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鬼の仲間として

55 呼び方

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 はてさて、どうなるかと心配していましたがね。何とかなるもんですね。
 あ、そうだ。ナルーさんが、報告書や企画書の書き方の雛型が欲しいって言ってました。じゃあ、いつも書いているだろうラクッサさんに訊いてみましょう。
 と、ラクッサさんにその話をすると…。

「もう、そうなのよ! ナユさんったら、無責任って言うかね。私の書いた報告書、ろくに見もしないで署名しちゃうからね。こっちが責任感じちゃって困るのよ!」

 いや~、部下からすれば、そうですよね。でも、それだけ信頼されているってことじゃないんですかね?

「あ、キヅミはシッカリしてるから大丈夫だけどね。ナルーは抜けてるとこあるからね。報告書、きちんと確認してから署名するようにしてね。
はい、書き方はこんな感じね」

 な、なるほど、有益な情報と雛形、ありがとうございます。

「ところで、キヅミさん…じゃなくてキヅミから部下は呼び捨てにするもんだって言われましたけど、ラクッサさんのことは、これまで通り『ラクッサさん』と呼ばせてもらって良いですか?」

「う~ん。別に呼び捨てで構わないよ~」

「いや、でもラクッサさんの場合、私の直接の部下でないわけですし、妖語の先生ですし、なにより年上のお姉さんなんですからね。やっぱりラクッサさんと呼ばせて頂きたいです」

「別に、何でもよいよ~。呼びたいように呼んでね」

 よしよし、これでラクッサさんはオーケー。牧場の方は本人からの申し出で全員呼び捨てだけど、問題は農場と、メイドの二人。序列としては私より下のランクになりますけど、みんな先輩ですし、私よりも年上なんですよ。ラクッサさんに相談してみますと、

「じゃあ、『ちゃん』なんてのは、どうかな」

とのこと。
 おお!それですよ、それ!
 …というか、既にメイドの二人に関しては心の中ではそう呼んでいましたよ。それにしましょう!

「いやだ、だったら私も、それがイイかも…」

とラクッサさんは言いますが…。

「い、いや、ラクッサさんは『ラクッサさん』と呼ばせてください。先生ですから!」

「そ、そお? まあ、別に、いっけどね」

「あ、なんなら、『ラクッサ先生』ってのも、ありかも!」

「うう~、イヤよ~! それだけは止めて頂戴。『さん』でお願いします!」

 ハハハ……。



 そんなこんなで、上がってくる報告書なんかは内容を確認して署名し、リューサ様のところへ。
 リューサ様、それを見て私の方を向き、ニヤッと笑います。ナユさんの丸投げ方式にしたってのはすぐ分かりますからね。でも、ダメとは言われません。オッケーです~。


 こんな感じで一週間程。特にこれといった問題もなく過ぎました。
 只ですね、仕事はそれだけでないんですよね。重要な仕事。そう、屠殺。それも、女の子二人を近日中に・・・。
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