【完結】その手をとらせて《完全版》

※(kome)

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魔人さんはゲームがお好き― 太鼓と情熱と、ステージにあふれるぱっしょん―

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魔人を連れて、ぶらぶらと街を歩く。

「げっ! ぇ! むっ! せぇ! ん~! たっ! あっ!」

おい止めろ、跳ねるな。そしてこっちを見るな。
変人だと思われるだろうが。

けんけんぱの要領で飛び跳ねながら歩いているものだから、周囲からの視線が痛い。
その隣を歩く俺への評価も言わずもがなだ。

運動神経も反射神経も悪くないのだが、なんなのだろうな、自身を過信しているときがあるのだろうか。

あぁ、違うな。
やりたいことに、身体が追っついていないときがあるのだ、この男は。
なので突然視界から消えて、顔面スライディングをしていることがある。
このままだとまた、同じようなことをしでかす可能性が非常に高い。

ここは心を鬼にすべきときだ。
ぴしゃりと制止を呼びかけた俺に、魔人はぴゃっ!と首をすくめた。
でもどこかまだ、気持ちは浮ついているのか。
そうと見えないように巧妙な加減のスキップに切り替えた。

あぁ、もう、これはあれだな。
このまま顔面スライディングさせるしかない。
そう諦めて、魔人の隣を歩く。
いくつかの横断歩道を渡り、その倍は右に左にと曲がり続けて辿り着いたのは、ここらでも最大規模のゲームセンター。

少しチープな質感の赤い外装、真っ白な縁取りのでかでかと壁に埋め込まれた「GAME CENTER」の文字。
角の取れた丸みを帯びたかわいらしくポップなフォントで、中は元気さを感じさせるマンゴーイエロー。

一階は、入り口付近にクレーンゲームが密集していて、奥は音ゲーと呼ばれる類の筐体がカラフルそのものと言った風に並んでいる。
二階はシューティングやレーシングと言った、少し大がかりな装置のものが多い印象。
この理屈で行くとダンシングゲームもここになければおかしいと思うのだが、なぜかそれは一階の音ゲーコーナー扱いなんだよな。
三階は、一面びっしりとカプセルトイの群れ。
四階は、同じく一面びっしりと対戦ゲーム機が並んでいる。
そして、最後の五階。
こちらは不定期開催だが、大規模なカードゲームの開場としても用いられることのある対戦スペースとなっている。

とまぁ、そんな感じに地上五階建ての建物がどん!と目の前に広がっている。

ぴんぴんぴろぴろっ! ひゅ~ストンッ! ワーッ!!

クレーンゲーム特有のどこか間の抜けたBGM、その奥からは様々なジャンルのメロディが少し離れたところにいる俺たちの耳にも聞こえてくる。

それに、ほんの少し眉を寄せる。
俺はどうにもこの、てんでんばらばらな音の洪水が好きになれない。
耳の奥まで貫かれるような鋭い痛みと言えばいいのか、ぐっと眉をしかめても楽にならないのが嫌なんだ。

だが、隣を歩く魔人は違う。
それを目に、耳に捉えた瞬間、わぁと感嘆の声をこぼすと、俺の服を掴んで、ねぇねぇとはしゃぎはじめた。

「先に、行ってもいい!?」

とってこ~い。
犬にボールを拾ってこさせる、そんなつもりで手を振った。
ぱっと俺の服から手を離し、すばしっこそうな見た目から受ける印象そのままに魔人は走り去っていく。
その姿を視界に納めながら、ゆったりとした足取りで追いかける。

この男、後ろから見た場合、非常に彩度の低い容姿をしている。
黒髪に褐色の肌。成人男性の平均を満たさない低身長。
そしてなんにでも興味を示すミーハーさを持っている。
このため、目にも鮮やかな真っ赤なジャケットを着せたのだが、一秒たりとて同じところにいられないので、ここまでしても見失う。

まぁ、そうなるだろうなとは思っていた。
店内に入って右を見ても、左を見ても、奴はいない。
俺は魔人を見つけられないかもしれないが、視野の広い魔人なら気がつくはずだ。
……興味の対象がないときに限るかもしれないが。

はじめはゲームセンターに足を運ぶことを、魔人はひどく渋っていた。

あれは魔境。
際限なく湯水のごとくお金を使ってしまうのだから、行くべきではないとそう渋った。
まぁ、たしかにそれはその通り。
のべつ幕なしに叩きつけられる音の洪水は、正常な判断を奪ってしまう。

ならば、だ。
あらかじめ、不必要な分は持っていかなければいい。
そうすれば、なにをどうやっても無駄遣いできない。

魔人と俺と、二人の尻ポケットには五つずつ、計十枚の百円硬貨だけが収められている。

クレーンゲームが立ち並ぶ一角を通り過ぎ、音ゲーばかりが並ぶ辺りに足を向ける。
おそらくいるのならここだろうと当たりをつけて一つひとつを見て回る。

そして、案の定。
素手でどこどこどこどこと太鼓を叩く、実に楽しげな魔人を見つけた。
ゆっくりと近づく俺に気づいた様子もないまま、魔人は、目の前の太鼓に向かって再度、振り上げた手を振り下ろした。

ドン! バンッ! ドッ! ドドドドドッ!!

手が痛くはならないのだろうか。
その横にこれ見よがしに刺さるバチがあるのだが、ひたすら楽しそうに、どこどこと素手で太鼓を叩いている。
しかもやたらリズミカル。
そして、なんではじまらないんだろうとでも言いたげに、こてりと小首を傾げた。

いや、だから。
お金を入れないとはじまらないからな?

苦笑しながら男の横を通り過ぎ、投入口へと硬貨を入れる。

ぴろん!

ちょっと間の抜けた電子音。
そのままスタート画面へと遷移する。

「どこ行ってたの?
 ほら、はじまっちゃうよ?」

両手の指をパキパキ鳴らしながらそうのたまう。
いやそれ、俺の台詞なんだが。
だが言ったところで聞かないだろうし、もうはじまってしまうし。

仕方なしに魔人の奥にある筐体の前に立つ。
続いて横に刺さったバチを一つずつ手に持った。

この男、地頭は悪くないようで、それとなく使い方を示すとすぐマスターする。
そのためか、普段は造作に似合わぬ粗雑さをみせるのに、手本とした人物の所作が良かったのか、箸使いはとても美しかったりする。
今も俺がバチを構えて待機するのを見て、これはと思ったらしくどこか得意げな顔をしてバチを引き抜いた。

むふん!

「よ~し、やるぞっ!」

やるぞ、じゃないんだよ。
言っても聞きゃしないから言わないが。
画面に表示されるものの中から、魔人が好みそうな軽快なリズムが特徴の曲を選ぶ。

ここ最近の男の気に入りのアニメのオープニング主題歌だ。
毎週水曜、午後八時三十分。
テンポよく話の転がるロボットアニメのそれは、実に軽快で軽妙で、つきあってなんとなく見ていた俺もふとした瞬間に口ずさんでしまうぐらいには耳に馴染んでいる。

画面中央にタイトルがでかでかと表示され、イントロがはじまる。
しばらくすれば右から左へと赤と青の丸が流れてくるのだが、まだ序奏なのでそれもなく。

なんとなく魔人の立つ左側へと顔を向けた。
魔人はバチを固く握りしめた右手を高くかざして、そして。

カーッン!!!!

横っ面を叩くようにしてフルスイング。
たぶんなのだが、人魚すくいのように、水面を撫でるように太鼓を叩きたかったんだろうなぁ。

その動作、格好いいもんな?
でも目測を誤って、強かに太鼓の側面を叩いてしまった。
反動で跳ね返り、まぁそれがなかなか強くひっ叩いたものだから、少し手首を捻ってしまったらしい。
相当痛かったのか、左手で手首を握りしめている。

痛みに堪えるためか、それとも堪えられなかったからか。
小さくぴょんぴょんと飛び跳ねていたのだが、画面右端から赤い丸が三連、流れてきたために慌ててバチを掴み直して太鼓を叩き始めた。

あぁ、もう。
これは帰ったら湿布を貼ってやらねば。
興奮のままに風呂へ入り、そしてじくじくした痛みを忘れて眠ってしまうだろうこの馬鹿……違った、魔人。
それをふん捕まえて、懇々と説教しながら湿布を貼るのだろう想像上の自分に嘆息しながら、画面に視線を戻す。

ドンドンドンドン! カッカッカッカッ!

はじめてにしては実に様になった様子で危なげなくバチを操る魔人との共演はとても楽しかった。

一プレイ二曲。
魔人にとっても相当楽しかったらしく、最初に俺が投入した一回を二人でプレイしたあと、自分の手持ちすべての硬貨をその筐体に叩き込んだ。
そのあとも回らなくて良いのかと思ったのだが、そのまま他のゲームを見て回ろうとくるりと背を返して歩き始めた。

もしかして、手持ちを使い切ったことに気づいてないのか?
仕方なしに尻ポケットから一枚、硬貨を取りだしその手に握らせる。

これなら、もし俺が目を離した隙に何かやりたいものがあっても、一回は楽しめるはずだ。

俺はその間に追いつけばいい。
この男の突拍子のない行動には、慣れたつもりでも。

――いつもいつも、その上を行くのだから。



そうして、二人は出逢ってしまった。

燦然と降り注ぐ蛍光灯の光を弾く筐体――ダンシングゲーム機。

絶世の美貌を誇る、褐色肌の小柄な男――ランプの魔人。

タタタッと音を立てて、ゲーム機へと魔人は走り寄る。

コンマゼロ秒、躊躇いなど一切なし。
硬貨の投入口に流れるように硬貨を入れた魔人は、見てて!と言う顔でこちらを一回だけ振り向くと、そのままステージへと走って行った。

ぱっ!とステージにライトが灯される。
続き、ジャン!と楽器が打ち鳴らされ、魔人は小さくジャンプし、肩幅まで足を広げて着地。

天高く突き出される左拳。
タンタンタンッ!と踵を打ち鳴らし、リズムをとる。
薄く口を開き、その情熱的に燃える瞳を薄い瞼の内に隠したまま、徐々に徐々に、こちらに手の甲を向けて左手は降ろされる。

受け止めるように肘に添えられる右手。
小指から一本ずつ内に折りたたまれ、緩い握り拳となって。
顔半分を覆うようにかざされた左手の隙間から、茶混じりの紅色の瞳が、見下すような硬質な光を伴い――こちらを射貫く。

そして。

にこっ!

直前まではこれ以上なくキマッていたのに、いつもみたいなちょっと子どもっぽい笑みを浮かべるのが、どうにも締まらない。
それにぶっと吹き出してしまった。

そうしてオーバーなくらいに手を振り腰を捻り、お前の指示など関係ないとばかりに、ゲーム画面に表示される振りつけを無視して踊り狂う。

軽快なステップを踏む両足。
これはダンシングゲームなので、採点要素を重視して、足下は九つのパネルに分かれている。
左上から右上、そして中段左から右へと、一から三、四から六、と言った具合に番号が振られている。
のだが。

まぁこれも一切合切、無視されている。

僕はこう躍りたいの!

そう言っているのが伝わってくるような足さばき。
パネルは四と九が光っているのに、三と六の辺りをダカダカダッ!と激しく踏みつける。
でもそれがやたらテンポよく。
たぶん音感がいいのだろうな、見ているこちらも目が逸らせないような妙な迫力がある。

まぁ、そんななので。

Miss! Boo!

Miss! Boo!

Miss! Boo!

指示とは違ったところを踏みまくるので、ずっとエラー音が鳴り響いて非常にうるさい。
周囲の利用客もなんだなんだと、わらわら集まってきた。

コマネチッ   コマネチッ!
1《わん》! 2《つー》! 3《すりぃ》! 4《ふぉ~》!  
左右を指さし、くるくるくるりっ!
ターン! ターン!
天に弓引くよに何度も腕引き、そうして拳を突き上げる!

その背に流した黒の三つ編みが、ぶるんぶるんと動きにあわせて暴れまわった。

そう、まさにそこは――“独壇場”。
最早誰にも奴を、止められない。

あふれ出るゥ、パッションッ!!

このォ! 情ゥッ! 熱、をォ!
表ッ! 現ッ! するッ! のにィ!

人のォ! 手ェ! あァ! しィ! はァ!
――ッ! 少なァッ! すぎッ! るッ!!

まるでそういわんばかりに、どんどんとその身振り手振りは激しいものになっていく。

いやもうホントに、なんだこれ。
しかも時折こっちを見て小さく手を振るのだから、それがまた、腹にクる。
そしてそんな余計なことをしてるのに、一切テンポが狂わない。

脇腹が引きつって、痛い。
涙まで出てきた。
立ってられなくて、ダンッ!と勢いよく膝をついた。

後ろから大丈夫かと声がかかるが、まったくもって、なに一つだって、大丈夫じゃっないっ!

そのままくずおれて、左右の肘まで床についた。
だけど、顔は上げたまま。
魔人の独壇場を、目に焼きつけてしまう。



そうして、ここ一番の大盛り上がり。
情熱的なメロディラインにそって、魔人は大きく飛び上がった。
飛び跳ねる前、その瞬間に、目があって。

あ、たぶん。
こいつ、やらかすな。

そういう色が見てとれたので、腹筋に力をこめた、はずなのに。

このゲーム機は、激しく踊り狂うことを想定して、四隅を囲うようにビビッドカラーのゴムで覆われた腰丈ほどの柵が設けられている。
普通は……想定されている遊び方では、まず、触れることがないであろう、それに。
三回転半ツイストジャンプで跳びたかったのだろう魔人の足が、引っかかった。

そうなると、どうなると思う?

――そこを支点に、落下するんだなぁ、これが。

落っこちながら、魔人は、あれ?と言う顔をした。

そして、そのまま。


ッダァアアアアアッ! ッンンンッ――!!


肉が、叩きつけられる音。


「あだぁ~っ!!」


魔人のよく通る悲鳴が、店内をこだまする。


それに、俺は。

あぁ、もう。

俺は、死んでしまった。

父よ、母よ、そして苛烈なるも、優しい姉よ。
……優しいか?
いや、優しくはないな。

訂正、姉よ。
あれほど慈しんでいただいたのに、わたくし、齋藤暁は、天国へと旅立ってしまいました。

先立つ不幸をお許しください――。


「あの人、めちゃくちゃ踊り狂ってたんですよ。
 そしたらいきなり、大っきくジャンプして。
 足、引っかけて。
 頭っから落っこちたんですけど」

――頭、大丈夫ですかね?

二重の意味でなッ!

駆けつけてきたスタッフへ、呆れたような声で説明する他の利用客の一言で、また笑いの発作がぶり返す。

したたかに背を打ちつけたのはもちろん、結構な勢いで後頭部を叩きつけたのだ。
それを心配するのは当然のことだろう。
たんこぶもできているかもしれない。

そして、もう一つは。

あれほど訳のわからん振りつけで踊り狂い、跳ね回り、最後には三回転半ツイストジャンプをしようとするおつむの“出来”への皮肉だった。

俺は、魔人に恋心を抱いている。
本当は、じたばたと手足を振り回しながら起き上がろうと、まるで逆さまにひっくり返された甲殻類のようにもがく魔人に走り寄って、抱き起こしてやりたい。

だけどもう、俺は死んでしまったのだ。
夜空を切り裂く流星のようにまばゆい――この世を生きる者に、触れることすら叶わない。

   ・
   ・
   ・

しばらくして笑いの発作の治まった俺は、魔人を床から引きずり起こした。
ひとしきりもがいて疲れきってしまったのか、完全に脱力しきって大の字で寝っ転がる魔人(これ以上ないほどに真顔)に、また笑いのツボを刺激される。

もうホント、止めてくれ。
俺が悪かったから、もう本当に、許してほしい。


そうしてこれは、伝説となる――。

たびたび現れる、ひどく陽気で奇っ怪なダンスを披露する、褐色肌の残念美形は。


――かのゲームセンターでは、根強い人気を誇っているそうだ。
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