転生しても実家を追い出されたので、今度は自分の意志で生きていきます

藤なごみ

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第三十一章 五歳の祝い

千七十四話 入園式と卒園式の警備の打ち合わせ

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 今日は卒園式の警備の打ち合わせをするため、僕だけでなく軍務卿とジンさんも一緒に学園に行きます。
 ここまでくると、卒園式と入園式の打ち合わせも佳境に入ってきますね。

「基本的には、ルーカスが入園した時と同じだな。馬鹿な同級生もいないし、保護者も問題ないだろう」

 ジンさんは、ルーカスお兄様の卒園式は殆ど問題がないと言っていました。
 元々ルーカスお兄様の同級生は僕たちでいうEクラスにあたる学園生もいないし、四年間キッチリと教育を受けてきたからだと言っていました。
 何かあった時の動線の確保や避難経路の確認なども、過去の資料を元に対応すればいいだけです。
 来賓としてルカちゃんとエドちゃんがやってくるけど、この辺りも特に問題ありません。

「間違いなく問題になるのが、アレク君の入園式の方でしょう。入園数が多いのは特に問題ないが、とびっきりの馬鹿がいるからな」

 そして、軍務卿が深刻そうな表情で話をすると、先生もジンさんも、そして一緒に着いてきたスラちゃんもうんうんと激しく同意していました。
 今年は例のぽっちゃり君以外にも補習クラスになっている人がいるし、その人の親が入園式でどんな対応をしてくるのかも分かりません。
 この辺が、四年間でだいたいの人の人となりが分かっているルーカスお兄様たちの卒園式と、まだ入園試験で測れることしか分かっていない僕たちの入園式の違いです。

「アレクの同級生は、特別良いものもいるが極端に悪いものもいるな。ここまでハッキリしているのも珍しいぞ」

 ジンさんがニヤッとしながら僕に話したけど、何だかちょっと不安になってきちやった。
 取り敢えず、式典中に騒いだ人は容赦なく叩き出すという従来からのルールを徹底することにしました。
 この辺は、式典用のパンフレットや開式時にアナウンスすることにしました。
 話し合いはこれくらいにして、僕たちは王城に戻ることになりました。
 早速国王陛下の執務室に行って、宰相も呼んで報告することになりました。

「入園予定者宛に、再度入園式の注意事項を周知するか。はっきり言って式典中は静かにして騒がないなど子どもが守るべきレベルの話だが、奴らはそれすら守らない可能性がある。場合によっては、問題を起こしたら体育館入り口で締め出すことも検討しよう」

 陛下も、問題を起こしそうな貴族とその子どもはまともじゃないと頭が痛そうに話していました。
 陛下は入園式には参加しないけど、僕とリズとエレノアの付き添いでティナおばあさまとアリア様が保護者として来るし、来賓としてルーカスお兄様も来る。
 何が起きても直ぐに動けるように、万全の体制を整えないとならない。
 僕は新入生として式典に参加する方だから、細かい警備の指揮は軍務卿とジンさんが執ることになる。
 もちろん、レイナさんやカミラさんたちも警備に参加する予定です。
 うーん、ルーカスお兄様が入園する時よりも警備が厳重になっている気がするよ。

「今回は、王族が入園するというよりかは、馬鹿が暴走をしないための警備だ。アレクたちは、普通にしていればよい」

 陛下は苦笑いをしながら僕に話したけど、そもそも僕は学園担当の副宰相だし、今までも学園の卒園式と入園式を担当してきたから、周りのことがもの凄く気になっちゃうんだよね。
 平穏無事に入園式が終わることを祈りましょう。
 すると、国王陛下の執務室にリズたちが入ってきた。
 きっと、今日の僕の話し合いが気になったのでしょう。
 でも、僕はリズたちにこう言いました。

「リズたちは、式典中は騒がずに大人しくしていましょうね」

 リズの場合、何かトラブルがあると自ら突っ込んで行くからなあ。
 とにかく、それだけは避けないといけません。
 あと、別件でエレノアにあのことを話します。

「エレノア、新入生代表挨拶の内容は決まった?」
「うぅ、またなの……」

 エレノアはしおしおになりながら返事をしたけど、こればっかりはエレノアに頑張って貰わないといけません。
 もちろん僕も中身の添削とかはやるけど、最初の原文はエレノアが頑張って作らないとね。
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