっていると思いますがね。」
俺は白神の後を追って寺を出る。白神は東門のすぐ前、社のすぐ横で立ち止まる。
「さぁ、はじめましょうか。」
白神が、そう言って俺の方へ一歩踏み出す。
「お館様ぁ~。」
なに、ゆずか。
「白神、俺は助っ人はいらない。ゆずはこの戦いには参戦させないぞ!」
「おやおや、あの小娘。どこに紛れ込んでいたんでしょう。これはアクシデントですよ。」
白神がそんなことを言った。
「お前は、剣護!お館様に何をするつもりだ!」
ゆずが背中から小十郎の槍を引き抜き構えた。
「待て、ゆず!」
俺は咄嗟に異次元を出してその中にゆずを引き込む。
「ゆず、お前どうしてここに?」
「ゆずは、お館様の異次元が大きくて羨ましかったので、自分のも広く出来ないか訓練していたのです。今日ようやくゆずが入れるくらいの広さになって、中に入り外に出てみたら、誰もいなくなってて、それで。」
なんて魔の悪い、、、。
「お館様。どういうことでございますか。剣護と戦うならゆずも一緒に。」
「ダメだゆず。これは俺と剣護の戦いだ。」
「剣護は強うございます。どうか、どうかゆずを助っ人に。」
「だめだ、ゆず。よく聞くんだ。もし俺がやられたらお前が剣護を倒さなければならない。二人同時に戦って二人ともやられてしまったら、どうする?」
これは、ゆずを戦いに参加させないための嘘だった。
「もし、俺がやられたら、俺の作ったこの異次元も消える、そしたら後の事はゆず。お前に任せたぞ。」
ゆずは正座して、膝の上で拳を握りしめている。その拳に涙の粒が落ちる。
「ゆずはそんなの嫌です。でも、でも、、、。」
「ゆず、俺は負けない。お前やみんなのために必ず剣護を倒すよ。お前は俺が負けると思うか?」
「思いません、お館様はきっと剣護を倒します!」
「よし、じゃあ、俺が戻って来るまでゆずはここで待ってるんだ。わかったな。」
「はい。ゆずはお館様のお帰りまでここで待っています。だから、必ず、必ずお戻りください、、。」
「わかった、じゃ。行ってくるよ。」
俺は異次元の扉を閉める
「とんだ邪魔が入りましたね、さぁ、始めましょうか。」
「待て、アヤメはどこだ。」
「ああ、刑部の娘ならほらあそこに。」白神が指さす先に松の木に縛られたアヤメの姿が見えた。
「さぁ、もういいでしょう?そんなに命が惜しいのですか?」
「わかった。始めよう。」
俺と白神は、2mほどの距離を置いて向かい合った。いよいよ俺たちの最後戦いが始まる。
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