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俺の彼女は14歳のホームレスだった

9話 いきている?

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「さとしくん…。実は、私にも…彼がいるの…。ごめんなさい…!いつかは言わないといけないと思ってたけど、私…言えなかった。」
「うん。別にいいよ…。お互い様だよ。」
「あのな…。名前を聞いてくれる?さとしさんなら、きっとわかってくれる。きっと…。」
「うん。わかった。奈々…。その子の名前を教えてくれる?」
「…。前川 隼人。」
「え?!隼人!」
「うん…。」
「奈々…。それは…本当なの?」
「うん。本当だよ…。」
俺は、驚きすぎて、声が出なかった。隼人は知ってるも何も…。
「1年前、雪が事故に巻き込まれる前まで、付き合っていた子ではないか…。雪とはとても仲が良くて、評判が良かった。俺も隼人とよく話していた。よく、家にも泊まりに来ていた。」
そして…なぜ、奈々と雪はここまで似ているのか…。
「あ!もしかして…。」
「なに?」
と奈々はさとしに言った。
「奈々…。一体、お前は誰なんだ!誰なんだ…。1年前、事故で死んだ、自分の妹。雪なのか?雪…?雪なんだろう?おい!雪!返事をしてくれ。」
「え?何を言ってるの、お兄ちゃん?私は雪だよ。」
「え?お前は雪なのか?」
「そうだよ…忘れたの?」
「お前は奈々じゃないのか?」
「奈々?その子は誰?ついに、可愛い妹の兄にも彼女ができたの?」
「彼女?何、言ってるの。お前が俺の彼女だろ!」
「え?!」
雪の顔が赤くなった。
パシン!!!(雪のビンタ)
「痛い…!」
「お兄ちゃんの変態!!どこをさわってるの?!早く、起きなさいよ!」
え…
「雪…?なんで、俺の部屋にいるの?」
「お兄ちゃんが、朝から私の名前をずっと呼んでるからでしょ!」
「え…。じゃあ、もしかして今までのは…夢…夢だったのか?!」
「何、言ってるの?お兄ちゃん?(笑)」
雪はその可愛い声と笑顔で
「お兄ちゃん」
と言った。


series2へ続く
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