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最終決戦 ④
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白神の言った通りだった。白神と俺の戦いは振出しに戻った。
白神と俺の力の差はそこに依然としてある。
「おい!白神!この白髪の卑怯者!いい年してその若作りも気持ち悪いんだよ!アタシもその戦いの参加させろ!」
いつの間にか目を覚ましたアヤメが縛られている松の木でジタバタしながら大声で白神に文句を言っている。
「あなたのパートナーが、目を覚ましたようですよ。彼女はああ言ってますが。どうしますか?彼女に助っ人を頼みましょうか。」
「ダメだ!これは俺とお前の戦いだろ!」
「一宇~!お前もふざけるなよ!早くこの縄を切ってアタシを戦いに参加させろ!」
アヤメの地獄耳め。
「そうですね。私も彼女にはぜひこの戦いに参加して欲しい。」
そう言って白神がアヤメの元に行きアヤメを縛っていた縄を切った。
「やめろ!白神!」
「おおっと。もう遅いですよ、守人様。」
アヤメがすぐさま、宙に飛び上がり太もものホルダーから十手を取り構える。
アヤメ、、、。
俺もすぐに二人の元へ向かう。
新たに2対1の構図で戦いが始まる。
「あなた達、パートナーとしては悪くないですよ。」
白神は相変わらず余裕で、戦いながらそんなことを言っている。
実際、2対1の戦いにも関わらず、白神がその戦いを有利に進めているのは間違いなかった。このままでは俺たちが白神に追いつめられるのは時間の問題のように思う。
白神がポケットから白いハンカチを出し、さっき安芸の太刀を受けた傷から流れる血を拭きとっている。政宗守で受けた傷だから、治りが悪いのだろうが、大した傷ではなかった。
奴はそんな小さな傷を気にするほど余裕があるのか、、、。
違う。
俺は些細な、白神の行動に違和感を感じた。
俺はアヤメに近寄る
「アヤメ、奴に考えを読まれるなよ。俺に考えがある。」
俺は、俺の考えを実行してみることにした。もしこの考えが正しければ、白神を倒す足掛かりになるはずだ。
俺が作戦を説明すると、アヤメが「やってみましょう」と即答する。
「何かいい作戦でも思いついたようですね。さて、その作戦はまりますかね。」
俺が白神を正面に捕らえる。政宗守を右手に持ち回転しながら白神に切り込んだ。白神は軽々と俺をかわす。
うまくいった。
すかさずアヤメが白神の左手に十手で一撃を食らわせる。
左手。日本刀を持っていない方の手を俺たちはあえて狙った。
白神は、十手で打ち据えられた手を押さえながら後退した。
「知っていたのですね。いつからですか?」
俺たちは答えなかった。
白神がボロボロになった洋服の袖を引きちぎった。
そこには、昨日結女さんが持ってきたあの本に描かれた模様が刺青されていた。
アヤメの一撃は、僅かに模様からずれていたようだ。
「一体、誰がこの事を知っていたんですか?白神家でこの事を知っている最後の一人は私のはずですけどね、、。まぁ、いいでしょう。どうやら、私はあなた達を甘く見過ぎていたようです。あなた方お二人を相手にするには、私は実戦から離れ過ぎていたようだ。」
そう言って白神がアヤメの方を向く。
「この後の事がありますからね。守人様を殺すわけにはいきません。最初に死ぬのは貴方です。刑部アヤメ。」
白神が勢いよく日本刀を構えアヤメに向かっていった。
アヤメは逃げることなく、応戦の構えをとる。
二人は、もつれあいながら東門の前になだれ込む。
まずい。そう言う作戦か。
アヤメも気が付いた。がその時にはもう遅かった。アヤメの身体が東門から出てくる瘴気に犯されていく。
「辛いですか?白神の私や、守人の小僧じゃない貴方には辛いですよね。後どのくらい、正気を保てるでしょうねぇ。一度、ここの瘴気にあてられて理性を失ったら、二度と元には戻りませんよ。狂ったヴァンパイアになってあなたが守るべき、ヴァンパイア市民や仲間を襲う姿を、是非、見てみたいものです。」
「させるかぁぁぁ。」
俺は東門の前でアヤメをかばいながら、白神の前に立ちはだかる。
そして、異次元の扉を開き、アヤメを連れて中に入る。
中にいたゆずが俺たちを見つけ走り寄って来た。
「アヤメ姉ちゃん。」
ゆずが意識のない、アヤメを抱きかかえる。
「お館様。終わったのですか?」
「まだだ、ゆず。俺は今からあっちに戻って奴を討つ。それまで、アヤメを頼む。」
「お館様、、、。」
「ダメ、、。行かせない。一宇ひとりじゃあいつに勝てない。」
気が付いたアヤメが苦しい息の中で、俺にそう言った。
アヤメの手が俺の手をしっかりと握っている。
「駄目だよアヤメ。俺、行かないと。約束したんだ、じいさんと。お前には言ってなかったけど、じいさんの遺言にはもう一つあるんだ。愛する女を見つけたらその女を全力で守れ!ってやつが。だから、行くよ。俺はお前を守る。」
俺は異次元の扉を閉めて、再び白神の元へ戻った。
「お別れは済んだようですね。私は貴方を殺さないと言いましたが、貴方が死ななければ、十分私の目的は果たせます。貴方は少し弱らせた方がよさそうです。」
そう言って奴は日本刀を構えた。
おれも、政宗守を構える。
二人の距離はおよそ2m。俺はじりじりしながら奴が仕掛けてくるのを待った。
白神と俺の力の差はそこに依然としてある。
「おい!白神!この白髪の卑怯者!いい年してその若作りも気持ち悪いんだよ!アタシもその戦いの参加させろ!」
いつの間にか目を覚ましたアヤメが縛られている松の木でジタバタしながら大声で白神に文句を言っている。
「あなたのパートナーが、目を覚ましたようですよ。彼女はああ言ってますが。どうしますか?彼女に助っ人を頼みましょうか。」
「ダメだ!これは俺とお前の戦いだろ!」
「一宇~!お前もふざけるなよ!早くこの縄を切ってアタシを戦いに参加させろ!」
アヤメの地獄耳め。
「そうですね。私も彼女にはぜひこの戦いに参加して欲しい。」
そう言って白神がアヤメの元に行きアヤメを縛っていた縄を切った。
「やめろ!白神!」
「おおっと。もう遅いですよ、守人様。」
アヤメがすぐさま、宙に飛び上がり太もものホルダーから十手を取り構える。
アヤメ、、、。
俺もすぐに二人の元へ向かう。
新たに2対1の構図で戦いが始まる。
「あなた達、パートナーとしては悪くないですよ。」
白神は相変わらず余裕で、戦いながらそんなことを言っている。
実際、2対1の戦いにも関わらず、白神がその戦いを有利に進めているのは間違いなかった。このままでは俺たちが白神に追いつめられるのは時間の問題のように思う。
白神がポケットから白いハンカチを出し、さっき安芸の太刀を受けた傷から流れる血を拭きとっている。政宗守で受けた傷だから、治りが悪いのだろうが、大した傷ではなかった。
奴はそんな小さな傷を気にするほど余裕があるのか、、、。
違う。
俺は些細な、白神の行動に違和感を感じた。
俺はアヤメに近寄る
「アヤメ、奴に考えを読まれるなよ。俺に考えがある。」
俺は、俺の考えを実行してみることにした。もしこの考えが正しければ、白神を倒す足掛かりになるはずだ。
俺が作戦を説明すると、アヤメが「やってみましょう」と即答する。
「何かいい作戦でも思いついたようですね。さて、その作戦はまりますかね。」
俺が白神を正面に捕らえる。政宗守を右手に持ち回転しながら白神に切り込んだ。白神は軽々と俺をかわす。
うまくいった。
すかさずアヤメが白神の左手に十手で一撃を食らわせる。
左手。日本刀を持っていない方の手を俺たちはあえて狙った。
白神は、十手で打ち据えられた手を押さえながら後退した。
「知っていたのですね。いつからですか?」
俺たちは答えなかった。
白神がボロボロになった洋服の袖を引きちぎった。
そこには、昨日結女さんが持ってきたあの本に描かれた模様が刺青されていた。
アヤメの一撃は、僅かに模様からずれていたようだ。
「一体、誰がこの事を知っていたんですか?白神家でこの事を知っている最後の一人は私のはずですけどね、、。まぁ、いいでしょう。どうやら、私はあなた達を甘く見過ぎていたようです。あなた方お二人を相手にするには、私は実戦から離れ過ぎていたようだ。」
そう言って白神がアヤメの方を向く。
「この後の事がありますからね。守人様を殺すわけにはいきません。最初に死ぬのは貴方です。刑部アヤメ。」
白神が勢いよく日本刀を構えアヤメに向かっていった。
アヤメは逃げることなく、応戦の構えをとる。
二人は、もつれあいながら東門の前になだれ込む。
まずい。そう言う作戦か。
アヤメも気が付いた。がその時にはもう遅かった。アヤメの身体が東門から出てくる瘴気に犯されていく。
「辛いですか?白神の私や、守人の小僧じゃない貴方には辛いですよね。後どのくらい、正気を保てるでしょうねぇ。一度、ここの瘴気にあてられて理性を失ったら、二度と元には戻りませんよ。狂ったヴァンパイアになってあなたが守るべき、ヴァンパイア市民や仲間を襲う姿を、是非、見てみたいものです。」
「させるかぁぁぁ。」
俺は東門の前でアヤメをかばいながら、白神の前に立ちはだかる。
そして、異次元の扉を開き、アヤメを連れて中に入る。
中にいたゆずが俺たちを見つけ走り寄って来た。
「アヤメ姉ちゃん。」
ゆずが意識のない、アヤメを抱きかかえる。
「お館様。終わったのですか?」
「まだだ、ゆず。俺は今からあっちに戻って奴を討つ。それまで、アヤメを頼む。」
「お館様、、、。」
「ダメ、、。行かせない。一宇ひとりじゃあいつに勝てない。」
気が付いたアヤメが苦しい息の中で、俺にそう言った。
アヤメの手が俺の手をしっかりと握っている。
「駄目だよアヤメ。俺、行かないと。約束したんだ、じいさんと。お前には言ってなかったけど、じいさんの遺言にはもう一つあるんだ。愛する女を見つけたらその女を全力で守れ!ってやつが。だから、行くよ。俺はお前を守る。」
俺は異次元の扉を閉めて、再び白神の元へ戻った。
「お別れは済んだようですね。私は貴方を殺さないと言いましたが、貴方が死ななければ、十分私の目的は果たせます。貴方は少し弱らせた方がよさそうです。」
そう言って奴は日本刀を構えた。
おれも、政宗守を構える。
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