俺は四重人格の君の4分の壱が好きだった

7話 嘘の自分と傀儡子少女

「優雅ー！購買部行くぞー」

「は？1人で行って来い」

「冷たいな」

「俺は弁当がある行く必要がない」

「相変わらず手作り弁当ですか～」

「何か文句あるか？食品うくから作ってるだけだ」

「素敵な奥さんになれそうだなぁ」

「奥さん言うな 限度を過ぎると本当に無視するぞ」

「やめて～優雅様ジュース奢りますから」
俺はその言葉少しばかりは心が揺らいでしまった。

「何お前ぼーっとしてるんださっさと行くぞ」

「何処に？」

「購買部いかねぇのか？」

「行くよ！本当お前は素直じゃねぇな」
こうみえても俺からすると大切な友達だ。
素直になろうとしてもなれない嘘の自分は慣れるのに…

「購買部すげー混んでたな」

「何処で食う？」

「そこのベンチでいいだろ」

「珍しく空いてるなここはカップルのためのベンチにいつとなってるもんな」

「人目も気にせずにそういったことができる人の気持ちがわからない」

「多分お前には一生わからんだろうな」

「わかりたくもない」

「優雅はいつもそうだな」

「それよりさっきの話は？」

「さっきの話ってなんだ？」

「奢るっていっただろ」

「ガチで忘れてたわ」
「優雅様のために買ってきますわ」
「何が良い？」

「コーヒー」

「ほーい」

「あれって…  あの女なんであんな所にいるんだよ」
空を見上げると俺の目には雲一つ無い青空とあの女が見えた。
「あいつバカか」
俺は衝動的に走り出した。
廊下にうじゃうじゃいる虫螻なんか見えないくらい走った。
立ち入り禁止のロープを無視し、俺は屋上の扉を開けた。
そこには真っ白な高いフェンスとあの女がいた。

「お前何してるんだよ！！！」

「え？今から死ぬんだけど？」
聞かなくてもわかった。
でも、冷静に答えたあの女が俺には人間にはみえなかった。
まるでロボットのように当たり前の言葉を口からこぼした女が怖かった。

「なんでそんな所で死ぬんだよ！」
「そこで死んだら迷惑だろ！お前が死んだ後の後処理とかが」

「貴方面白いわ」
「人が死のうとしてるのに後のこと考えるなんてやっぱり冷淡王子ね」
女は嗤いまるで人が違うような表情と声色を僕に見せた。

「なんか貴方のせいで死ぬ気が失せたわ」
「今日の所はやめておくわ」

「お前さっきと態度が違うな」

「貴方もね」
「貴方こそいつも教室で雌みたいな声出しでるじゃないの」

「あっ！」
俺は無意識に本性が出てしまっていた。

「保健室の時もだけれど、今更意味ないわね」
「キャラ作りするならもっとしっかりしないとみんなに気づかれちゃうかもよぉ？」

「お前こそ俺なんかにそんな態度して真面目キャラじゃねぇのかよ？」

「キャラ？キャラなんかじゃないわよ」
「貴方と一緒にしないでくれる？」
「貴方は道化師と同じ色々な表情を顔に塗って生きてキャラを作り出しているでも私はあらゆる自分別の人間を動かしている傀儡子と一緒」