俺は四重人格の君の4分の壱が好きだった

奈数ノ紫

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9話 大切な時間を忘れぬこと

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そんな感じで1日適当に過ごしているともう放課後になっていた。
いつもこんな同じ毎日が繰り返されることに嫌気がさしていた。

「優雅俺今日部活がないから一緒に帰ろうぜ!」

「は?1人で帰れば」

「冷たいなぁ家も近いんだし、帰る道も同じだろ?」
「だから帰ろうぜ」

「まぁ一緒に帰ってやる」

「おぉ~珍しくOKが優雅の口から出たぞ!」
「帰り何処か行こうぜ!」

「何処行くんだ?」

「カラオケとか行かねえか?」

「まぁたまには付き合ってやろう」

「やったー!優雅とカラオケなんて何年ぶりだらうか懐かしいなぁ」
珍しく俺は機嫌も良く舅と一緒にカラオケに行くことにした。
本当は凄く嬉しかった。
でも喜ぶのは俺の柄じゃねぇ
だから本当の気持ちは隠すんだ。
 何も思ってないかのように
あの女が言ってることはあってるのかも知れない。
本当の表情が見えないくらい色々な感情を塗りたくている俺は最低な道化師なんだ。
友達にも本当のことも言えないいつか舅も何処かに行ってしまうんじゃないかって不安でしょうがなかった。

「駅前のカラオケでいいよな?」

「あ、うん」

「今日は何歌うかなぁ~」
「俺の世界一の声をお前に見せつけてやるぜ!」

「お前が世界一なら世界中のみんなが世界一だな」

「そんな言い方ねぇだろ!」

「お前は歌うめぇから良いじゃねぇかよ」

「それもそうだな」

「あっさり認めんだな」

「それはな当たり前のことだ」

「当たり前って羨ましいぜ」
カラオケまでの道のりは俺らは退屈なくだらない話で盛りやがっていた。


「俺から歌うぞ!」

「勝手にどうぞ」
カラオケボックスに舅の雑だけどパワフルな声が聞こえた。

「お前のの声耳が痛い」

「元気があって良いだろう」

「次俺歌う」
昔から歌うことは嫌いてはなかった。
久し振りに歌を歌うととても爽快で気持ちよかった。
本当の自分をさらけ出すことが出来ているようで。
カラオケで舅と歌うことが楽しすぎた俺はあっという間に時間が経った。

「そろそろ帰るか」

「そうだな今日は結構歌ったなぁ~」
「楽しかったまた行こうぜ」

「うん」

「今日は本当にやけに素直だなぁお前」

「うるさい今度いかねぇぞ」

「それは嫌だー!」

久し振りに楽しい時間だったなと心から感じることができた。

その楽しさを家に持ち帰ってもそれを受け取ってくれる人は誰1人いない。
親父と二人暮らしだ。
親父は仕事で帰ってくるのが遅いことが多い。
俺は静かな家の階段を上がり俺は部屋に入って荷物を置いた瞬間ベットに飛び乗り深い眠りについた。
今日起きたことを自分の頭で振り返りながら…

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