文字の大きさ
大
中
小
877 / 1,396
第三十一章 五歳の祝い
千七十三話 小さい子を褒めるのは大変です
段々と卒園式と入園式が近づいていく中、僕は今日も陛下の執務室でお仕事をしていました。
この陛下の執務室で仕事をするのも、あと少しですね。
実際には卒園したルーカスお兄様が陛下の執務室にやってきて、僕は宰相執務室に席が戻るだけですけど。
カキカキカキ。
そんな宰相執務室に、今日は何故かゲストが来ています。
王家の末っ子のエリちゃんです。
応接セットのソファーに座り、お絵かきをしています。
ネコちゃんとプリンに加えてお世話係の使用人も控えているので、取り敢えずは大丈夫です。
カキカキカキ。
「できたー!」
トトトト。
エリちゃんは自分なりの自信作が出来上がると、絵を描いた紙を手にして執務室の職員のところに駆け寄っていきました。
そして、じゃーんって感じで絵を見せます。
「かけたー!」
エリちゃんなりの自信作は、もちろんいつも一緒にいるネコちゃんです。
幼い絵ながらも、飛天虎のネコちゃんの特徴を上手く掴んでいます。
「ふふ、とても上手に描けましたね」
「むふー」
エリちゃんは、職員に頭を撫でられながら褒められてとってもご満悦です。
そして、他の職員や僕に自慢げに絵を見せた後、再び絵を描き始めました。
しかし、一人だけ絵を見せていない人がいます。
「なあ、エリよ。余にも絵を……」
「ぷいっ。カキカキカキ」
そうです、エリちゃんのお父さんにしてこの部屋の主である国王陛下です。
しかし、陛下はエリちゃんの絵を見間違えたのもあり、エリちゃんのご機嫌を損ねてしまいました。
そのため、エリちゃんは頑なに陛下に自分が描いた絵を見せません。
小さい子は、機嫌を損ねると大変ですね。
その後も、エリちゃんはネコちゃんの絵を描いては陛下以外の人たちに自慢げに見せていました。
気がついたら、プリンも一緒に混ざって絵を描いていますね。
ガチャ。
「あっ、ままー!」
「あら、可愛らしい絵を描いていたのね」
暫くすると、国王執務室にアリア様がやってきました。
どうも急な面会があったみたいで、それでエリちゃんをこの部屋に預けていたみたいです。
アリア様は、直ぐに駆け寄ってきたエリちゃんが見せてきた絵を、ニコリとしながら褒めていました。
そして、エリちゃんもアリア様にギュッと抱きついていますね。
「アレク君、エリのことを見ていてくれてありがとうね」
「僕は何もしていないですよ。エリちゃんは、とても大人しくしていましたし」
「それでも、エリのことを気にしてくれていたでしょう? プリンちゃんも一緒にいてくれたみたいね」
アリア様は、エリちゃんを抱っこしながら僕とプリンにもお礼を言ってきました。
他の職員にもお礼を言っているけど、陛下はスルーしていました。
「あのね、エリ、ネコちゃんをかいたのに、パパがおうまさんっていったのー」
「あらら、そんなことがあったのねー」
というのも、何があったかをエリちゃんが素直に言ったからです。
陛下も、エリちゃんがわざわざネコちゃんを指さして絵を見せてきたのに、それをスルーするんですよね。
本当に、陛下は家族のことになるとポンコツになりますね。
そして、勉強部屋に行ったエリちゃんが他のきょうだいにも陛下がネコちゃんを馬だと言ったと言いました。
そのため、陛下は昼食時にエリちゃんの兄と姉からそれは酷いと総攻撃を受けていました。
小さい子を褒めるのも、本当に気をつけないといけないですね。
この陛下の執務室で仕事をするのも、あと少しですね。
実際には卒園したルーカスお兄様が陛下の執務室にやってきて、僕は宰相執務室に席が戻るだけですけど。
カキカキカキ。
そんな宰相執務室に、今日は何故かゲストが来ています。
王家の末っ子のエリちゃんです。
応接セットのソファーに座り、お絵かきをしています。
ネコちゃんとプリンに加えてお世話係の使用人も控えているので、取り敢えずは大丈夫です。
カキカキカキ。
「できたー!」
トトトト。
エリちゃんは自分なりの自信作が出来上がると、絵を描いた紙を手にして執務室の職員のところに駆け寄っていきました。
そして、じゃーんって感じで絵を見せます。
「かけたー!」
エリちゃんなりの自信作は、もちろんいつも一緒にいるネコちゃんです。
幼い絵ながらも、飛天虎のネコちゃんの特徴を上手く掴んでいます。
「ふふ、とても上手に描けましたね」
「むふー」
エリちゃんは、職員に頭を撫でられながら褒められてとってもご満悦です。
そして、他の職員や僕に自慢げに絵を見せた後、再び絵を描き始めました。
しかし、一人だけ絵を見せていない人がいます。
「なあ、エリよ。余にも絵を……」
「ぷいっ。カキカキカキ」
そうです、エリちゃんのお父さんにしてこの部屋の主である国王陛下です。
しかし、陛下はエリちゃんの絵を見間違えたのもあり、エリちゃんのご機嫌を損ねてしまいました。
そのため、エリちゃんは頑なに陛下に自分が描いた絵を見せません。
小さい子は、機嫌を損ねると大変ですね。
その後も、エリちゃんはネコちゃんの絵を描いては陛下以外の人たちに自慢げに見せていました。
気がついたら、プリンも一緒に混ざって絵を描いていますね。
ガチャ。
「あっ、ままー!」
「あら、可愛らしい絵を描いていたのね」
暫くすると、国王執務室にアリア様がやってきました。
どうも急な面会があったみたいで、それでエリちゃんをこの部屋に預けていたみたいです。
アリア様は、直ぐに駆け寄ってきたエリちゃんが見せてきた絵を、ニコリとしながら褒めていました。
そして、エリちゃんもアリア様にギュッと抱きついていますね。
「アレク君、エリのことを見ていてくれてありがとうね」
「僕は何もしていないですよ。エリちゃんは、とても大人しくしていましたし」
「それでも、エリのことを気にしてくれていたでしょう? プリンちゃんも一緒にいてくれたみたいね」
アリア様は、エリちゃんを抱っこしながら僕とプリンにもお礼を言ってきました。
他の職員にもお礼を言っているけど、陛下はスルーしていました。
「あのね、エリ、ネコちゃんをかいたのに、パパがおうまさんっていったのー」
「あらら、そんなことがあったのねー」
というのも、何があったかをエリちゃんが素直に言ったからです。
陛下も、エリちゃんがわざわざネコちゃんを指さして絵を見せてきたのに、それをスルーするんですよね。
本当に、陛下は家族のことになるとポンコツになりますね。
そして、勉強部屋に行ったエリちゃんが他のきょうだいにも陛下がネコちゃんを馬だと言ったと言いました。
そのため、陛下は昼食時にエリちゃんの兄と姉からそれは酷いと総攻撃を受けていました。
小さい子を褒めるのも、本当に気をつけないといけないですね。
感想 306
あなたにおすすめの小説
【完結】20年後の真実
ゴールデンフィッシュメダル公爵令息のマリウスがが婚約者タチアナに婚約破棄を言い渡した。
マリウスは子爵令嬢のゾフィーとの恋に溺れ、婚約者を蔑ろにしていた。
それから20年。
マリウスはゾフィーと結婚し、タチアナは伯爵夫人となっていた。
そして、娘の恋愛を機にマリウスは婚約破棄騒動の真実を知る。
おじさんが昔を思い出しながらもだもだするだけのお話です。
全4話書き上げ済み。
婚約者が心酔している盲目の聖女は私ですが
オトナシマソラ血を見ると倒れてしまうため、目隠しをして治療をしていたら「盲目の聖女」と呼ばれるようになってしまった聖女セレナ。
幼馴染の婚約者アレンは、セレナ=盲目の聖女だと気づかず、彼女を冷遇し婚約破棄を言い出す。
婚約を解消したセレナは、過保護な神官見習いのルカに溺愛され、新たな道を歩むことに。一方、夜会でついに真実を知った元婚約者はすべてを失い絶望するが、もう手遅れで……。血が苦手な訳あり聖女の逆転ラブストーリー
※本作品はになろうにも掲載しています小説家
捨てられた赤ちゃんを拾ったら、創世神様でした。世界を救うより、お父さんを幸せにしたいそうです
由香山で捨てられていた赤ちゃんを拾い、家族として育てることを決めた青年。
その日から、枯れた大地は実り、病は癒え、伝説のもふもふ神獣たちが次々と家へ集まってくる。
実はその赤ちゃんの正体は、この世界を創った創世神だった。
「いっぱい育ててくれてありがとう。今度は私がお父さんを幸せにする番だよ。」
これは、神様が初めて手に入れた”家族”との、優しくて温かな奇跡の物語。
私の息子を“愛人の子の下”にすると言った夫へ──その瞬間、正妻の役目は終わりました
放浪人政略結婚で伯爵家に嫁いだ侯爵令嬢リディアは、愛のない夫婦関係を「正妻の務め」と割り切り、赤字だらけの領地を立て直してきた。帳簿を整え、税の徴収を正し、交易路を広げ、収穫が不安定な年には備蓄を回す――伯爵家の体裁を保ってきたのは、いつも彼女の実務だった。
だがある日、夫オスヴァルドが屋敷に連れ帰ったのは“幼馴染”の女とその息子。
「彼女は可哀想なんだ」
「この子を跡取りにする」
そして人前で、平然と言い放つ。
――「君の息子は、愛人の子の“下”で学べばいい」
その瞬間、リディアの中で何かが静かに終わった。怒鳴らない。泣かない。微笑みすら崩さない。
「承知しました。では――正妻の役目は終わりましたね」
私を追い出した結果、飼っていた聖獣は誰にも懐かないようです
天宮有 子供の頃、男爵令嬢の私アミリア・ファグトは助けた小犬が聖獣と判明して、飼うことが決まる。
数年後――成長した聖獣は家を守ってくれて、私に一番懐いていた。
そんな私を妬んだ姉ラミダは「聖獣は私が拾って一番懐いている」と吹聴していたようで、姉は侯爵令息ケドスの婚約者になる。
どうやらラミダは聖獣が一番懐いていた私が邪魔なようで、追い出そうと目論んでいたようだ。
家族とゲドスはラミダの嘘を信じて、私を蔑み追い出そうとしていた。
水魔法しか使えない私と婚約破棄するのなら、貴方が隠すよう命じていた前世の知識をこれから使います
黒木 楓 伯爵令嬢のリリカは、婚約者である侯爵令息ラルフに「水魔法しか使えないお前との婚約を破棄する」と言われてしまう。
異世界に転生したリリカは前世の知識があり、それにより普通とは違う水魔法が使える。
そのことは婚約前に話していたけど、ラルフは隠すよう命令していた。
「立場が下のお前が、俺よりも優秀であるわけがない。普通の水魔法だけ使っていろ」
そう言われ続けてきたけど、これから命令を聞く必要もない。
「婚約破棄するのなら、貴方が隠すよう命じていた力をこれから使います」
飲んだ人を強くしたり回復する聖水を作ることができるけど、命令により家族以外は誰も知らない。
これは前世の知識がある私だけが出せる特殊な水で、婚約破棄された後は何も気にせず使えそうだ。
タダ働きなので待遇改善を求めて抗議したら、精霊達から『破壊神』と怖れられています。
渡里あずま出来損ないの聖女・アガタ。
しかし、精霊の加護を持つ新たな聖女が現れて、王子から婚約破棄された時――彼女は、前世(現代)の記憶を取り戻した。
「それなら、今までの報酬を払って貰えますか?」
※※※
虐げられていた子が、モフモフしながらやりたいことを探す旅に出る話です。
※重複投稿作品※
表紙の使用画像は、AdobeStockのものです。
【流血】とある冒険者ギルドの会議がカオスだった件【沙汰】
一樹とある冒険者ギルド。
その建物内にある一室、【会議室】にてとある話し合いが行われた。
それは、とある人物を役立たずだからと追放したい者達と、当該人物達との話し合いの場だった。