小さな大魔法使いの自分探しの旅 親に見捨てられたけど、無自覚チートで街の人を笑顔にします

藤なごみ

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第十二章 再びの帝国との紛争

第八百十四話 ベーベル子爵を捕縛します

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 護衛をするものがいなくなり、ベーベル子爵は大汗をかきながらかなり焦った表情に変わりました。
 自分にとって想定外のことが続き、完全に追い詰められているみたいです。

「お、おい。お前らでレオを殺せ! レオがいないだけで、戦力はガタ落ちだ!」
「「「おう」」」

 シャキン、シャキン。

 今度は、ベーベル子爵の取り巻きの貴族が剣を抜いて僕に襲いかかってきました。
 しかし、ビクターさんはかなり呆れた表情のままでした。

 バキン、ボカン!

「「「ぐはぁ!」」」
「なっ……」

 ベーベル子爵の取り巻きは、海軍の屈強な兵にあっという間に制圧されちゃいました。
 もちろん、海兵に怪我人はいません。
 ベーベル子爵は目の前で起きた結果にかなり驚いているけど、僕たちとしては当たり前の結果だと思うんだよね。

「はあ、お前は本当に馬鹿だな。海軍の兵も、常に厳しい訓練を行っている。確かにレオ君は桁違いの魔法使いだが、普通に考えれば兵に喧嘩を売って勝てるわけがないだろうが」

 僕も、ビクターさんの意見に賛成です。
 厳しい訓練を受けている兵と、その場しのぎの剣しか使えない貴族では圧倒的に戦力が違います。
 これで、残りはベーベル子爵ただ一人になりました。

「宣言を言う前に向かって来たから今まで言えなかったが、一応言っておく。無条件降伏すれば、手荒なことはしないぞ」
「ぐぐっ……」

 この期に及んで無条件降伏なんかしないと思うけど、形式的にでも言っておかないといけません。
 ベーベル子爵は、歯ぎしりをしながらかなり焦った表情に変わりました。
 それでも、ベーベル子爵の決断は変わりませんでした。

 シャキン。

「くそ、俺様が一番なんだ! くそー!」
「はあ、やはり無駄だったか。レオ君、少し厳し目にお仕置きしてやってくれ」

 僕は、もはややむなしというビクターさんの声に応えました。
 溜めていた魔力を、剣を上段に構えて突っ込んでくるベーベル子爵めがけて放ちました。

 シュイン、バリバリバリバリ。

「ぐぎゃー!」

 おお、ベーベル子爵は豪華な服なのに加えて指輪やネックレスなども身に着けていました。
 その影響なのか、電撃を浴びてピカピカと光り輝いています。

 プスプス、パタリ。

「うぐ、うぐぐぐ……」

 ベーベル子爵は、プスプスと煙を上げながらピクピクしていました。
 髪の毛もチリチリになっちゃったけど、ビクターさんから回復魔法は不要だと言われました。

「さて、後はコイツラを王都に運ばないといけないな。全員拘束して、ソラちゃんは王都の軍の施設に運んでくれ」
「「「はっ」」」
「キュッ」

 おお、ソラちゃんが兵と混ざって可愛らしく敬礼をしているよ。
 そして、兵が次々と倒れている人たちを拘束していきました。
 しかし、作業はこれで終わりません。

「馬車の中にいるものも、拘束して王都に連行する。作業を開始せよ」
「「「はっ」」」

 実は、ベーベル子爵と取り巻きの家族も馬車の中に入っていたのです。
 中には小さい子どももいたけど、全員を軍の施設に送らないといけません。
 今回ベーベル子爵が引き起こしたのは、それだけの大罪だということです。
 ここは王都からそこまで離れていないし、ソラちゃんならあっという間に多くの人を運ぶことができます。
 さっそく大きくなったソラちゃんが、次々と拘束された人々を運んでいきました。

「ここは兵に任せるとする。我々は、屋敷の制圧に向かうぞ」
「「「はっ」」」

 通信用魔導具で各所に連絡しながら、ビクターさんは兵に指示を出していました。
 そして、屋敷の中に入るとかなりびっくりしてしまいました。

「うわあ……豪華な調度品がいっぱいです……」
「こりゃ凄いな。どう見ても、子爵の屋敷ではないな」

 フランソワーズ公爵家や王城以上に、派手で金ピカな調度品がたくさん陳列されていました。
 今まで見てきた貴族の屋敷の中でも、一番豪華かもしれません。
 この調度品も全て押収され、王都に運ばれることになります。
 この分だと、執務室やベーベル子爵の部屋なども凄い宝石とかありそうです。

 ガチャ。

「「「……」」」

 応接室に入ると、僕たちはみんなびっくりしすぎて固まっちゃいました。
 執務室の中は、宝石店かなっていうくらい金品がたくさんありました。
 そして、執務机の上にはたくさんの手紙が散乱していて、帝国からの指示のものも含まれていました。

「恐らく、捕まえた護衛の中に帝国からの兵も含まれていたのだろう。そうでなければ、これだけ帝国とやり取りをすることは不可能だ」

 ビクターさんは、頭が痛いって表情で執務机の上に散乱している手紙を手にしていました。
 何にせよ、もっとたくさんの証拠を探し出さないといけないね。
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