小さな大魔法使いの自分探しの旅 親に見捨てられたけど、無自覚チートで街の人を笑顔にします

藤なごみ

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第十章 冒険者学校入学試験

第六百七十五話 新年の謁見

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 謁見の時間になったので、王家と閣僚の面々を除いて僕たちは謁見の間に向かいます。
 マヤちゃんも僕と手を繋いでいるけど、どんなことをすればいいかは簡単に説明しました。
 淑女の礼はマヤちゃんでもできるので、この辺りは問題ありません。
 そして、僕は元々知り合いが多い軍人貴族のところに向かいました。

「マイスター師団長さん、ブラウニー伯爵、新年おめでとうございます」
「おめでとうございます」
「レオ君とマヤちゃんか、新年おめでとう」
「きちんと挨拶が出来て偉いな」

 マイスター師団長さんとブラウニー伯爵は、僕とマヤちゃんの頭をニコリとしながら撫でていました。
 他にも、ネストさんやビクターさんたちにも挨拶をします。
 すると、僕の知り合いの人が声をかけてきました。

「レオ君、新年おめでとう」
「あっ、ウィリアムさん。新年おめでとうございます」
「しかし、レオ君の周りにはたくさんの貴族がいるね。それだけ、レオ君が多くの人に愛されている証拠だね」

 ウィリアムさんとは昨年アマード子爵領で会ったけど、こうして新年の謁見で会うのは初めてだね。
 よく考えると、昨年の新年は帝国との国境にいたから謁見には参加していないんだよなあ。
 あっ、改めてウィリアムさんにお礼を言わないといけないね。

「ウィリアムさん、素敵な剣を贈って貰いありがとうございます」
「ははは、レオ君は律儀だね。アマード子爵領がレオ君にとってもお世話になったから、このくらいは何ともないよ」

 ミスリルのとても凄い剣を貰ったし、僕もとっても大切にフランソワーズ公爵家に飾ってあります。
 いつか僕が自分の屋敷を手に入れたら、キチンとしたところに飾る予定です。
 すると、何故か僕たちのことをジロジロと見ている貴族がいました。
 多分だけど、チャーリーさんが言っていた面倒くさい貴族のことですね。
 すると、軍人貴族やウィリアムさんが僕たちをジロジロと見る貴族の視線から隠してくれました。

「敵意のある視線を、特に小さな子が浴びる必要はない」

 おお、ビクターさんがとってもカッコいいことを言ったね。
 僕も、うまくマヤちゃんが隠れる位置に立たないとね。
 というか、嫌な視線をしてきた貴族は段々と隅に追いやられていますね。
 軍人貴族だけでなく、他の貴族からも嫌な存在みたいですね。
 シロちゃんも、かなり警戒をしています。

「静粛に。これより、王家並びに閣僚が入場します」

 ここで、係の人のアナウンスがあったので、僕たちも臣下の礼をします。
 マヤちゃんも、上手に臣下の礼が出来ていますね。
 そして、閣僚と王族が袖口から入ってきて、陛下が玉座に座りました。

「皆のもの、面を上げよ」

 陛下の声で、僕たちは顔を上げました。
 すると、陛下は僕たちを見回したと思ったら端に追いやられている貴族の方をチラッと見ました。
 そして、そのまま話し始めました。

「新年を皆と迎えることが出来て嬉しく思う。昨年は帝国との紛争の真っ只中にあり、新年の行事は縮小して行った。本年は、何もなければ例年通り行う予定だ」

 陛下は何もなければと言っているけど、今年はビックサプライズが待っているもんね。
 でも、先に面倒くさいことを話すそうです。
 チャーリーさんが、一歩前に出た。

「最初に、残念な報告をしないとならない。王城で働く貴族への試験を義務付けることになったが、カンニングが相次いだ。そのため、以下の貴族は当主権限を制限し再試験を命令する。フーバー男爵……」

 おお、十家以上の貴族家の名前が呼ばれているよ。
 すると、僕たちに嫌な視線を向けていた貴族が一斉に下を向いて歯ぎしりを始めたよ。
 フーバー男爵は真っ先に名前が挙がったけど、他にも色々とやらかしたそうなので強制当主交代になるそうです。
 でも、長男も次男もカンニングで捕まったので、このまま行くと大変なことになりそうです。

「また、先行して行った軍人貴族への試験に関しても、カンニングをしたものがいる。こちらに関しても、当主権限を制限した上で再試験を課す。地方貴族に関しても、最低限の試験を課すことになった」

 ここでも、一部の貴族がざわざわとし始めました。
 でも、ざわざわとしているのはほんの一部だけで、殆どの貴族はなんにも問題ないそうです。
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