わたしの家の“変わったルール”

ロアケーキ

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はじめての“おしおき”

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…これは“あの日”がくる前。
母がまだ優しかった頃の話である。

その頃、わたしは“この家の子”になったばかりで、右も左も分からない状況だった。

そんな中、“優しい”母と姉が、わたしと父を温かく迎えてくれたおかげで、少しずつ、不安が消えていったことを覚えている。

なにも母は、はじめからこんなに“厳しい”性格だったわけではない。
…むしろ、あの頃のわたしには“優しいお母さん”という印象だった。



数日ほど、この家の子として生活するうち、この家には“ルール”があることを、母から教わった。

それは、『悪いことをしたらお仕置きを受ける』というものである。

…そして、そのルールは、今後、わたしにも適用されるらしい。

わたしは、この家に来る前は、父と二人暮らしをしていて、その父からは一度もお仕置きされたことがなかった。

だから、その“ルール”を聞いてしまったとき、わたしの中に、また不安な気持ちが芽生えてくるのを感じた。



この家に引っ越してきてから、そろそろ1週間が経過する。

その間に、“お姉ちゃん”は、粗相をしてしまい、何度か、母からお仕置きを受ける様子を目撃した。

そのお仕置きというのも、いわゆる“お尻ペンペン”で、お尻が真っ赤になるまで、平手のペンペンをされている様子だった。

姉の様子を目撃するたび、わたしは無理矢理“いい子”を演じて、少しでもお仕置きを免れようと必死だった。

…きっと、その日常でストレスが溜まり、“はじめての時”が訪れるきっかけとなったのだと思う。



平日の朝。
ようやく見慣れてきた天井が、わたしに1日の始まりを告げた。

学校に遅れないよう、眠たい目をこすりながら身体を起こそうとすると、下半身に異変が起きていることに気づいた。

…恐る恐る、掛け布団をめくると、わたしは一瞬で凍りつくような感覚を覚える。

「う……うそ…。」

目線の先には、少し生暖かい液体が、絞れるほど、パジャマと布団を汚している有様を確認した。

それと同時に、顔をしかめるほどの“特有の臭い”が、部屋中に広がっていくのがわかる。

「……と、とにかく、言わなきゃ………でも…。」

わたしの頭の中には、大泣きでお仕置きを受ける姉の表情と、真っ赤なお尻が、“走馬灯”のように溢れ出してくる。

『か、隠しちゃえば、…バレないかも。』

そんな考えが頭に浮かぶが、すぐ首を振って否定した。

この部屋に充満する臭いで、どうせ、すぐにバレてしまう。
何より“嘘をついた”時のお仕置きは、より一層厳しいものになると、姉の様子を見て学んでいたからだ。

「…グスッ。」

涙目になりながら、“覚悟”を決める。
そして、濡れたせいで重みが増したパジャマを抑えながら、母がいるリビングに向かった。



「まい、帰ってきたらお仕置きをするから、今日は早く帰ってきなさい。」

普段は優しい母が、声のトーンを落とし、わたしにそう命じた。

「お、お母さん…。ごめんなさい…。」

「“おはなし”は、お膝の上でたっぷり聞くわ。…とりあえず、ご飯の前にシャワーを浴びて、学校に遅れないようにしなさい。」

「…はい。」

言われた通りにシャワーを浴び、食卓の席に座る。
…だが、今日、お仕置きされることを考えると、中々、食欲が湧かずにいた。

「まい…。大丈夫?」

隣でご飯を食べていたお姉ちゃんが、心配そうにわたしを見つめてくる。

「お姉ちゃん…。怖いよぉ…。」

わたしは、今にも泣きそうな声で、姉に助けを求めた。

「大丈夫だよ。…初めは怖いよね。……でも、安心して、お姉ちゃんもついててあげるから。」

「…うん。」

わたしの手を“ぎゅっと”握り、“安心させよう”としてくれるのがわかる。

少しだけ、心が落ち着いたわたしは、残りのご飯を口に運ぶのだった。



お仕置きがあるとわかっているからだろうか。
今日は、1日の時間がとても長く感じた。

“刑の執行”を待つ気分で、授業を受けていると、周り友達が心配してくれているのか、何度か声を掛けられた。

その全てに「大丈夫…。」と答えながら、ついに、下校の時刻となる。

「はぁ…。」

重い足取りで帰り道を歩いていると、家の前に到着する。

「ただいまぁ…。」

家の中へ入り、リビングのドアを開けると、ソファに座った姉と、隣のキッチンにいる母がこちらを振り向いた。

「おかえり、まい。」

「おかえりなさい。…わかってると思うけど、お仕置きをするわよ。とりあえず、手を洗ってきなさい。」

「…はい。」

朝同様、冷たい声で母がそう言い放つ。

わたしは、手を洗う最中に“覚悟”を決めると、キッチンの食卓椅子に座っている母の前へ立つ。

「お母さん…。ま、まいに、…おしおき、お願いします。」

「自分から、お願いできるのは偉いわね。
……今回が初めてで隠さなかったし、今日は“お尻ペンペン30発”よ。…膝の上にきなさい。」

わたしは恐る恐る、母の膝の上に腹ばいになる。
そして、母は片手でズボンとパンツを膝まで下ろすと、わたしの背中を手で抑えた。

「お仕置きだから、痛いわよ。…舌を噛まないよう、歯を食いしばりなさい。」

「…うぅ…。」

バシッ!

「いだいっ!」

「1つ。」

はじめての衝撃が、左側のお尻に響き渡った。
その後に、“じんじん”とする感覚が残り続ける。

パァンッ!

「ああぁっ!」

「2つ。」

次は真ん中に、痛みが広がった。
1発目と重なる部分は、さらに強く、痛みが残っていく。

バヂンっ!

「いっだいっ!」

今度は右側のお尻がぶたれる。
少しずつ、強くなる痛みに、わたしは耐えきれず、“もじもじ”としてしまっていた。

「…グスッ……うぇぇーん。いだいよぉ…。」

ついに決壊した涙が、頰をつたい、床にこぼれ落ちていく。

その様子に、母は一度手を止め、わたしが落ち着くのを見守ってくれているようだった。

「まい。…もう少しがんばろ?」

わたしの手が温もりに包まれる。
気がつくと、ソファに座っていたお姉ちゃんが、わたしの前に来て、手を握ってくれている状態だった。

「お、お姉ちゃん…。」

「お姉ちゃんがここにいるから、安心して。」

「…うん。ありがと…。」

優しく微笑みかけてくれる姉の様子に、わたしは落ちつきを取り戻す。

その様子を確認した母は、わたしのお尻を“ペンペンッ”とし、お仕置きの続行を促した。



バヂンッ!

「ん゛っ!」

「25。」

パァンッ!

「あんっ!」

「26。」

バヂンッ!

「いっだいっ!」

「27。」

その後もお仕置きは続いた。
何度か、お尻を抑えてしまうことがあったが、その度に、お姉ちゃんに励まされ、なんとか、ここまで来ることができたのだった。

「まい。残りの3回は強く叩くわよ。しっかり、お姉ちゃんの手を握ってなさい。」

「…グスッ……。はい…。」

バッヂィンッ!

「あ゛んっ!」

「28。」

バッヂィィン!!

「いっだいぃっ!!」

「29。」

「はあっ……はぁ…。」

これまでの“ペンペン”とは比べものにならない痛みが、わたしのお尻を襲う。

わたしは、暴れそうになる身体で、必死にお姉ちゃんの手を握り、次の“痛み”に備えた。

バッヂィィィン!!!

「ぎゃぁぁぁぁっ!!」

「30。…おしまいよ。」

「…うぇぇーんっ!!ごめんなさいぃっ!!」


『お仕置きが終わった。』

そう思った瞬間、わたしは“安心感”と“痛み”から、再度、涙が決壊してしまった。

その様子を見た母は、わたしを抱き上げ、優しく抱きしめてくれる。

「よく頑張ったわね。…ちゃんとお仕置き受けられて偉かったわよ。まい。」

「…グスッ…。…うん。」

母の体温と、優しい香りが、わたしの心を安心させていく。
“はじめての母の温もり”は、しばらくしていなかった“甘える”という行為を許してくれる感じがした。

「…うぅ…、まいだけずるいっ。」

「お姉ちゃんには、お仕置きの度にいつもやってるでしょ?…それとも、今から“ペンペン”する?」

「う…、ママのいじわるっ!」

「冗談よ。…ほら、お姉ちゃんも来なさい。特別だからね。」

「やったぁっ!」

母の抱擁に、姉も加わり、さらに温かさが増していく。
この様子に安心しきってしまったわたしは、“トロトロ”とした意識が閉じていくのを感じた。

・・・

“パチッ”

目がさめると、そこは“見知った”天井だった。
眠たい目をこすりながら、掛け布団を剥がすと、“無事な”パジャマと布団がそこにある。

…どうやら、随分と“懐かしい夢”を見てしまったようだ。

そんな思いを頭の片隅に押しやりながら、わたしは“重い腰”を上げ、母がいるリビングへと向かった。



「おはよう…。」

「うぇぇーん。ごめんなさい、ママァ…。」

「まい。お姉ちゃんがおねしょをしたからお仕置きするわ。…下に着ているものをすべて脱ぎなさい。」

こうして、“今のわたし”にとって、いつもの光景が、そこに広がっていた。

わたしは、バレないように、心の中でため息をつきながら、“無事な”ズボンとパンツを脱いで、気をつけの姿勢となった。

「これからおねしょの罰として、ヘアブラシで“お尻百叩き”よ。…そのあと、性器にもお仕置きするから、覚悟しなさい。」

“連日の”お仕置きで、すでに“ズキズキ”している下半身を庇いながら、母の膝の上に腹ばいとなる。

“ピッ”

そして、当たり前のように、お姉ちゃんからスマホを向けられながら、お尻にくる“痛み”を、祈るように待つのだった…。

「完」
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